『黒狗』の小屋

毎週、(金)に特撮作品の感想、(日)に漫画の感想を書いてます。

三大特撮感想(2023/10/8分)

2023-10-13 18:10:46 | 日記

ウルトラマンブレーザー

第7話「虹が出た(前編)」は、ウルトラマンに限らず、特撮シリーズではお約束である、ヒーローの敗北回でしたね。

正義は負けないって意見には、大いに賛成ですが、負けてこそ出来る成長もある、と私は思っています。負ける悔しさを知っているからこそ生まれる優しさもありますし、一敗地に塗れた時にこそ、その人の本当の強さが見えてきませんか?

今回、ウルトラマンブレーザーを歯牙にすらかけず、一方的に追い詰めたのは、天弓怪獣・ニジカガチ。天弓って単語が、実にセンスの良さを感じます。虹の形が弓に似ているから、きっと、古来の人は、そのような単語を思いついたんでしょう。ニジカガチ、これを漢字表記にすると、虹蛇神。神が入っているから、それを理由にするのは些か乱暴かも知れませんけど、ウルトラマンブレーザーが敵わなかったのも納得の強さでした。

周囲の空気を一気に、かつ、大量に吸い込んで、頭痛が起きるほど、気圧を急激に降下させ、雨雲を発生させ、豪雨を降らせるってプロセスが、実にリアルでした。また、頭部の装甲(?)が閉じている時は、愛嬌がある感じながらも、それが開くと、威圧感が増して、天恵と天災を両立させている存在ってのを如実に感じさせました。ウルトラマンブレーザーの必殺技・スパイラルブレードに競り勝つほどの光線、これがまた、凄まじい威力。

そんなニジカガチを、儀式で顕現させたのが、ゲントの恩師である横峯万象ってのが、これまた、ストーリーに重みを生んでいました。ゲントに尊敬されているほどの人物であったにも関わらず、研究者として越えちゃいけない一線を、自分で踏み越えたのか・・・一体、彼に何があったんだろうか。そして、ゲントは狂気に染まった恩師を止め、ウルトラマンブレーザーは国を雨で綺麗さっぱり洗い流そうとしているニジカガチを倒す事が出来るのか。ニジカガチが、ある意味、自我っつーか人間への敵意の類は持たず、世界のシステム的な存在である事を考えると、倒すのが正解かは微妙なところだが、何も悪くない人たちの生活を守るためには、ウルトラマンブレーザーが神殺しをやるしかない。

 

王様戦隊キングオージャー

第32話「遭遇! キョウリュウ!」、もう、戦隊好きであれば、大興奮しちゃう展開。まさか、いませんよね、キングオージャーとキョウリュウジャーにコラボに血が湧いていない人は。

調子に乗って、ギラを煽り倒していたからこそ、自分がまんまと騙されていた事に頭へ血を昇らせたダグデド。ここで、破壊行為に乗り出すのではなく、ギラたちをチキューから追放するって手段を取るあたりに、本気でキレている事実を感じさせるな。まぁ、怒りながらも、彼らの力が、自分の命に届くのでは、的な恐怖も抱いたからこそ、チキューから追放したんだろうけど。

ダグデドに飛ばされたギラたちは、ここが何処か、分からないながらも、民を襲っているバケモノを目にし、すぐさま、戦おうとする。だけど、何故か、変身が出来たのは、ギラのみ。ここがチキューでなく、シュゴッドたちの力が及ばないために、ヤンマたちは変身が不可能な状態になっているようだ。となると、やっぱり、ギラは特殊な存在なんだろう。かつて、ラクレスがギラに食べさせたレインボージュルリラが、ゴッドクワガタのシュゴッドソウルを加工したものって説が信憑性を更に帯び、また、ラクレスが、ギラに、多くの民から慕われる形で王座を渡すために、あえて、悪役を演じていたって説も有り得て来たな。あそこまでやったって事は、ラクレスは、ダグデドの存在に勘付いており、圧倒的な力を倒すのは、自分ではない、と悟っていたのか。

ラクレスの真意は、これから明かされる事になるだろうから、ひとまず、脇に置くとして、今、注目すべきは、言うまでもなく、プリンスだろう。才能はある、だが、戦士にとって、最も大切な「何か」を得ていないために、変身が出来ない、そう語るのは、かつて、デーボス軍と激闘を繰り広げ、勝利し、地球を平和に導いた「獣電戦隊キョウリュウジャー」の切り込み役・キョウリュウグリーンに変身したソウジ。ブレイブを奪われた所為で変身能力は失っているけど、それでも、刀のみでゾーリ魔の大群程度なら、一掃できちゃうのね。そんなソウジから、プリンスの事情を聞いたギラは、彼の覚醒を促すために、あえて、ここでも、邪悪の王を演じる。いきなり、ギラが地球を支配する、と言い出したもんだから面食らってしまうプリンスだが、クワガタオージャと刃を交え、大切な事に気付き、覚醒する。

