昔中国では、セックスのために纏足をつくっていました。
纏足は、女の子が3,4歳ぐらいの時に行われました。それ以上になると骨が硬くなるからです。母親、祖母、親戚の女性が心を鬼にして作業をしたそうです。以下は纏足の作り方です。
【1】ニワトリを2羽用意します。ニワトリの胸を包丁で切り開き、女の子の足を片方ずつその中に突っ込みます。生きたニワトリの靴をはくようなイメージです。これは暖かい血と内臓で足を柔らかくするためです。
【2】血まみれになった足を取り出し、たらいの水で洗います。足をよくふいたあと、親指をのばして、その他の4本の指をしっかり握ります。それを力任せに足の裏に向けて折り曲げます。女の子が泣き叫んでも容赦せずに、バキッと一気に骨を折るのがコツです。
【3】長さ10m、幅10cmほどの布を用意して、作法にしたがった巻き方で足をしっかり巻いていきます。端まで巻き終わったら、針と糸で細かく布を縫いつけて固定します。もう片方の足も同じようにします。
【4】骨折で足はふくれあがり、焼けつくような痛みがありますが、寝たままだと美しい形にならないので、女の子を無理矢理歩かせます。膿が出て布が汚れると新しい布で巻きなおしますが、とがった足になるように前よりもきつく巻きます。
【5】数日歩かせたあと、茶碗のかけらを足の下にしきます。歩くたびにかけらが足に突き刺さり、肉がそげ腐っていくので、膿んだ肉や皮膚を削って、美しい形に整えます。
どうして纏足にしたのか
長いすに横たわる纏足の少女聞いただけで足がむずむずしてきます。なぜこんな痛く、苦しい思いまでして纏足をしたのでしょうか?
一番の目的は「セックス」でした。バランスがとりにくいために、内股の筋肉と女性器が発達するのです。また小さい足でよちよちと歩く様が男性にとってたいへん愛らしいものでした。実際に美しく小さな纏足の持ち主にはプロポーズが殺到しました。
女性は夜も靴を脱がずに休みました。彼女たちにとって裸を見られるよりも、纏足靴を履いていない足を見られる方がずっと恥ずかしかったのです。隠されたものを見たくなるのは人間の性。纏足は当時の中国人にとって最高にエロティックな部分でした。
しかし寝るときも靴を履いたままという生活では、足も蒸れてかなりのにおいになります。当時は、そのにおいこそがセクシーで良いという価値観だったようで、纏足の小さな靴に酒をそそいで飲むのが「粋」ともいわれていたとか。究極のフェティシズムですね。
理想の纏足って何センチ?
理想的な纏足は「三寸金蓮」と言って、約9センチほどだったそうです。定規で測ってみるとあまりの小ささに驚きます。手のひらに空想の靴を思い浮かべてみて、「昔の中国に生まれても、こりゃあ無理だな」と根性なしの私はため息をつくのでした。
☆すばらしい足は、とても小さな足だったわけです。纏足は今でもこっそり作られているそうですね。