石像と化したボブは、生まれ故郷であるグアムへと運ばれた。
この巨大な石像を運ぶのは、容易なことではないが、ボブに救われた島の人々が貧しい中からもお金を募って運搬費を捻出した。
島の人達のボブに対する敬愛の念は、海よりも深い。
小型の運搬船でグアムに運ばれたボブの石像は、昔、日本兵が防空壕を作って隠れていた場所の近くにひっそりと建てられた。
僕は、ボブに会いにいった。
石の塊となったボブに僕は語りかけた。
「久しぶりだね、ボブ。初めて君と会って、既にONE DECADE以上が過ぎたよ。
津波の襲った日、君は海神の如き働きをしたそうだね。
君がこういう姿になる前にもう一度会って話をしたかった。君の存在は、常に僕自身を写す鏡だった。君の目に僕はどう映るのか、そればかりを考え僕は生きてきた気がする。
海の精たる君に、僕の身体が光に包まれていると言われたのは、僕の誇りだった。
ボブ…、僕はこのOne Decade 懸命に生きてきた。でも僕の生きてきた道は、どこかで方角違いを起こしてしまったようなんだ。
僕は、君に聞きたかったんだ。今でも、僕は白い光に包まれているか否かを…」
でも、もう君から答えを聞くことは叶わない!!!!!!!!!
ボブと再会した翌日、僕は海沿いのゴルフ場に行った。
そのコースの12番ホールを、支配人とすったもんだ交渉して、30分間だけ誰も立ち入らないようにしてもらった。
ティー・グランドに立った。
美しい海越えのショート・ホールだ。
僕は、7番アイアンを片手に、もう一方の手にはやや汚れた麻の袋を持っていた。
その袋を逆さまにすると、眩いばかりの財宝がバラバラとティー・グランドにこぼれ落ちた。
「この財宝は、すべてボブのものだ。君が海に還った以上、この財宝も君の元に届けなくてはならない。」
7番アイアンを手にした僕は、その財宝を海に向かって打ち込み始めた。
ひとつひとつの財宝が煌めきながら、ライナー性の軌道で海に消えていく。
僕は、無心でクラブを振り続けた。 (完)
この巨大な石像を運ぶのは、容易なことではないが、ボブに救われた島の人々が貧しい中からもお金を募って運搬費を捻出した。
島の人達のボブに対する敬愛の念は、海よりも深い。
小型の運搬船でグアムに運ばれたボブの石像は、昔、日本兵が防空壕を作って隠れていた場所の近くにひっそりと建てられた。
僕は、ボブに会いにいった。
石の塊となったボブに僕は語りかけた。
「久しぶりだね、ボブ。初めて君と会って、既にONE DECADE以上が過ぎたよ。
津波の襲った日、君は海神の如き働きをしたそうだね。
君がこういう姿になる前にもう一度会って話をしたかった。君の存在は、常に僕自身を写す鏡だった。君の目に僕はどう映るのか、そればかりを考え僕は生きてきた気がする。
海の精たる君に、僕の身体が光に包まれていると言われたのは、僕の誇りだった。
ボブ…、僕はこのOne Decade 懸命に生きてきた。でも僕の生きてきた道は、どこかで方角違いを起こしてしまったようなんだ。
僕は、君に聞きたかったんだ。今でも、僕は白い光に包まれているか否かを…」
でも、もう君から答えを聞くことは叶わない!!!!!!!!!
ボブと再会した翌日、僕は海沿いのゴルフ場に行った。
そのコースの12番ホールを、支配人とすったもんだ交渉して、30分間だけ誰も立ち入らないようにしてもらった。
ティー・グランドに立った。
美しい海越えのショート・ホールだ。
僕は、7番アイアンを片手に、もう一方の手にはやや汚れた麻の袋を持っていた。
その袋を逆さまにすると、眩いばかりの財宝がバラバラとティー・グランドにこぼれ落ちた。
「この財宝は、すべてボブのものだ。君が海に還った以上、この財宝も君の元に届けなくてはならない。」
7番アイアンを手にした僕は、その財宝を海に向かって打ち込み始めた。
ひとつひとつの財宝が煌めきながら、ライナー性の軌道で海に消えていく。
僕は、無心でクラブを振り続けた。 (完)
涙が出ました。
人は皆いろいろなドラマを抱えていると思いますが、KEVINさんのこの経験はこれからも続くSTORYなのでしょうね。
光はきっと放ち続けられていると思います。
だってKEVINさんの心の中にはこんなにも鮮明にBOBの姿が映し出されているから・・・
実は、結構、真面目に10回の連載BLOG書きました。
僕が、この物語にこめた想いを理解してくれたようで、嬉しいです。
この想いは、作り物、借り物ではなく、今、現在、僕が抱えているものです。
だから、この物語は、フィクションではなく、ノンフィクションなんです。
こんなに心を打つ結末が待っているとは・・・
やっぱり貴方は素敵な人です。
私は貴方に出会えた事を心から幸せに思います。
いつか、貴方と同じ目線でこの世の中を見てみたい。
そう思っています。
これは、架空の話ではないのです。
僕の身に実際に起こった出来事なのです。
長い間、お付き合い下さりありがとうございました。
この小説に登場したいろんなスポット、また詳しく教えて下さい。
まだ一度もグアムに行ったことのない私ですが、
いつか出かけたら、この小説を片手に立ち寄ってみたいと思っています。