ゴッドクワガタの力が注入された獣電池で、キングキョウリュウレッドへ変身を果たすプリンス。クワガタオージャとの息が合った連携で、デーボ・センキングを倒してのけるも、解放されたブレイブを強引に吸収して復活した兜武神デーボスの巨体から繰り出される攻撃で、ピンチに陥ってしまう。一方、別行動を取っていたアミィは、捕まっているガブティラ、ステゴッチ、ドリケラの発見に成功していた。そして、イアンと壁画の調査を行っていたジェラミーが知る衝撃の事実。「地球」と「チキュー」には、確かな繋がりがあったのだ。人間であった父は、この地球から、何らかの事情があって、チキューに渡ったのだ、と知ったジェラミー。あくまで、私の推測ではあるが、最初、地球人はチキューの民と友好的な関係を築こうとしていたか、実際に築けていたのかも知れない。だが、そこに、ダグデドが余計な事をして、争いを勃発させたのか? 果たして、キングオージャーとキョウリュウジャーは、この窮地を脱し、勝利する事が出来るんだろうか・・・あぁ、続きが気になり過ぎるッッ

 

仮面ライダーガッチャード

第6話「超A級☆ネジれスター」は、どちらかと言えば、宝太郎よりも、スパナの方がメインになっているストーリー展開でしたね。もちろん、ガッチャードも、しっかりと戦闘では活躍していましたから、大満足です。

ラケシスに唆され、バーニングネロを取り込もうとしていた女性を救ったスパナが、ある朝、突然に、宝太郎が手伝っている定食屋にやってきます。初対面がアレだっただけに、スパナの事を好きになれない宝太郎ですが、客として来ている以上は、店の評判もあるから追い返せない。自分の感情じゃなくて、店の事を考えた対応をするあたり、ほんと、宝太郎、良い子や。そんな宝太郎が作った創作料理を酷評するスパナ。不味い、と断じながらも、しっかりと食べきったのは、食材を無駄にする行いが美しくない、と考えたからなのか。宝太郎からエプロンを強奪し、厨房に入ったスパナがあっという間に創ったのは、紫色のオムライス。見た目のインパクトは凄まじいですが、それが美味であるのは、宝太郎も認めるしかありませんでした。

苦々しい敗北感に苛まれた宝太郎は、半ば負け惜しみの文句を言ってやろう、とスパナを尾行。バレてしまった、と焦る宝太郎でしたが、実際、スパナが、出てこい、と呼び掛けていたのは、別方向でスパナの様子を窺っている者でした。宝太郎にも気付いていたかも知れませんが、彼に悪意が無かったから優先度は低い、と判断したのかな。姿を見せたのは、明らかに、テンションがおかしい一人の青年。矢印型の石が付いた指輪をしていますから、錬金術に関わりがある者なのは明らか。しかも、どうやら、スパナに、とんでもない怨みと憎悪の念を抱いていました。そのドス黒い負の感情に囚われてしまっていたのが、鷲の特性を有したケミー、ホークスター。彼を救うべく、宝太郎はヴァルバラドとホークマルガムの戦いに割って入ります。アントレスラーワイルドの攻撃を喰らったホークマルガムは、1vs2で戦況が不利であると判断し、その場からの退却を図ります。その程度の判断力は、ちゃんとあるんだな。

スパナに、自分が嫉妬している、器の小さい男であるのを認めたくない宝太郎は、ミナトからホークマルガムに変貌した男について尋ねます。男の名は、鉛埼ボルト。かつて、スパナとのタイマンに敗れ、超A級錬金術師に成り損ねたらしいですね。ここまで書いて、ようやく、今回のサブタイトルの「超A級」と「ネジれ」がボルトに絡んでいる、と理解できました。ラケシスが目を付けるだけあって、スパナに対するボルトの憎しみは、相当にドロついてますね。そりゃ、クロトーだって「クズだな」と嫌悪感を露わにしますわ。悪の道を、己の意志で歩んでいるからこそ、クロトーはボルトみたいな女々しい奴が嫌いなんでしょうね。

クロトーにクズ扱いされているとは露知らず、スパナに親し気に話しかけられていたりんねを、彼の恋人である、と狭い視野と思考で勘違いしたホークマルガムは、りんねを誘拐。もちろん、宝太郎はゴルドダッシュで、スパナも自分の単車で追走します。ホークマルガムが待ち構えていたのは、かつて、自分がスパナに敗れた試験会場。ここを選ぶあたりに、コイツのヤバイ粘着性にゾッとします。りんねを人質に取られていても、一切、怯まぬヴァルバラドに怯んだホークマルガムは高所から、りんねを落下させるも、バーニングゴリラにフォームチェンジしたガッチャードが、ギリギリで救出。ヴァルバラドはゲキオコプターで飛び、ホークマルガムに迫ろうとするも、飛行能力の差で、攻撃が届かず。そんなヴァルバラドに、ガッチャードは力を貸します。スチームホッパーフィーバーで蹴り上げられたヴァルバラドは、ホークマルガムの銅へ、えげつない斬撃を食らわせます。そして、落ちてきたホークマルガムへ、仮面ライダーガッチャード バーニングゴリラがトドメの一発。この時点で既にやり過ぎなのに、スパナの一言、これは、オーバーキルじゃない? まだまだ、宝太郎とスパナは仲良くなれそうもありませんねぇ・・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の出来事(12-10-8)

