先日、南アの教科書の使用状況について書きました。
教科書を何人かで共同で使用しているのはたいへん効率が悪く、
南アの教育の課題の一つとなっています。
そんな現状に、一石を投じる団体があるので、
今日は簡単に紹介させていただきます。
FHSSTという非営利団体(リンク)です。
FHSSTとは、
「Free High School Science Texts」の略称で、
その名のとおり、高校(対象はGr.10~12)の教科書を無償提供しています。
wikipedia(リンク)によると、
「2002年に物理学者のMarkHornerによって設立された。南アフリカの農村の子供たちが、学校のクラスメートが使える教科書を制作する目的で、波動の授業ノートの校正をお願いしたことがきっかけである。」
だそうです。
では、実際にテキストの中身をみてみると、
手作り感がいっぱいで、比較的分かりやすく書かれています。
(もちろん英語で書かれています。ちなみに分量はかなり多め。記述が多い。)
しかし、私の任地のSecondaryの学校の先生に聞くと、
①ネット環境がなく、ダウンロードできない
②印刷代がかかり、かえってコストが高くつく
③そもそもFHSSTを知らない
ことから、なかなか導入するには至っていないようです。
もちろん既存の教科書会社との兼ね合いも問題になってくるでしょう。
実際、私の任地内で導入している学校を知りません。
(私がSecondaryにあまり行かないので、知らないだけかもしれませんが。)
日本のように使用する教科書を各市町村教育委員会で決めていないからこそ、
全国規模に拡がるチャンスがあると思うのですが。
南アには、今回のような取り組みがたくさんあります。
それらを生かすかどうかは、南アの先生たちに課されたチャレンジだと思います。
こちらザンビアは、教科書は皆無です。
いずれ、国が発展していくと、少しずつ教科書が配布されたりすることになるのでしょうが、そのときは今の南アのような状況になるのかなぁ。なんて思いました。
コメントありがとうございます。
>南アは教科書を生徒たちがシェアすることができるくらい持っているのですか?
学校によりますが、だいたい生徒2~3人に1冊はあります。ただし、「数が足りない」や「なくなると困る」と言って、生徒に触らせず、資料室などに放置のものもたくさんあります。もったいない環境だと思います。
教科書の重要性に気付いている先生もいれば、教科書に書いてあることが理解できない先生(もしくは教科書に書いてあることを質問されても答えられないので見せたくない先生)も少なからずいるのが、現状です。
ただあればいいというわけではないのが、こっちに来てから分かりました。