ウルトラマンアーク
第6話「あけぼの荘へようこそ」は、石堂さんをメインに据えた回で、自分の至らなさ、そして、ユウマの良さを改めて、認める事で精神的な前進をする内容になっていましたね。
不審な電磁波をキャッチし、怪獣調査に出向いたユウマたちが訪れた「あけぼの荘」で出会ったのが、どこにでもいそうな風体、だからこそ、動揺を露わにした時の怪しさが目立っていた番頭さん。いや、でも、まさか、アキラ100%さんが、その番頭を演じていたので、シンプルに驚かされました。やっぱり、この年代の男の人は、特撮作品に出るチャンスがあったら迷わないんですかね、どんな役柄であっても。地球から母星に帰れなくなってしまい、田舎の旅館で働きながら、コツコツとUFOを作っていた宇宙人ってのは、結構、難しい役柄な気もしますが、アキラ100%さん、上手かったです、演じ方が。
番頭さんと女将さんが、さりげなく交わしていた謎のハンドシグナルを見逃さなかった石堂さんたち。何かある、と察した石堂さんは従業員さんを詰問します。直後、旅館から慌てて出てきた番頭さんを追い、林の中にあった小屋で宇宙船を発見し、番頭さんが宇宙人である事を突き止めました。クロコ星人から事情を聞きながらも、それが虚偽ではないか、と訝しみ、攻撃的な態度を崩さない石堂さん。彼が、ここまで懐疑心を強めているのは、これまで遭遇してきた宇宙人が悪辣で、その口の上手さで、何人もの仲間が犠牲になってきたからのようです。
そんな石堂さんと違い、ユウマはクロコ星人が悪い者ではない、と確信していたようです。クロコ星人は、外星人である自分を匿っていた女将さんと同僚を守るために、小さな嘘を吐いていたからです。しかし、この女将さんとオバちゃん従業員も、中々っつーか、結構な度量の持ち主ですよね。こう言っちゃなんですが、クロコ星人、明らか、危険だ、と感じる見た目じゃないにしたって、可愛いって訳でもありません。そんなクロコ星人を旅館の仲間として受け入れ、共に苦楽を共にしてきたってのは、並の器じゃありません。だからこそ、女将さん達は、シャゴンが旅館を襲ってきた時、クロコ星人に、このチャンスを使って逃げるよう、体を張ってくれたんでしょう。
単体でも手強いシャゴンが、三匹も出現。思わず、群生地か、と浅いツッコミをブッこんでしまったのは私だけかも知れません。さしものアークも苦戦を強いられるのですが、ここで漢を魅せてくれたのが、クロコ星人でした。女将さんたちへの恩に報いるべく、シャゴンへ宇宙船で特攻を仕掛けるってのはベタですけど、その泥臭さっつーか、特撮作品らしい感じにグッと来ます。クロコ星人が作ってくれたチャンスを無駄にせず、アークはソリスアーマーで、シャゴンのパワーに対抗します。最後の一匹を倒さず、見逃したってのも、個人的には良い展開でした。あくまで、シャゴンの方が先にここに棲息しており、自分達が生きるために食事をしようとしていただけ。大人しく、この場から退いてくれるなら倒さないってユウマもといアークの判断を、温い、と感じる人は少ないでしょう。クロコ星人が生きていた展開も、これまた良かったですが、欲を言えば、戻って来た時、真っ裸で股間を何かで隠していたら、最高でしたね。ともあれ、石堂さんが、ユウマの持つ「想像力」を高評価してくれて良かったです。
爆上戦隊ブンブンジャー
バクアゲ30「暴走は俺の物」、今回のストーリーで、デコトラーデ、イターシャ、ヤンヤルカー、のサンシーターたちに対する好感度が、ドォンッと高まったのは、私だけじゃないはずです。