2023-10-08 18:50:39 | 日記

comicアンスリウム(2023/10)一言感想・その②

こころね~この先もずっと・・・♥~ やまこんぶ

誕生日を二人きりで過ごしたい相手がいる幸せか・・・

こんな資料で良ければ トリスタ

質の良い創作活動を為すには、やっぱり、資料と取材が大事か。

男友達みたいな女友達におっぱいを揉ませてもらう話 桐野キョウスケ

おっぱいを揉む、それでこそ出せる本気もある。

ほっとりみっと 初雲丹いくら

まぁ、キッカケは何であれ、初々しい二人がやっと、一歩を踏み出せたので良しとしよう。

魚住先輩は研究したい ボリス

何であろうと、自分の好奇心を刺激する何かを追及する女性はカッコ美しい。

探偵ミヤビのハメラレ事件簿 モアス

社会の闇に踏み込み過ぎれば、そこの住人から痛い目に遭わされることもある・・・

キミの本性を曝して 第1話 れい

正直なとこ、好印象が持てない男だな。

可憐なカノジョ しかばねかも

ツンケンしているけど、実は誰よりも寂しがり屋で、誰かに愛して欲しい、と願っていたヒロインが、自分が好きになれる、自分を好きになってくれる、たった一人に逢える、そのストーリーがもう、大好きだ。

確かめるサガ ろこ

見事に喧嘩っぷるを仲良くさせた江田メイド長が、ヒロインの話も読んでみたい。

ぱらのいあけ~じ その118 クール教信者

2冊目が出せるエロ漫画家は実際、限られているんだから、親としては娘を褒めてやるべきだと思うがね。

ガールズドーン!(64) 山本AHIRU

少なくとも、飛切が登校しなきゃ、愛ちゃんたちの生活は平穏だ・・・

 

今週の食事

10月2日(月)

朝食

バケット(餡子ジャム)、烏龍茶

昼食

おにぎり(ちりめん山椒御飯、鰹昆布)、烏龍茶

夕食

豚と焼き豆腐の煮物丼、レンチン野菜(モヤシ、青韮)、水菜のお浸し、中華スープ(海苔)、烏龍茶

 

10月3日(火)

朝食

バケット(餡子ジャム)、烏龍茶

昼食

おにぎり(鮭フレーク御飯、鰹昆布)、烏龍茶

間食

おにぎり(鰹昆布)、麦茶

夕食

ごはん、水餃子(餃子のたれ)、レンチン野菜(モヤシ、キャベツ、人参、ピーマン)、中華スープ(海苔)、烏龍茶

 

10月4日(水)

朝食

バケットトースト(餡子ジャム)、烏龍茶

間食

芋けんぴ、烏龍茶

昼食

黒糖稲荷寿司、烏龍茶

間食

餡饅、烏龍茶

夕食

ごはん、鶏キムチ炒め(鶏皮、茄子、午房、白菜キムチ)、中華スープ(海苔)、烏龍茶

 

10月5日(木)

朝食

バケット(餡子ジャム)、烏龍茶

昼食

おにぎり(若布御飯、鰹昆布)、烏龍茶

夕食

ごはん、鶏キムチ炒め(鶏皮、茄子、白菜キムチ)、卯の花、味噌汁(芋けんぴ)、烏龍茶

 

10月6日(金)

朝食

ごはん(桜でんぶ)、麦茶

昼食

おにぎり(鮭若布御飯、鰹昆布)、烏龍茶

夕食

バケット、カレー(豚こま、茄子、フライドポテト・中辛)、味噌汁(芋けんぴ)、烏龍茶

 

10月7日(土)

朝食

ケチャップライス、烏龍茶

昼食

カツサンド(トンカツソース)、レンチン野菜(モヤシ、キャベツ、人参・おろし醤油ドレッシング)、烏龍茶

間食

串団子(シャインマスカット、林檎餡)、烏龍茶

夕食

ごはん、肉野菜炒め(豚小腸、モヤシ、キャベツ、人参・焼肉のたれ)、味噌汁(若布、輪麩、赤海苔、葱)、烏龍茶

 

10月8日(日)

朝食

食パン(イチゴジャム)、紅茶(微糖)

昼食

干瓢巻、稲荷寿司、烏龍茶

間食

林檎寒天ゼリー、紅茶(微糖)

夕食

肉きつねうどん(豚こま、お揚げ)、烏龍茶

 

今日、読んだ本

吐き気がするほど面白い、面白過ぎて吐きそう、どっちを書くべきか、迷うところです。

どっちにしろ吐いちゃうのであれば同じだろ、と言われそうだが、私的には微妙に違ったりする。どう違うのか、そこが上手く説明できないのだが、頭を軽く混乱させるだけの「何か」が、この漫画にはある、と感じて貰えたのなら、十分なんですが・・・

感想を書くからには、他の人にも読んで欲しい、この作品を知って貰いたい、って気持ちがある。それは、本読みに共通する願望でしょう。違うかもしれませんが、私はそう思います。

私の中にだって、もちろん、この『国家心中』を大勢の漫画読みに読んで欲しいです。しかし、読ませて大丈夫かな、って不安はあるんですよ。他の作品をお勧めする時は、面白い、と思って貰えるかな、そういう感じの不安なんですが、この『国家心中』は、それだけじゃなくて、他の漫画読みの精神にダメージを与えないかなって心配の方が強い訳で。

