今日は、低学年の話。
日本では、小学校の低学年と言えば1年生と2年生を指しますが、
南アで低学年というと、Gr.1~Gr.3までを指します。
日本では、低学年を指導する男性教師がたまに聞きますが、
南アでは、低学年を指導する男性教師をみたことがありません。
過去に20校以上訪問しましたが、全てのクラスの担任が女性教師でした。
これは、アパルトヘイト時代に由来しています。
アパルトヘイト時代、
南アの小学校は、8歳(今で言うGr.3)から義務教育が始まりました。
※当時はGradeではなくStandaniを使用していました。
(当時のStandani1=現在のGrade3)
そこで就学前(8歳未満)の多くの子どもは、各家庭で育てられました。
また当時の小学校は、女性教師のみだったようです。
※管理職は男性がほとんど。高校には、男性教師もいました。
一説によると、子育てとしつけは女性がするもの
という概念が強かったためだそうです。
アパルトヘイトののち、小学校に男性教師が増えてきたのですが、
それでも当時の慣習の名残が強く、
低学年を担当する男性教師は現在でもみません。
その結果、私が低学年の算数科のサポートに入ると、
ほぼすべての子どもたちにとって、初めての男性教師になります。
そのため、私の名前を呼ぶ際、
私に対して「Mistress(ミストレス)」と、
女性教師の呼称を使うケースがかなりあります。
※Mistressの男性版は、「Master(マスター)」だそうですが、
男性教師を呼ぶときは、通常「Sir(サー)」を使います。
日本のように毎年学年を変えて、クラス替えをするのと違い、
指導学年と教科を固定する南アの現状からして、
低学年を持つ男性教師は、当分出てこないでしょう。
それはそれでさびしいことなのかもしれません。