面白半分で、ディスレースによって復活させられたマッドレックス。尊敬する上官が復活してくれたのは嬉しいが、自分達との事を含めた記憶を失い、ディスレースの傀儡と化してしまっている現状に、サンシーターたちは不満を感じているようです。キャノンボーグ、ディスレースがゲス枠である事も含め、多少、オラオラ系が入っているにしろ、自分達の事を守ってくれ、行くべき場所を示してくれたマッドレックスは、サンシーターたちにとっては、心から尊敬できる、大切な存在なんでしょう。
だからこそ、カッコ良さを失ってしまっている、今のマッドレックス・フューリーが気に入らないサンシーターは、ディスレースを騙して、彼を連れ出すと、地球での思い出の地を巡って、ディスレースの記憶を刺激しようとします。しかし、ディスレースの支配力は地味に強力なようで、マッドレックスは何の反応も示さず、万策が尽きた、とサンシーターは心が折れそうになります。しかし、ここで一筋の光明が。ブンレッドのお面に対し、本当に小さいモノでしたが、マッドレックスがリアクションをしたのです。お面でダメなら、本物をぶつけてみたら、もしかすると、とサンシーターは希望を見い出しました。しかし、まさか、ブンブンデンジャーで大也の研究室に連絡が出来てしまうとは思いませんでしたね。しかも、ブンドリオ、訝しみながらも、イターシャからの依頼を引き受けて、大也をそこに向かわせちゃいました。こりゃ、後で、ブンドリオ、射士郎たちから説教ですわ。
目的地にやってきた大也は、そこに、サンシーターがいた事に驚き、続けざまに、マッドレックス・フューリーを見て、緊張感を高めます。ここで、茶々を入れてくるのが、ディスレース。愉快犯的なノリで、マッドレックス・フューリーに、目の前の敵を殲滅する指示を出します。動き出したマッドレックス・フューリーに、一瞬こそ喜んだサンシーターですけど、言動や戦い方から、まだ、ディスレースに操られている、と直感し、落胆します。それでも、良い意味で諦めが悪すぎるサンシーターは、ブンレッドとマッドレックス・フューリーの戦いに割り込もうとした射士郎たちを、ブンブンキラーロボで牽制します。いつも、ポンコツ感が滲み出てしまっているからこそ、今回は、気迫が違う、と感じさせるだけのモノがありますね。
錠も決して、油断していた訳じゃないんでしょうが、まさか、ヤンヤルカーにブンブンパトカー1・2を強奪されてしまうとは・・・ブンブンデンジャーも含め、何気に、ブンブンキラーロボも結構、凄いわ。『獣電戦隊キョウリュウジャー』の劇場版に登場した、スピノダイオーの強制カミツキ合体を思い出しました、ブンブンキラーロボがブンブンパトカーでパワーアップしたのを目の当たりにした時は。最終的には、ブンブンジャーはナイトでブンブンキラーロボ ポリスを撃破しましたけど、実際、紙一重の勝利でしたよね。結局、サンシーターの頑張りは無駄だったのか・・・いえ、そんな事は無いようです。自分が負けた、と思ってしまうまで、負けじゃない、のメンタルで、サンシーターはボロボロの状態でも、マッドレックスをディスレースの呪縛から解放する事を誓い直します。そんな部下たちの想いに、マッドレックスが、どう応えるのか、今から楽しみです。
仮面ライダーガヴ
第4話「マシュマロおかわり!」は、新フォームに興奮する一方で、ショウマが抱えているモノを含め、ストーリーが重い、と改めて感じる内容でした。何ですかね、こう、藤田作品を読んでいる気分になっているのは、私だけでしょうか?