漫画読みであれば、己が面白い、と感じる作品を、他者の都合など気にせず、全力で勧めればいい、って強気な意見もあるんでしょうけど、この『国家心中』に関しちゃ、そんな剛毅な態度も萎縮しちゃうレベルなんですよねぇ。

漫画としてのレベルが高いって意味では、間違いなく、面白い、と私は断言できます。そこは、一漫画読みとしてのプライドとして、保証します。

どういう作品なのか、と問われたのなら、正直に、人間そのものを、人間の中にある様々な感情、人間だからこそ築かれる関係性、それらを、ありのままに、飾らず、媚びず、変容させずに描いている、としか説明できません。

残酷な描写は、ほとんどないんですけど、シンプルに、おっかないんですよ。オカルト色は強いっちゃ強いんですけど、人あらざる存在よりも、人間の方がよほど、おっかない、陳腐ではあるけど真理でもある感想を抱かされます。

月並みな意見ですが、最後まで一気に読み切れる人間は限られるでしょうね。私も、途中で休みを挟みました。そうでなきゃ、しばらく、鬱々とした気持ちに囚われてしまっていたでしょう。YJに掲載されていた読み切りは、あれでマイルドな方だったのか、と痛感させられました。他の読み切りだったら、恐らく、誰も書店で、この『国家心中』を手に取らなかっただろうな。

こんな書き方をすると、本当に面白いのか、枝田先生を傷付けたいのか、と疑われそうですが、そんな意図は一切、ありません。凄い漫画、と自信を持って言えますし、枝田先生がとんでもない事も確かです。しかし、これほどまでの漫画を描ける枝田先生は、これから、人間として生きていけるのか、そんな憂いも過るんですよね。この作品を描くのに必要なズレを抱えたままでいたら、いつか、枝田先生の心は・・・・・・それを、私が懸念する必要などない、と解っちゃいるが、私はまだ、枝田先生の作品を喰らい足りないんだよなぁ。

 

この台詞を引用に選んだのは、問答無用に、私の総毛を逆立たせるほどの凄味を感じさせるものだったので。

一切の濁りがない、純粋な情念ってのは、斯くも恐ろしく、眩しく、そして、憐れなのか、としみじみ感じますね、この台詞と、これを言った時の冥の表情を見てしまうと。

無邪気ってのは、無自覚が過ぎる邪な気持ち、と表現される事もありますけど、これこそが、そうなのかもしれません。

悪、ではないんでしょうが、善でもない。

では、何なのか、と尋ねられたら、少し迷って、私は自信なさげに、こう答えましょう。

彼こそが、人間なのだ、と。

「な!晃、次はなにして遊ぼうか」(byキサラギ冥)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三大特撮感想(2023/10/1分)

2023-10-06 20:23:16 | 日記

ウルトラマンブレーザー

第6話「侵略のオーロラ」は、SKaRDのメカニック担当であるヤスノブにスポットライトが当たったストーリーになっていましたね。今回、彼に対する好感度が、グッと上がったのは、きっと、私だけじゃないはずです。

前々から、何となしに感じちゃいましたが、ヤスノブ、案の定、ヒロイン陣に仕事をそれとなく、押し付けられていましたね。もちろん、エミ、アンリに悪気はないんでしょう。ヤスノブの事を、ちょっと強めに頼めば自分の言う事を笑顔で聞いてくれる弟、アンリの方は懸命に縋り、甘えた動作を見せれば、しゃあなしの雰囲気を出しながら引き受けてくれる兄、みたいに思ってるのかもしれません。こう言っちゃうのも可哀想ですが、ヤスノブも、時には、優先事項が低い、または、自分でやらせるべき事には、ちゃんと、Noを突きつけなきゃ。ヒロインたちの圧に押し流されるままに、仕事を引き受けて、しかも、質の良さを求めるから、疲労が仕事に影響が出るレベルで溜まっちゃうんだ。

半ば強引に休息を取らされたヤスノブ。基本的に、仕事人間の気質なのか、家でゆったり過ごしたり、どこか遊びに行く事に抵抗があるのか、彼は近所のコインランドリーで溜まっていた洗濯物を片付ける事に。そこで、彼の妙な秘密が明らかに。まさか、そのコインランドリーの乾燥機に、「クルル」と名前を付け、愛で、愚痴を聞いて貰っていたとは。しかも、タイミング悪く、見舞いに来たゲントに、それを見られてしまうとは。羞恥心に悶えまくるヤスノブ、彼に更なるピンチが。ここで、まさか、良からぬ企みを進めていた宇宙人が接触してくるとは。カナン星人・ハービーは、戦争で荒れ果てた母性に見切りをつけ、機械を操る光線で地球の侵略を企てていた。しかも、その侵略作戦に、アースガロンと、アースガロンの性能を引き出すセンスを持ったヤスノブを引き抜きに来るとは、ある意味、有能だ。

