本ブログ内の写真の一部は「photoAC」様ホームページから入手しました。
こんにちは。
ちょっと涼しくなってきました。
読書の秋です。小生は中途失聴者です。中途失聴者として感銘を受けた本を紹介します。
中途失聴者の不安はいつ完全失聴してしまうか、という不安です。完全失聴したらどうしようと中途失聴者はみんな頭のどこかで考えていると思います。
そんなこと、どうでもいいことがこの本からわかります。今この瞬間、瞬間を「大切に大切に」生きて、それを積み重ねていけばいいんだということがよくわかります。
人間の幸せはその人の優劣にあまり関係がないということがこの本の結論だと思います。小説からほんとうによく伝わってきます。
【あらすじ】
(ねたばれしない程度に...)
チャーリイは知恵遅れの青年です。チャーリイはある医学的な手術実験によって、誰にも劣らない優秀な頭脳を手に入れます。そして、チャーリイはその頭脳を活用して世の中の役にたちます。知恵遅れだった時にあれほど願った人並以上のことができる頭脳。その頭脳を手に入れたのにまわりの景色はチャーリイが想像していたものと何かが違うのです。生きずらいのです。いままで自分には無縁だった自分に対する嫉妬や恨みに悩み始めます。優秀な頭脳を手に入れてから昔からの親友はなぜか離れいってしまいました。チャーリイは人並の平凡な幸せがほしかっただけなのに。
ちなみに、アルジャーノンというのは、チャーリイと同じ手術を受け、同じ境遇をたどった実験用のネズミの名前です。
【小生の感想】
この小説では、チャーリイという名前の主人公が、実験的な手術で優秀な頭脳を手に入れます。しかし、手術の副作用で今度は逆に急速に知能が衰えていくのです。手術前はその事実はわかっていませんでした。そしてまたチャーリイは知恵遅れの青年へと戻ってしまうのでした。
チャーリイがふたたび知恵遅れの青年に戻る過程は、まさに中途失聴者が完全失聴する過程とすごく似ていると思いました。読んでいる時、一体どうなってしまうのかはらはらしました。
チャーリイはもとの知恵遅れの青年に戻ったとき、平凡な生活をすることについてどう感じるのでしょう。
文庫本でしたが、ちょっと文章量が多いので腰を据えて読まれることをおすすめします。
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今日もいい日でありますように。