ウルトラマンブレーザー
第7話「虹が出た(前編)」は、ウルトラマンに限らず、特撮シリーズではお約束である、ヒーローの敗北回でしたね。
正義は負けないって意見には、大いに賛成ですが、負けてこそ出来る成長もある、と私は思っています。負ける悔しさを知っているからこそ生まれる優しさもありますし、一敗地に塗れた時にこそ、その人の本当の強さが見えてきませんか?
今回、ウルトラマンブレーザーを歯牙にすらかけず、一方的に追い詰めたのは、天弓怪獣・ニジカガチ。天弓って単語が、実にセンスの良さを感じます。虹の形が弓に似ているから、きっと、古来の人は、そのような単語を思いついたんでしょう。ニジカガチ、これを漢字表記にすると、虹蛇神。神が入っているから、それを理由にするのは些か乱暴かも知れませんけど、ウルトラマンブレーザーが敵わなかったのも納得の強さでした。
周囲の空気を一気に、かつ、大量に吸い込んで、頭痛が起きるほど、気圧を急激に降下させ、雨雲を発生させ、豪雨を降らせるってプロセスが、実にリアルでした。また、頭部の装甲(?)が閉じている時は、愛嬌がある感じながらも、それが開くと、威圧感が増して、天恵と天災を両立させている存在ってのを如実に感じさせました。ウルトラマンブレーザーの必殺技・スパイラルブレードに競り勝つほどの光線、これがまた、凄まじい威力。
そんなニジカガチを、儀式で顕現させたのが、ゲントの恩師である横峯万象ってのが、これまた、ストーリーに重みを生んでいました。ゲントに尊敬されているほどの人物であったにも関わらず、研究者として越えちゃいけない一線を、自分で踏み越えたのか・・・一体、彼に何があったんだろうか。そして、ゲントは狂気に染まった恩師を止め、ウルトラマンブレーザーは国を雨で綺麗さっぱり洗い流そうとしているニジカガチを倒す事が出来るのか。ニジカガチが、ある意味、自我っつーか人間への敵意の類は持たず、世界のシステム的な存在である事を考えると、倒すのが正解かは微妙なところだが、何も悪くない人たちの生活を守るためには、ウルトラマンブレーザーが神殺しをやるしかない。
王様戦隊キングオージャー
第32話「遭遇! キョウリュウ!」、もう、戦隊好きであれば、大興奮しちゃう展開。まさか、いませんよね、キングオージャーとキョウリュウジャーにコラボに血が湧いていない人は。
調子に乗って、ギラを煽り倒していたからこそ、自分がまんまと騙されていた事に頭へ血を昇らせたダグデド。ここで、破壊行為に乗り出すのではなく、ギラたちをチキューから追放するって手段を取るあたりに、本気でキレている事実を感じさせるな。まぁ、怒りながらも、彼らの力が、自分の命に届くのでは、的な恐怖も抱いたからこそ、チキューから追放したんだろうけど。
ダグデドに飛ばされたギラたちは、ここが何処か、分からないながらも、民を襲っているバケモノを目にし、すぐさま、戦おうとする。だけど、何故か、変身が出来たのは、ギラのみ。ここがチキューでなく、シュゴッドたちの力が及ばないために、ヤンマたちは変身が不可能な状態になっているようだ。となると、やっぱり、ギラは特殊な存在なんだろう。かつて、ラクレスがギラに食べさせたレインボージュルリラが、ゴッドクワガタのシュゴッドソウルを加工したものって説が信憑性を更に帯び、また、ラクレスが、ギラに、多くの民から慕われる形で王座を渡すために、あえて、悪役を演じていたって説も有り得て来たな。あそこまでやったって事は、ラクレスは、ダグデドの存在に勘付いており、圧倒的な力を倒すのは、自分ではない、と悟っていたのか。
ラクレスの真意は、これから明かされる事になるだろうから、ひとまず、脇に置くとして、今、注目すべきは、言うまでもなく、プリンスだろう。才能はある、だが、戦士にとって、最も大切な「何か」を得ていないために、変身が出来ない、そう語るのは、かつて、デーボス軍と激闘を繰り広げ、勝利し、地球を平和に導いた「獣電戦隊キョウリュウジャー」の切り込み役・キョウリュウグリーンに変身したソウジ。ブレイブを奪われた所為で変身能力は失っているけど、それでも、刀のみでゾーリ魔の大群程度なら、一掃できちゃうのね。そんなソウジから、プリンスの事情を聞いたギラは、彼の覚醒を促すために、あえて、ここでも、邪悪の王を演じる。いきなり、ギラが地球を支配する、と言い出したもんだから面食らってしまうプリンスだが、クワガタオージャと刃を交え、大切な事に気付き、覚醒する。