SKaRDのメンバーに思う所がない、と言ったら、嘘になってしまうものの、裏切る意思など微塵もないヤスノブ。彼は、その場から失望を露わにして立ち去ったハービーを追うべく、ハービーに光線を撃ち込まれたクルルに、懇願する。光線の効果が切れておらず、また、クルルも何だかんだで、自分に愛着を持ってくれているヤスノブにプラスの感情を持っていたようで、彼をハービーの元へ送り届けるゲートを開いてくれた。やっぱり、人間、普段から、物を大事にしておくってのは良い事なんでしょうね。実際、こんだけ、年季の入っている店に置かれている乾燥機なら、付喪神に変じていても、何ら不思議じゃないしな。クルルのおかげで、ハービーが作戦を進めている基地への潜入に成功したヤスノブは、見事な射撃で、片割れを倒すも、その一瞬で、ハービーに背後へ回り込まれ、またしても、窮地に陥ってしまう。そんなヤスノブを嘲笑うように、ハービーはコントロール権を奪ったアースガロンに、SKaRDのメンバーが襲われている様を見せつける。

仲間を救うべく、囮となったゲントはウルトラマンブレーザーに変身し、操られているアースガロンを止めるべく、立ち向かう。しかし、相手は、機械製の猛竜。しかも、今は遠隔操作状態で、パイロットを騎乗させていない状態。メカのボディに痛覚はないから、ブレーザーの攻撃を受けても、何ら怯まない。パイロットが衝撃で気絶すれば、動きも止まるだろうが、今回はそれもない。どうにもこうにもならず、防戦一辺倒に追い込まれるブレーザー。そんな時、流れ弾で、風力発電基地の一部がぶっ壊れ、ヤスノブが高所から落下してしまう。慌てて、ヤスノブの救出に向かうブレーザー。だが、すんでのところで、ヤスノブを掌で受け止めたのは、操られているはずのアースガロン。しかも、ヤスノブを助けたと同時に、アースガロンをハービーは操れなくなってしまった。これは、アースガロンとヤスノブの間に確かな友情があるからかも知れないし、ヤスノブがエミに頼まれていたジャミング機能付きの腕時計をたまたま、持っていたからかも知れない。個人的には、前者であってほしいですが。ともあれ、大事な仲間を危険に晒し、また、操ったハービーを、ゲントは許さない。まさか、スパイラルブレードじゃなく、ブレーザーの胴部が螺旋状になるとは思わず、「お前が捻じれるんかい?!」と浅いツッコミを入れてしまった自分が情けない。ただ、今回、何が一番、ビックリさせられたかって、ブレーザーのそこじゃなく、ヤスノブのバッキバッキな肉体。梶原さん、ガチで仕上げてるやん・・・

 

王様戦隊キングオージャー

第31話「二千年の愛」、もう、これは涙無しには観られませんでしたね。極端な言い方をすれば、これで泣かなかったら、人の心がないのか、って感じでした。もう、完全に、子供を置き去りにしているけど、ここまで振り切っているからこそ、『王様戦隊キングオージャー』は文句なしに面白い。

静謐を堪能し、己の死を望み、骸を蘇らせる能力者であるグローディーと一触即発の状態に割り込んできたのは、ジェラミーの母・ネフィラだった。二千年前に死んだはずの母に抱擁され、動揺を隠せないジェラミー。しかし、そんな母と子を引き裂くのが、ダグデド。お前らは仲違いし、バラバラになり、一人で死んでいく、と不気味な予言をかまし、ダグデドはその場から転移する。とことん、人の絆を見下している野郎だな。まぁ、その驕りが致命的になったんだが。

あれほどまでに苦戦したダイゴーグを、単騎で倒した相手が、しかも、巨大化して、シュゴッダムを襲撃して来たら、ゴッドキングオージャーでなければ、互角に戦えない。その為には、母とは戦えない、と闘志を失っているジェラミーを強引にでも戦わせるしかない、とヤンマは彼を「マザコンダヌキ」と煽り、決闘裁判を仕掛ける。シュゴッダムも守りたいが、ジェラミーの気持ちにも理解が示せるギラは、どうにか、仲裁に入ろうとするが、二人を止められるはずがない。中立と公平を大事とするリタに、二人を止めて貰いたいギラだが、リタはヒメノの策にまんまと嵌ってしまい、檻の仲に。カグラギはカグラギで、民を想うのであれば、ダグデドに取り入るべきだ、と本気で言っているのか、判断しかねる意志を示し、宇宙との交信を図っていた。

いつも以上に、我が強すぎる王様たちを止められず、意気消沈するギラを嘲笑するダグデド。しかし、そんなダグデドの鼻が、次の瞬間に、ボッキリと折られる事に。実は、これまでの流れは、全て、ダグデドを騙すための作戦だったのだ。ダグデドが自分たちが仲違いするのをコメディ扱いして見ているからこそ、綿密な作戦は立てられない。だからこそ、お互いにアドリブで、ダグデドを騙し、真相を明かす、この一瞬まで演技を続けたのだ。ギラに、この作戦に加担させなかったのは、彼にそんな演技が出来ないから、なおかつ、彼の必死さが逆にダグデドを騙すのに有効だったから。見事、ジェラミーとバグナラクが無実であり、真の黒幕がダグデドである事を、全国に放送した王様たち。形勢逆転となり、邪悪の王らしく大笑いするギラに対し、煽り耐性が低すぎるダグデドは押し黙ってしまい、「つまらん」とだけ言い残して、その場から逃げるように姿を消す。

