
萩焼の陶板が埋め込まれている。
その陶板には、
「継続は力なり」「石の上にも三年」「弘法も筆の誤り」
などの諺が書かれてる。
僕ら男子は、それら諺を読みながら小用を足すわけだ。
書かれてるのは諺だけかと思ってたんだけど、それだけじゃないみたい。
洗面所付近の陶板に
「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」
と、書かれてあるのを発見した。
言わずと知れた、中原中也の自由詩「サーカス」の一節だ。
そっか、中也は山口県の出身だったな。
それにしても、「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」なんていうオノマトペは
常人じゃ思いつかない。
中也にしても、宮沢賢治にしても、オノマトペの天才はどうして夭折してしまうんだろう?
それに両者とも、存命中は社会や文壇から評価されず不遇だったことも
偶然の一致なんだろうか?
そんなことを思いながらトイレを済ませた僕でした。