ケンコー製 スカイエキスプローラー(EQ6PRO)の検証報告

2012-03-04 15:53:51 | 機材
SXP赤道儀の代替機として購入した、ケンコー製Sky Explorer EQ6PROの赤道儀が、2/21日に届きました。
昨日から色々と触っていて感じたことを少々記述します。
本体の重量は、これまで手にした赤道儀では最大の16.2キロありました。
三脚は8キロあり、組み合わせると24.2キロになりました。(ウェイトは含まず)
公称では23.5キロと多少あわないものですが、ずしりと重い感じです。

まずは三脚から。
見た目の印象ですが、作り的には多少の荒さ塗装のムラが目立ちました。
一部刷毛で修正した箇所も。
ボルトやナットはステンレス製のようですが、磁石がくっつきました。(錆びる)
パイプの足ですが、こちらは純ステンレス製のようです。新品なのに一箇所凹みを見つけました。
内側なので、配送上での傷ではないようです。
凸凹があり、塗膜の滑らかさが伺えません。塗装の仕上げの工程が少ない印象。
問題のガッチリ感ですが、三脚からのぐらつきは皆無でした。
アクセサリーのトレイについても特に問題なしです。

続いて赤道儀本体ですが、16.2キロありますが、移動には気にならない重さです。
これまで手にした赤道儀では、一番しっかりしていて、ガッチリした構造と重さが感じられました。
見た目の印象ですが、こちらも三脚同様、塗装のムラや構造の荒さが目立ちます。
組み合わせ部の滑らかさもありません。
はじめに高度調整から。
ネットではかなりきつく閉められているという書き込みもありましたが、
私のロットは滑らかで、簡単に緩める事ができました。
高度調整のクランプは1ヶでも良いと思いましたが、2ヶ付いています。
まあ特に問題なし。
極軸望遠鏡は標準で付いてますが、自分で調整が必要ということで、マニュアル通りにやりましたが、
イマイチ理解できていません。
レクチルパターンはビクセン同様シンプルなもの。
これでは高精度の極軸あわせができるのか、ちょっと不安がよぎります。
この辺は高橋のレクチルパターンを見習うべきかと。
このレクチルパターンでは、早見表を使い、その日のポラリスの南中時刻を割り出し、
目盛環て導入するやり方が便利そうです。
極軸望遠鏡のカバーはプラスティック製なので、毎回まわすとプラスティックが減り内部が汚れてくるのがマイナスです。
でも機能上は問題なし。
赤経の回転は滑らかでこれまた問題なしですが、クランプを締め付けてもギヤの遊びが感じられるところがとても気になります。
これが自分で調整できればよいのですが。
クランプの締め付け具合も特に問題なし。
次に赤緯軸ですが、こちらは回転が少し硬い感じがしたので、自分で芋ねじ等で調整した結果、
スムーズに回転するようになり、一応問題なし。クランプの締め付け具合も問題なし。
アリミゾ対応のプレートですが、こちらは少し問題があります。
アリミゾに見られるグラツキがあり、アリミゾは好きにはなれません。
ここは高橋のようなプレート方式に変えるべきかと。
アリミゾでは、16キロのオライオン同架するのにはちょっと怖い感じがします。
一番目に付いた改良点としては、ウェイトシャフトの軸とその軸穴の隙間です。
この隙間の影響でぐらつく心配も考えられるので、
この隙間を何とか埋めてもらいたいものです。

いま所有する反射望遠鏡のSE200N(8キロ)を搭載してみたところ、ガッチリと固定できていました。
手で押してもSXP赤道儀にみられたグラツキはゼロ。
これなら多少の風が吹いてもびくともしない印象です。
16キロのオライオンを搭載しても、いける感じがしました。
全体的な物づくりとしての完成度としては80点ぐらいでしょうか。
ここら辺は、ビクセン製品や高橋製品のような完成度の高い製品とは見劣りがしますが、
この機材の良いところは、自分で調整しやすいというところでしょうか。
まあ自作したと思えば、上出来の機材です。残りの2割は自分仕様ということで割り切れますし。
何かトラブルが発生しても、すぐにメーカーに出すのではなく、自分で調整できるメリットがあるように思えました。機械いじりが好きなユーザーにはメリット大です。
ハンドコントローラーを使用しての機能面につきましては、
まだテストしていないので、また改めて記述します。
まずは製品についての検証報告ということで。