爽快感に浸っている暇はなく、キングオージャーたちはゴッドキングオージャーを召喚し、巨大化しているネフィラに立ち向かう。ゴッドキングオージャーすら圧倒するネフィラだったけど、不意に、その動きが不自然に止まる。そう、その停止は、ネフィラの中に、ジェラミーに対する母としての愛が確かに残っているから。普段、回りくどい言い方を好み、端的な表現を稚拙と言っているジェラミーが、ただ一言、母へ「愛している」と告げ、彼女を苦しみから解放すべく、最強の必殺技を繰り出し、ネフィラが最期に「ありがとう」と告げたくだりは、もう、泣けちゃいました。改めて、仲間としての絆が強まり、これから、ダグデドと戦い、勝つ、そんな気合が入ったのも束の間、怒りが収まらぬダグデドがやってきて、ギラたちを、どこかへ空間転移させちまった!? どう見ても、これ、日本ッッ

 

仮面ライダーガッチャード

第5話「燃えよ! 斗え! レスラーG」、こちらは『王様戦隊キングオージャー』とは違った泣かし方をしてきましたね。また、改めて、プロレスは素晴らしい、と感じさせてくれるストーリー展開でした。監督や脚本家が、プロレス愛の深い人なのかな。

母が切り盛りする定食屋の手伝いをしながら、ケミーとドライバーを虎視眈々と狙い、えげつない手段で攻撃してくる三姉妹の目的について考える宝太郎。ガッチャンコするケミーのペアの数字が「10」になる、と驚きの真実に気付き、それをりんねに教えるも、りんねは冷淡なリアクション・・・どんまい、宝太郎。そんな宝太郎は、蓮華たちからカマンティスを返してもらい、自身もサスケマルとエナジールを返却する。蓮華と錆丸のペアが今回、カマンティスの助力を受け、封印してきたのは、ゲンゲンチョウチョ、バレットバーン、ヒーケスキュー、バクオンゼミ、ドクターコゾー、フレイローズ。この二人、相当に優秀!? 宝太郎に純粋なリスペクトを向けられ、良い気分になった蓮華たちは、彼とりんねを連れ、ケミー探索へ。

鋭い勘を持つ蓮華に先導され、向かったのは、とあるプロレス道場。そこは、質の悪いヤクザに地上げされそうになっており、オーナーである旭さんは、その脅しを幾度も突っ撥ねていたようだ・・・・・・今時、こんな実力行使に出るヤクザはいない訳だが、まぁ、そこはね、話の展開的にスムーズさ重視ってことで。旭さんのプロレス愛と呼応し、レスラーのソフビ人形に憑依していたケミー・レスラーGが、ヤクザたちをコテンパンにするも、その程度で退いてちゃ、ヤクザとしちゃやっていけない。頭に血が上ったヤクザたちは拳銃を抜く。こうなったら、やるしかない。宝太郎は、ドライバーへゲンゲンチョウチョとバレットバーンをセット。バレットチョウチョワイルドに変形したガッチャードを、りんねが撃って、ヤクザたちに幻想を見せる事で、その場から追いやる事に成功・・・・・・地味におっかねぇ攻撃だぜ。

一騒動が収まって安心する間もなく、今度は、クロトーに目を付けられた、暴力的なプロレスラー・ゴーレム剛力が襲来。己こそが最強、と荒ぶる剛力。描写こそなかったけど、クロトーに負かされた上で、更なる力が欲しいか、と聞かれ、望んだ事でゴリラセンセイを取り込んだ可能性もあるな。ゴリラマルガムに対し、スチームホッパーで応戦するガッチャードだけど、パワー特化型のゴリラマルガムとは相性が悪い。バランスが良い基本フォームは、相手が極端に一点特化しているタイプだと、勝てなくなっちゃうんだよな。剛力の必殺技である風車式バックブリーカーをモロに喰らい、大ダメージを負ってしまった宝太郎だけど、旭さんから強引にレスラーGを没収しようとするスパナに対し、敢然とした態度でNOを突きつける。そんな宝太郎に触発され、蓮華と錆丸、そして、りんねもスパナを阻むように立ちはだかる。実力行使に出れば、この4人くらい圧倒できただろうが、スパナはすんなりと回収を諦めた。何だかんだで、悪くない奴なのかも・・・

ゴリラセンセイを助けるためにも、剛力に勝つしかない。その為には、剛力の必殺技である風車式バックブリーカーを攻略する、それしかなかった。元々、自分も覆面レスラーだった旭さんは、技の破り方を知っているらしい。剛力が、やけに、旭さんに敵愾心を剥き出しにし、ジム潰しに熱くなっているのも、その辺りが原因か? 宝太郎に、技の破り方を教えて欲しい、と請われるも、己の肉体の衰えを誰よりも自覚している旭さんは、伝授できない事を悔しがる。そんな旭さんを助けるべく、レスラーGが彼に憑依し、全盛期の体へ一時的に戻してくれた。悪意のない人間に憑依したケミーの力を知り、宝太郎はテンションが更に上がる。ゴリラマルガムとの戦いで負ったダメージもあるだろうに、必死に努力する宝太郎の熱を受け、エールを送る蓮華と錆丸。もちろん、宝太郎の健闘する姿は、りんねの心も打ったようで、彼女の口からも「頑張れ」の言葉が。ツンケンしていたヒロインが、愚直に頑張る主人公に対し、少しずつ心を開いていく、そこがグッと来る。

