変化するベトナム工場

　昨年、シンガポールポール系のベトナム工場に出資してから、約１年と数ヶ月が経過した。

　我々が、経営に参画することにより、工場は大きく変わりつつある。

　当初は、規律も５Sも酷い状態だった。

　工場現場のオペレーターは、勝手気儘な服装に、何と草履履き。
　人と会っても、挨拶はしない。
　少し、手持ちの時間が出来れば、ローラーコンベアや、床に座ってお喋り、或いは、職場を抜け出して危険な場所で喫煙。

　床は、コンクリート打ちっぱなしなので、埃が舞っているような状態。

　在庫、半製品・仕掛品が高く積み上げられ、埃にまみれた死蔵品が山ほどあるのは明らかだった。

　そこで、我が社主導による改善活動が始まった。

　床は、塗装し、不良在庫は一掃。そして地道な社員教育の実施。

　これが、ジワジワと効果を発揮し、当初と比べると見違えるような工場になってきた。

　何よりも嬉しいのは、社員の意識改革が進みつつあることだ。



　従来、挨拶を一切、しなかったオペレーター達が、僕が工場に入ると笑顔で挨拶をしてくれるようになった。

　これまで、まだ戦う準備が出来ていないと、わざと営業活動を抑えてきたが、いよいよ臨戦態勢が整いつつある。

　あとは、武器を持たせてやることだ。
　ボトルネックとなっている部分の設備を増強する。
　そして、進出計画めじろ押しの国際優良企業を狙い撃ちする。

　ここまで、工場改善に尽力してくれた我が社の仲間に心から感謝の意を表したい。