またしても、空腹状態で苦しみ、うっかり、野菜泥棒を働いてしまったショウマに救いの手を差し伸べてくれたのは、その畑の所有者である老夫婦でした。彼らが、ショウマにご飯を食べさせてくれたのは、良い人ってのもありましたが、ショウマがかつて喪った一人息子にそっくりだったから。死んだ息子とショウマは別人、と割り切った上で、老夫婦は見た目からは想像できないほど、ヘヴィーな過去をショウマが背負っている事を感じたようです。そんな老夫婦への恩を返すべく、ショウマは彼らの畑仕事を、自慢の怪力を活かして手伝います。
一方で、自分の母親を、目の前で攫ったバケモノに対する復讐心を滾らせている絆斗は、前回、知り合った謎の研究者である酸賀の元を訪れ、グラニュートについての情報を教示されました。グラニュートが人間を拉致するのは、人間から幸せを抽出して、美味だが中毒性が強い、危険な「闇菓子」を作る目的がある、と聞かされた絆斗は不快感をあらわにすると同時に、既に母が「闇菓子」にされている可能性が高い、つまり、死んでいる、と気付き、心を悲しみに支配されてしまいます。そんな絆斗を思い遣る感じじゃなく、むしろ、好都合みたいな雰囲気を出しながら、酸賀が見せたのは、ゴチゾウ。さすがに、距離が離れすぎてしまうと、ショウマは、ゴチゾウの気配をキャッチできないのかな? どうやら、酸賀は、このゴチゾウの力を利用して、グラニュートを倒す力を得ようとしているようです。
一方で、老夫婦たちとの生活を満喫しているショウマ。老夫婦たちも、ショウマと一緒にいると、自然に笑顔が増えるようです。そんなほのぼのとした一時に割り込んできた、不粋なエージェント。ここで戦ったら、老夫婦に危険が及ぶ、と判断したショウマは、二体のエージェントと共に、その場を離れます。そこでショウマが遭遇した者、それは、ストマック家の次女であるシータ、三男であるジープ。不気味で、なおかつ、邪悪な雰囲気を発すシータとジープの言葉で、ショウマは母を守れなかった時の悲しみと怒り、そして、ストマック家の憎しみを爆発させます。ここで、ゾワッとしたのが、ヒトプレスされ、闇菓子を作るために幸せ=スパイスを抽出され尽くしたモノの成れの果て。ほんと、一瞬でしたけど、なんか、こう、全体的に血に塗れていていました。それに、簡単に崩れてしまうほど、脆くなっていました。つまり、これは、死体の山・・・なんでしょうね。恐らくっつーより、確実に、闇菓子製造工場に持っていかれた人は助けられないんでしょう。
老夫婦から貰ったマシュマロを食べた際に産まれた、新たな眷属・ふわマロゴチゾウの力で、ガヴはふわマロフォームにチェンジ。見た目こそ、真っ白で、フワフワした可愛らしさを出してますけど、何気に、戦闘力、いや、殺意が高い。基本フォームであるぽっぴんグミよりも弾性のあるボディは、エージェントの攻撃をものともせず、空中に出現させた実体化した「フワフワ」の文字で浮遊して攻撃するのもエグい。その上、まるマロゴチゾウでパワーアップした状態のまるマロアシストで、その巨体を存分に活かして、エージェント二体を容赦なく、轢殺します。いつもの質問をしなかったのは、エージェントがグラニュートと違い、自分の意志で闇菓子に手を出している訳じゃなく、ストマック家の忠実な戦闘人形だからかな? シータとジープが退く選択をしたので安堵するショウマでしたが、老夫婦の元には戻りませんでした。それは、自分がそこにいれば、また、老夫婦に危険が及んでしまうから。何より、自分が何も言わずにいなくなれば、老夫婦は不安を抱えるから、幸せな人間を狙うグラニュートの目から外れる。自分が幸せになる事も出来ず、他者を幸せにする事も許されないショウマ・・・ストーリーっつーか、境遇が重すぎる。これはこれで、仮面ライダーらしい、と思いはするけど、それだけに、誰か、ショウマを救ってくれ、と切実に願っちゃいますね。その役目を担うのは、絆斗か、それとも、幸果なんでしょうか・・・