そして、ゴングが鳴らされ、仮面ライダーガッチャード アントレスラーvsゴリラマルガムの戦いが始まるッッ 蟻の小さな体に見合わぬほどのパワーと、レスラーの俊敏さと強靭さが相まったフォームであるアントレスラーは、パワー超特化のゴリラマルガムに対しても、互角以上の戦いを繰り広げる。しかも、自慢の必殺技を、ガッチャードに破られてしまったものだから、剛力はパニックに陥ってしまう。どんだけ強力な技であっても、出し時を間違えてしまえば、弱いもんだ。天性の戦闘センスを持つ宝太郎だからこそ、風車式バックブリーカーを、こうも綺麗に返せたんだろう。そんな宝太郎の戦いの熱を浴びた旭さんも、リングへ突入し、ガッチャードとタッグに。強烈なクロスボンバーが、ゴリラマルガムに極まった!! 勝負の決め時は、ここだ、と直感したガッチャードは、アントレスラーフィーバーを直撃させ、見事、剛力とゴリラセンセイの分離に成功した。戦いに勝ちはしたものの、ケミーと関わった者の記憶は消さねばならない。この掟だけは、どうあっても破れない。友情を引き裂く事に罪悪感を抱いてしまう宝太郎を励ますように、明るく笑う旭さん。そんな旭さんが、レスラーGを厳しく突き放し、その上で、心からの感謝を告げるシーン、もう、ここは泣けましたね。きっと、旭さんは、ジムに入って、扉を閉めた後、すぐさま、その場で男泣きしたんでしょうね。そこを、あえて描かないのが、これまた、良いんですよ!!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の出来事(12-10-1)

2023-10-01 20:02:50 | 日記

Comicアンスリウム(2023/10)一言感想・その①

もう一度、してみたい。 だにまる

日常パートじゃいがみあっているけど、セックスとなったら相性最高ってのはベタだが、結構、好きだ。

アホンダラ恋。 チキン

小説家を志し、コツコツ投稿を続けているも、未だにデビューできぬ私に、この作品が、刺さる事、刺さる事(涙)

オフパコREVERSING ラマンダ

調子乗っていた姫さんが、陰キャ童貞のチン●に堕とされるのを観るのは楽しいなぁ。

倉木さんは陽キャになりたい。 アシタ

自分の望んだ己に成れたのか、そこは定かじゃないが、本人が気持ちよくて、幸せなら、外野がとやかく言うまい。

シスターサキュバスシークレット 眞空エマ

うだつの上がらなそうなオッサンが、実は凄いってパターン、これも好きなんだよな、私。

マジメはヤっても治らない 第2話 ゆっ栗栖

本編もガッツリとエロく、なおかつ、次回への引っ張り方、これが上手い。

俺は彼女を裏切らない るるえぱ

これも一種のタイトル詐欺なんかね?

滲水する劣情 牛工船

まぁ、これまで浮気をして、彼女を傷付けて来たくせに、反省してなかったクソ野郎なんだ、ざまぁみろ、としか思わん。

捌け口はキミで てばさきのぶお

こんだけ一途に想ってくれるヒロインに応えなかったら、ほんと、単なる役立たずで終わっちまうもんな。

先生なのに負けちゃうの? 悪天候

先生、負けっぱなしでいいんですか?

二人呑み咄アフター おきょう

お互いが、得意な事を請け負って、円滑に生活が成り立つなら、それでいいんじゃないですか。

 

今週の食事

9月25日(月)

朝食

バケット(トリプルベリージャム)、烏龍茶

昼食

おにぎり(紫蘇昆布御飯、鰹昆布)、烏龍茶

夕食

麻婆豆腐丼(辛口)、中華スープ(キャベツ、人参、青梗菜、若布)、烏龍茶

 

9月26日(火)

朝食

バケット(トリプルベリージャム)、烏龍茶

昼食

おにぎり(紫蘇鹿尾菜ごはん、鰹昆布)、烏龍茶

間食

芋けんぴ、麦茶

夕食

肉野菜炒め丼(豚こま、茄子、エリンギ茸・焼肉のたれ)、味噌汁(キャベツ、人参、青梗菜、若布)、烏龍茶

 

9月27日(水)

朝食

バケット(トリプルベリージャム)、烏龍茶

昼食

おにぎり(梅紫蘇若布御飯、鰹昆布)、烏龍茶

間食

芋けんぴ、麦茶

夕食

肉野菜炒め丼(豚こま、茄子、エリンギ茸、ブナシメジ茸・麻婆茄子の素)、中華スープ(キャベツ、人参、青梗菜、若布)、烏龍茶

 

9月28日(木)

