今日のテーマは、
「労働者としての教師」です。
この場合の労働者としての教師というのは、
『勤務時間内にすべてを行う』という意味で例えたものです。
南アの学校の教師は、勤務時間内にすべてを行います。
たいていの校内職員会議は、
通常の授業時間をつぶして、子どもを帰宅時間より早く帰してから行います。
子どもだけでなく、教師も授業中に平気な顔してトイレに行きます。
(教師には空き時間がたくさんあるにもかかわらず)
授業の準備を事前に家庭でする教師は、ほとんどいなく、
たいていの人は、授業の空き時間を利用して行います。
(まあ準備しない人がほとんどですが‥)
また、休み時間は絶対に削りません。
授業開始のベルが鳴ってから、弁当箱の片づけをはじめますが、
授業終了のベルが鳴ると同時に、教室を離れます。
そして、テストの採点が忙しい時期になってくると、
子どもたちを帰して、その時間を確保します。
実際、今ターム、子どもたちは来週末(12月9日)、
教師は、再来週火曜日(12月13日)まで続くはずなのですが、
来週は、子どもたちの多くが、学校に来ません。
それは、教師がテストの採点作業が忙しいためだとしているからです。
テストの採点に1週間以上かかるとは思えませんが、
それを口実に子どもたちが来ないようにやんわりと伝えます。
実際、教師側の言い分では、
「子どもたちが勝手に来ないのであって、我々が来るなとは言っていない。」
とのことです。
これは昨年も起こっているので、今年も起こるでしょう。
そして今後もおそらくずっと変わらないでしょう。
また前にも書きました(リンク)が、
子どもがケガをしても
勤務時間が終わると気にせず帰ってしまう教師が多いのが現状です。
いずれも勤務時間内に全てを行おうとする、
「労働者としての教師」を象徴するような出来事です。
日本の学校現場では、
子どもがいる間は、休み時間でも子どもの安全管理を一任され、
子どもが下校するとたいていすぐに職員会議か教職員研修、
勤務時間が終わってから翌日の授業準備とテストの採点、
不登校の児童生徒への家庭訪問や地域の会合への参加など、
時間外労働が当たり前のようになっている現状から考えると、
お国柄の違いがはっきりと出ているように思います。
私としては、子どもの学力を考えると、
もう少し指導時間を確保してほしいと願っているのですが、
現状に満足している(というかこの現状にも不満の)南アの教師には、
指導時間を確保する気概が感じられません。
それでも他のアフリカ諸国では、
教師が学校に来ないなどのもっと低次元な問題が発生しているようですので、
学校に来ているだけマシだと私は思うようにしています。
南アに来てほぼ丸2年。
私一人では、どうにもこうにも変えられません。