ゴッドクワガタの力が注入された獣電池で、キングキョウリュウレッドへ変身を果たすプリンス。クワガタオージャとの息が合った連携で、デーボ・センキングを倒してのけるも、解放されたブレイブを強引に吸収して復活した兜武神デーボスの巨体から繰り出される攻撃で、ピンチに陥ってしまう。一方、別行動を取っていたアミィは、捕まっているガブティラ、ステゴッチ、ドリケラの発見に成功していた。そして、イアンと壁画の調査を行っていたジェラミーが知る衝撃の事実。「地球」と「チキュー」には、確かな繋がりがあったのだ。人間であった父は、この地球から、何らかの事情があって、チキューに渡ったのだ、と知ったジェラミー。あくまで、私の推測ではあるが、最初、地球人はチキューの民と友好的な関係を築こうとしていたか、実際に築けていたのかも知れない。だが、そこに、ダグデドが余計な事をして、争いを勃発させたのか? 果たして、キングオージャーとキョウリュウジャーは、この窮地を脱し、勝利する事が出来るんだろうか・・・あぁ、続きが気になり過ぎるッッ
仮面ライダーガッチャード
第6話「超A級☆ネジれスター」は、どちらかと言えば、宝太郎よりも、スパナの方がメインになっているストーリー展開でしたね。もちろん、ガッチャードも、しっかりと戦闘では活躍していましたから、大満足です。
ラケシスに唆され、バーニングネロを取り込もうとしていた女性を救ったスパナが、ある朝、突然に、宝太郎が手伝っている定食屋にやってきます。初対面がアレだっただけに、スパナの事を好きになれない宝太郎ですが、客として来ている以上は、店の評判もあるから追い返せない。自分の感情じゃなくて、店の事を考えた対応をするあたり、ほんと、宝太郎、良い子や。そんな宝太郎が作った創作料理を酷評するスパナ。不味い、と断じながらも、しっかりと食べきったのは、食材を無駄にする行いが美しくない、と考えたからなのか。宝太郎からエプロンを強奪し、厨房に入ったスパナがあっという間に創ったのは、紫色のオムライス。見た目のインパクトは凄まじいですが、それが美味であるのは、宝太郎も認めるしかありませんでした。
苦々しい敗北感に苛まれた宝太郎は、半ば負け惜しみの文句を言ってやろう、とスパナを尾行。バレてしまった、と焦る宝太郎でしたが、実際、スパナが、出てこい、と呼び掛けていたのは、別方向でスパナの様子を窺っている者でした。宝太郎にも気付いていたかも知れませんが、彼に悪意が無かったから優先度は低い、と判断したのかな。姿を見せたのは、明らかに、テンションがおかしい一人の青年。矢印型の石が付いた指輪をしていますから、錬金術に関わりがある者なのは明らか。しかも、どうやら、スパナに、とんでもない怨みと憎悪の念を抱いていました。そのドス黒い負の感情に囚われてしまっていたのが、鷲の特性を有したケミー、ホークスター。彼を救うべく、宝太郎はヴァルバラドとホークマルガムの戦いに割って入ります。アントレスラーワイルドの攻撃を喰らったホークマルガムは、1vs2で戦況が不利であると判断し、その場からの退却を図ります。その程度の判断力は、ちゃんとあるんだな。
スパナに、自分が嫉妬している、器の小さい男であるのを認めたくない宝太郎は、ミナトからホークマルガムに変貌した男について尋ねます。男の名は、鉛埼ボルト。かつて、スパナとのタイマンに敗れ、超A級錬金術師に成り損ねたらしいですね。ここまで書いて、ようやく、今回のサブタイトルの「超A級」と「ネジれ」がボルトに絡んでいる、と理解できました。ラケシスが目を付けるだけあって、スパナに対するボルトの憎しみは、相当にドロついてますね。そりゃ、クロトーだって「クズだな」と嫌悪感を露わにしますわ。悪の道を、己の意志で歩んでいるからこそ、クロトーはボルトみたいな女々しい奴が嫌いなんでしょうね。
クロトーにクズ扱いされているとは露知らず、スパナに親し気に話しかけられていたりんねを、彼の恋人である、と狭い視野と思考で勘違いしたホークマルガムは、りんねを誘拐。もちろん、宝太郎はゴルドダッシュで、スパナも自分の単車で追走します。ホークマルガムが待ち構えていたのは、かつて、自分がスパナに敗れた試験会場。ここを選ぶあたりに、コイツのヤバイ粘着性にゾッとします。りんねを人質に取られていても、一切、怯まぬヴァルバラドに怯んだホークマルガムは高所から、りんねを落下させるも、バーニングゴリラにフォームチェンジしたガッチャードが、ギリギリで救出。ヴァルバラドはゲキオコプターで飛び、ホークマルガムに迫ろうとするも、飛行能力の差で、攻撃が届かず。そんなヴァルバラドに、ガッチャードは力を貸します。スチームホッパーフィーバーで蹴り上げられたヴァルバラドは、ホークマルガムの銅へ、えげつない斬撃を食らわせます。そして、落ちてきたホークマルガムへ、仮面ライダーガッチャード バーニングゴリラがトドメの一発。この時点で既にやり過ぎなのに、スパナの一言、これは、オーバーキルじゃない? まだまだ、宝太郎とスパナは仲良くなれそうもありませんねぇ・・・