玄関を出ると良い香りが漂ってくる。香りの元は、
向かいの家に植えられているクチナシの花。ちょうど今、風車のような白い花を咲かせている。
沖縄ではクチナシのことを「カジマヤー」という。
カジマヤーとは、風車のこと。和名の「口無し」クチナシは、
実が熟しても割れ口ができないことから名付けられたそうだ。
沖縄では日陰に多く見られ、むかえの家のように庭木にもよく
植えられている。冬には実が黄色く熟して、メジロなど野鳥の食料となる。
オバァの家の庭にもクチナシが植えられていた。
オバァは「これは薬さぁ」とよく言ってた。
実際に調べてみるとクチナシの葉は頭痛や不眠症の薬として
漢方で使われていたそうだ。
また、熟した実は織物を黄色に染める染料として使われていた。
宮古島では桜が散ると、それを待っていたかのようにイペーの花が咲き、
ハイビスカスやブーゲンビレアが色づき始めプルメリアや花々が
咲き始める。クチナシもその一つ、
5月風車「ごがつカジマヤー」と歌の歌詞にもなっている。