※マニュアルも、もう少し分りやすく立派な冊子にして欲しいところです。
 (改訂版が出るそうですよ)




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7 コメント

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Unknown (きらほし)
2013-02-14 22:53:44
KOGOさん今晩は。
色々とコメント有難うございました。
KOGOさんのおっしゃる通りですね。
アリミゾは恐らくお粗末なバンドのせいによるものだと思いますが、ガッチリしたバンドは高くて、しかも重くて購入に踏み切れません。
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Unknown (きらほし)
2013-02-14 22:48:13
snomanさん今晩は。
この赤道儀は中々のものですよね。
メーカー名とか中国製なんて聞くと、普通なら絶対に引いてしまうところですが、これは絶対に買いですね。試しに16キロの30センチオライオンを搭載してみましたが、これはちと無謀でしたけど、ケンコー製の25センチクラスまではベストな組み合わせでしょう。天文雑誌みても結構EQ6PROユーザーが多くなりました。
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Unknown (kogo@sara)
2013-02-08 23:32:35
こんばんは、大変興味深く拝見しました。

>高度調整のクランプは1ヶでも良いと思いましたが・・・
高度を下げるときはどうされるんでしょうか?
自重で下がるようなユルユルはまずいでしょう。
最低限クランプを多少なりとも力を入れて回さないと動かない
くらい動きが固くないと・・・

>目盛環て導入するやり方が便利そう
確かに便利ですが、光軸きっちり合わせた極望の精度には
到底かなわないのでは?
三脚の水平出しを0.5秒角単位ででき、目盛環も0.5秒角単位で
合わせられれば話は別ですが・・・

>クランプを締め付けてもギヤの遊びが感じられる
すごく当たり前のことですが・・・
バックラッシュはクランプとは無関係にクリアランス(当たり)で
調整するものです。
クランプ締めてバックラッシュがなくなったら大変でしょう。
本来稼動しなければいけない部分を締め付けていることになり
回らない(動かない)赤道儀になってしまいます。
もちろんモーターは脱調後に逝ってしまいます。

>アリミゾに見られるグラツキがあり、アリミゾは好きには・・・
アリミゾってグラつきますか?
グラつく時点でなんかおかしいのでは?
各部の締め付けを確認されたほうがいいのではないですか?
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Unknown (snowman)
2013-02-08 12:52:59
きらほしさん
こんにちは!
ノーマルな状態でテストしましたところ、問題なく自動導入や追尾ができました。赤緯については、バランスがいきなりくずれにくいように
わざとややしぶめにしているのかもしれませんね。

初めてだったので、きっちり極軸合わせて行ったせいもあるのでしょうが、導入の精度は本当に高いですね。コストパフォーマンスの高い赤道儀で、日本のメーカーも世界と戦うには正念場の印象を受けました。

また、「二重星」のジャンルはこれまで見落としていた美しいダブルスターが見られて感動しました。

観望メインですが、これからくるパンスターズやアイソンなどの彗星は写真の撮影にもトライしたくなりました。

ありがとうございました。
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Unknown (snowman)
2013-01-03 08:47:42
きらほし様
返信ありがとうございました。youtube 含めトライしてみます!
これからよろしくお願いします。
     snowman
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Unknown ()
2013-01-01 23:18:41
snowmanさん今晩は。
あけましておめでとうございます。
お尋ねの件ですが、赤緯軸のバランスウェイト軸棒のクランプレバーのすぐ近くの六角ネジを緩めてから、赤緯軸が調整可能となります。
もしもわかりにくい場合、ユーチューブでEQ6PROと打てば、いくつかばらしてメンテナンスする画像がアップされていますので、そちらも参考にして下さい。
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Unknown (snowman)
2013-01-01 00:14:27
こんばんは!

私のEQ6PROも・・・
>次に赤緯軸ですが、こちらは回転が少し硬い感じがしたので

同様の症状があります。
>、自分で芋ねじ等で調整した結果、

とありますが、急ぎませんのでよければ、
芋ねじの場所と調整方法教えていただけますか?

よろしくお願いします。
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