すぐに書きたかったのだけど…まだ上映してるかな?
どうでもいいようなしょーもない映画を大々的にいつまでもやってないで、こういう映画こそたくさんの人に見て欲しいのに。
そもそも上映館も少なくて私が見た時は平
日昼間で5人くらいしかいなかった😢
私の今年ベスト1です。
「ホワイトバード はじまりのワンダー」(WHITE BIRD / 2024年 米)
R.J.パラシオの「ワンダー」(トリーチャーコリンズ症候群の少年の物語)は素晴らしい小説で、子供向けにも関わらず何度も読んで泣いている。
「ワンダー 君は太陽」として映画化もされているので、未見の方は是非。
そのスピンオフとして書かれた「もうひとつのワンダー」の中に、いじめっ子ジュリアンとお祖母ちゃんの話があった。
それを膨らませて「ホワイトバード」という本が出て、今回その映画化ということ。
私は本を積んだままの映画鑑賞となりました😣
いじめが原因で退学処分、転校となったジュリアン。そこへ、フランスからお祖母ちゃんがやってくる。
反省の色が見えない孫に、彼女は意を決して過去を語り始める。
ドイツ占領下のフランス、サラは両親と幸せに暮らしていたが、ユダヤ人である一家には命の危険が迫っていた。
サラを匿ってくれたのは、学校でいじめられていた体の不自由な少年だった。
彼の家族は危険を顧みず親身になってサラを守ってくれたのだった。
ホロコーストをなんと言葉で表したらいいのか、私の語彙や文章力では難しい。
誰でも知っているように、あまりに非人道的で愚かで惨たらしい過ちだ。
それを映画で見たところで、しょせん平和な世で関係のない自分が上から目線でいる居心地の悪さが拭えない。
でも、知らないでいることはもっと恥ずべきことだと思うので、せめて映画やドキュメンタリーを観る機会があれば、と思っている。
人が人の命をなんとも思わない、なんてことがあっていいわけがない。
映画の中でサラと机を並べていた男子生徒がヒトラーユーゲントへと変貌していく様に背筋が冷えた。
そんな中で、自分の命を賭けて誰かを助ける、なんてできることじゃない。
それが極限状態にあっても失われない人間性というものだろう。
他者を尊重し、他者の心の美しさを見ることができる人。
それは心に光があるからだと。闇に侵されてしまえば、なにも見えなくなる。
だから、心の光を失わないで…。
語り手のサラはお祖母ちゃんだ。だから、もちろん彼女はホロコーストを生き延びて命を繋いだわけだが、一体どうやって?命の恩人の少年はどうなった?
緊迫した日々の中に芽生えるあたたかく優しい感情。胸が痛くなるぐらいの小さな幸せ。
もうね、涙で前が見えませんでしたよ!
あやうく嗚咽するところでしたよ!
ホロコーストは過去のことでも、同じようなことは今も世界中で起こっている。
人間性を忘れるな、光を失うな、というこの映画、本当にたくさんの人に見て欲しい。
「正しいことをするか、親切なことをするか、どちらかを選ぶときには、親切を選べ。」
「親切こそすべて。闇のなかの光。それは人間性の本質。希望なの」
原作「ホワイトバード」の巻末にはホロコーストの解説もある。
漢字にルビが打ってあるような子供向けの本かもしれないけれど、読んでみて欲しい。
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