ウルトラマンアーク
第2話「伝説は森の中に」は、ユウマがウルトラマンの変身者に相応しい強さを持っている事が、しっかりと伝わってくるストーリー展開でした。
唐突に石堂が自分達の仲間になったものだから驚きを隠せない、「SKIP」の面々。どうして、と戸惑いつつも、ユウマたちが「SKIP」の現状を説明する言葉を選んでいたのに、ユピーがハッキリと、なおかつ、ボロクソに言った時ぁ、思わず、飲んでいたお茶を勢いよく噴いてしまうところでしたわ。とは言え、石堂は良い奴なので、ユウマたちは大歓迎。そんな折、「SKIP」に、切羽詰まった子供からSOSが!!
「SKIP」に助けを、正確に言うと、マンションを建てるために森を切り拓こうとしている父を止めて欲しい、と求めてきた少年の名はハヤト。彼曰く、その森には、1200年前、大暴れし、当時の人々が知恵を出し合い、勇気を振り絞って封印に成功した怪獣・リオドが眠っているのだとか。ただ、当然っちゃ当然だけど、工事現場の責任者でもあるハヤトの父親は耳を貸しちゃくれない。息子に昔話をしたけど、父親は社会人として現実の荒波に揉まれてきた事で、昔話や伝承には真実が眠っているって事を忘れちゃったんだな。父親を止められないハヤトの言葉を信じ、ユウマは怪獣の調査に乗り出す。「まずは信じる」、言葉で言うのは簡単だけど、本気で実行するのは難解だ。その難しい事を貫くユウマに、石堂の心は刺激を受けたようだ。
ユウマは心強い協力者である古物商の下で、リオドの事が書かれた古文書を読む。その古文書には、リオドの危険性と封印の経緯が記されていたものの、工事現場で突如、姿を見せた遺跡らしきモノは書かれていなかった。そんな中、ユウマは鏡を介して語り掛けてきたアークから、リオドに効く薬草の丸薬が入った壺の存在を示される。一方で、怪獣騒ぎで住む場所を失い、困っている人の為に新しいマンションを建てなきゃいけない、そんな父親の言い分も解かるけど、ハヤトの胸中では怪獣が復活する不安が渦巻いていた。その感情が引き金になっちまった訳じゃないだろうが、ついに、リオドが目を覚ましてしまった。リオド、随分とけばけばしい見た目だ。1200年、封印されていた怪獣が目覚めたら、まず、何をするのか、そら、食事に決まっている。象のように鼻が長いだけあって、その吸引力はえげつなく、ハヤトは父親の奮闘も虚しく、吸い込まれそうになってしまう。
ハヤトのピンチを、アークが救うってのは熱いですよね。リオドはただ、腹が減っているだけ。しかし、その巨体で暴れられ、燃焼する泥が危険である以上、人々の暮らしを守るために倒さなきゃいけない。アークはアークアイソードを揮って戦うも、一度は、空腹で気が立っているリオドに圧されてしまう。アークとリオドの視点を「見せる」って技法は上手いなぁ、と感じました。ピンチになったアークを「SKIP」が助け、吸い込まれてしまったユーを、アークがリオドの鼻をくすぐって助けるって関係性っつーか、絆が出来始めているのを感じました。最期まで足掻き、アークを道連れにしようとするリオドでしたが、至近距離どころか、ほぼほぼ密着した状態で必殺技である「アークファイナライズ」をぶっ放されたら、どうにもならん。父と子の絆を守れたのは万々歳だが、どうにも、石堂は何かを隠した上で、「SKIP」に潜入しているようだ。その辺りが、怪獣の起因に関わってくるのかね。
爆上戦隊ブンブンジャー
バクアゲ25「六輪の花火」は、これまで以上にブンブンジャーの絆が窮地の中でより強まる、王道の展開で、実にバクアゲでした。
自分は天才であるはずなのに、まるで、良い結果を出せず、毎回、ブンブンジャーに邪魔をされて、ギャーソリンがちっとも集まらない。この現状に、ギャノンボーグが見苦しいイライラを募らせるのは、サンシーターたちが自分の言う事をちっとも聞かないのも理由だろうな。けど、サンシーターが命令違反とまではいかないにしろ、従順じゃないのは、ギャノンボーグ自身に原因があるんだから、しゃあない。
サンシーター達からすると、確かに、マッドレックスは粗暴な部分があったにしろ、切り込み隊長だったって事もあって、自分が一番前に立って、ギャーソリンの回収任務に当たったり、ブンブンジャーと戦っていた。まぁ、マッドレックスは単に戦い好きってのもあるんだろうが。いずれにしろ、そんなマッドレックスだったからこそ、サンシーターたちは、何だかんだで彼を上司として慕っていた。一方で、ギャノンボーグは、いつも、自分だけ安全な場所にいて、さっさと逃げてしまう。そら、サンシーターが言う事を聞くはずがない。
いよいよ、プッツンしてしまったギャノンボーグは、ついに、地球を死の星に変える最終兵器「ジャッキー・ホイホイ」を起動させてしまう。人工衛星をぶつけても、「ジャッキー・ホイホイ」が止まらなかった以上、それをコントロールしているギャノンボーグを直に叩くしかない。けれど、臆病もとい卑劣なギャノンボーグは、常に身を隠していた為に、どこにいるのか、ブンブンジャーには見当もつかなかった。そんな切羽詰まった状況を打破したのが、ISAからの情報提供だった。気になる点は多いにしろ、今はそこを追及している場合じゃない。
情報通りの場所にいたギャノンボーグを倒す役目を、レッドたちはバイオレットに託す。バイオレットに追い詰められたギャノンボーグは、共に手を組んで「ハシリヤンのボスを共に倒し、宇宙を支配しよう」と持ち掛ける。ほんと、コイツ、自分の事を天才だ、と自負している割に、何も解かっちゃいない。先斗にとって、何よりも価値があるのは、仲間との絆。バイオレットに強烈な一撃を叩き込まれたギャノンボーグは、デコトラーデとイターシャを巨大化させ、ブンブンジャーたちを倒させようとするも、ここで、ヤンヤンヤルカーが根性を出して、逆にギャノンボーグを巨大化させる。案の定、部下にも見限られたギャノンボーグはバリアを駆使して、一度は優勢になったが、結局、独りで出来る事なんて、たかが知れている。全てのブンブンカー、そして、六人の絆を集結させたブンブンフルスロットルエディションの超攻撃力の前にはロクな抵抗が出来ず、惨敗を喫するのだった・・・・・・しかし、私だけだろうか、ギャノンボーグが、自分の事を魔改造して、再び、ブンブンジャーの前に姿を現す気がしているのは。
仮面ライダーガッチャード
第49話「メタルウォーリアー! 白銀のヴァルバラド」は、このサブタイトル通り、スパナがメインで、なおかつ、彼がついに最強フォームに到達する、興奮必至な回でした・・・まぁ、ヴァルバラドvsギギストに興奮した分、あの展開は切なすぎるだろ、とダメージもありましたが。
宝太郎と本気をぶつけ合い、惜敗を喫した事で、完全にぶっ壊れてしまったドライバー。スパナは痛む体で修理に勤しむも、自分の本当の力を引き出せるドライバーを完成させるには、「何か」が足りない事を痛感していた。そんな無力感に打ちひしがれているスパナを心配そうに見つめながらも、スパナなら、きっと大丈夫、と信じているのが伝わってくるラケシスの表情が、実に好かったですね。
そんな良い感じの空気を出している二人の邪魔をしちゃうのが、ギギストですよ。ドライバーが壊れていて、仮面ライダーに変身できない以上、ヴァルバラドで戦うしかないが、さすがに力の差がありすぎる。またしても、屈辱感を味わうスパナだけど、ラケシスもいた事で、その場から撤退する決断をする冷静さは残っていたらしい。自分を守ろうとして怪我をしたラケシスを労わりながら、スパナは問う、「人間になれたのなら、何をしたいのか?」と。基本、正直で、思った事をズバズバ言うタイプのラケシスですが、何故か、その質問に対しては気恥ずかしそうにして、答えをはぐらかしていました。
当然、ここでも、ギギストが邪魔にやってくる訳です。ギギスト、あんた、そんなにリア充が憎いのか? アトロポスを喪った悲しみ、怒り、何より、たった一つの望みを叶えられぬ己を憎むクロトーがドレッドに変身しますが、ギギストはこれを一蹴。スパナはギギストの黒炎に包まれ、これで一巻の終わりか、と諦観しそうになります。しかし、そんな彼の脳裏に過ったのは、いつだって、自分の夢を追い詰め、どんな壁にぶち当たっても突破し、理想を現実に出来る可能性を生む最強の力を得た宝太郎。スパナは、いつしか、自分も彼の強さに触発されている事に、ようやく気付いたようです。本当の強さを知ったスパナは、自分の中に宿っていた黒炎を更に熱くさせ、白銀の炎へ昇華。その力は、スパナを仮面ライダーヴァルバラド 黒鋼に覚醒させました。自分を圧倒するスパナの強さに、ギギストは絶望するよりも、喜びを覚えてしまいます。自分の後継が優秀である事を喜びながら散ったギギスト、良い味を出してたな。
そして、こっからの展開が、この『仮面ライダーガッチャード』を真剣に視聴していたファンたちをギョッとさせた訳ですよ。敗北したギギストから飛び出た賢者の石をキャッチした謎の黒いニジゴン。それを捕獲して、無邪気に喜ぶラケシスを柔らかい表情で見つめるスパナ。次の瞬間、ラケシスの胸を貫いた凶弾。ラケシスの命を奪ったのは、当然ながら、グリオンでした。とことん、ゲス度が高いな、コイツ。自分がもう助からない事を確信してなのか、ラケシスはスパナに抱き締められながら、幸せそうな表情で、自分が人間になったらしたい事、好きになった相手とデートがしたい、と告白し、静かに息を引き取りました。怒りを押し殺し、ラケシスを抱擁して抱き上げ、その場から去っていくスパナ、哀愁が漂ってましたね・・・ついに、グリオンとの最終決戦な訳ですが、これ、最終話にしっかりと収まり切るのか?