朝食

バケット(トリプルベリージャム)、アップルティー

昼食

おにぎり(おかか若布御飯、鰹昆布)、烏龍茶

間食

芋けんぴ、麦茶

夕食

ごはん(味付け海苔)、コロッケ(トンカツソース、ケチャップ)、レタス(おろし醤油ドレッシング)、烏龍茶

 

9月29日(金)

朝食

バケット(餡子ジャム)、烏龍茶

昼食

おにぎり(梅紫蘇若布御飯、鰹昆布)、烏龍茶

間食

芋けんぴ、烏龍茶

夕食

ごはん(おかか若布ふりかけ)、水餃子(餃子のたれ)、レタス、中華スープ(若布、青梗菜、人参、キャベツ)、烏龍茶

 

 

9月30日(土)

朝食

蒸かし芋(デストロイヤー・ケチャップ)、烏龍茶

昼食

豚饅、蒸かし芋(デストロイヤー・ケチャップ)、麦茶

間食

薩摩芋チップス、麦茶

夕食

四川麻婆焼うどん、午房の天麩羅(藻塩)、烏龍茶

 

10月1日(日)

朝食

トースト(餡子ジャム)、紅茶(無糖)

間食

薩摩芋チップス、烏龍茶

昼食

アジフライサンド(トンカツソース、ケチャップ)、サラダ(おろし醤油ドレッシング)、烏龍茶

夕食

豚と玉葱の煮込み丼、水菜のお浸し、味噌汁(キャベツ、人参、青梗菜、若布)、烏龍茶

 

今日、読んだ本

私だけかも知れないし、漫画読み全員に言える事かもしれないが、(1)でその面白さにKOされた漫画の(2)が、(1)よりも面白い、と歓喜で震えてきてしまうな、身体が。

きっと、(1)より面白くなるだろう、と期待していたが、それを圧倒的に凌駕していた(2)だった。ありがとうございます、一路先生、鶴吉先生。

(1)の時点で、双子の姉・克己への愛が、尋常ではないレベルに達し、その愛を貫くための行動を実行に移す事に何ら躊躇わない、既に、線の向こう側に立っていた克人。

この(2)では、そんな克人の姉愛ゆえの怖さが、より際立っている訳だが、克己はその克人の姉なんだよな、と実感もさせられた。

双子だから、って理由じゃ納得できないレベルの、似た者同士だ。そりゃ、他の生徒らも、二人のズレっぷりにドン引きしちゃうわ。

でも、その人並みの幸せを掴むために必要な「普通の感覚」からズレている所が、この『常人仮面』の面白さを強め、作品としての質を上げている訳だから、私としちゃ、何の文句もない。

聴覚が特化している兎と蝙蝠のごちゃ混ぜ怪人との戦いは、一時こそ、克人が心臓の発作を起こし、また、相手のえげつない怪音波で窮地に陥りかけたが、腐り果てた体で迫田君が助太刀に入ってくれたおかげで助かった。

そんな迫田くんのために、まぁ、克己を必要以上に怯えさせたくない、嫌われたくないってのが第一にしろ、克人は女怪人を殺さず、瀕死の迫田くんを救うために生け捕りにする。そして、迫田くんの姿を変貌させるために、その手で殺させる・・・・・・うーん、怖い。

しかし、怪人はまだ蔓延っており、残酷な事に、既に身内の血が流れてしまっていた。克人にとって、一番に大事なのは克己だが、ポンコツである自分を受け入れてくれた祖父に対しては、ちゃんと恩義を感じていた。そんな祖父を殺した相手を、彼は許さない。外見は人から遠ざかり、中身は外見が変わる前から常人のそれから逸脱していて、変貌してから、克己愛がより増してるが、まだ、克人の中にも人間らしい部分は残っていたようだ。

自分の身が一番に可愛いからこそ、文字通り、人並み外れた戦闘力を持っている克人の側が最も安全だ、と合理的な判断を下し、大高家を訪れた吉家さん。別に、彼女の考え方を罵る気はないが、この環境は、ちょっと狡猾なくらいじゃ生きていけんのだろうな・・・さて、命に届きかねないダメージを負わされた彼女は、生きるために、どんな判断を下し、実行に移せるのかな?

 

この台詞を引用に選んだのは、ゾッとさせられながらも、自分の信念が宿る言葉を裏切っていない人間は、やはり、圧が違うぜ、と感じたので。

人間、越えちゃいけない一線は、確かにある。

ただ、一番、大切な誰かを守るために、その一線を越えられる人間が、越えられない人間以上に強いのは事実じゃないだろうか。

愛を貫くってのは、実は結構、茨の道なんだぜ。

さすがに、私も、誰かを守るために他人を殺せ、とまでは言わないにしろ、死んでも守りたい相手がいるなら、死なずに生きろ、とは言いたい。

(ひとごろしはいやだ)

「何、寝ぼけたことを言ってるんだ?」

「変身の時点で既に殺してるし、何より、俺たち、かなりまずい状況にいる」

「ツミ、スマホで・・・」

「あ、あたしがする!」

「田中君は殺された。化け物だって、もっと襲ってくるだろうし、この先、何が起きるか、わからない。大麻さんを放り出すのか?一人でさっさと死んでいく気か?愛してるなら、限界までやれよ」(by迫田、克人、克己、大麻)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする