1980年代の初め、毎週月曜日の夜10時、高校生だった僕はラジオにかじりついていた。
NHK-FM でオンエアされていた「サウンドストリート」を聴くためだった。
月曜日のパーソナリティは、そう佐野元春だった。
そのころの佐野さんにはまだヒット曲がなく、
クラスで佐野元春というアーティストの存在を知っているのは、
僕の他に一人、前野くんがいるだけだった。
かといって、当時まだ2枚しかリリースされていなかった
佐野さんのアルバムを、僕は1枚も持っていなかった。
高校生だった僕にとって LP 盤は高価なもので、
おいそれと買える代物じゃなかった。
でも、早口で気取った口調でトークをする
佐野元春という DJ に興味をもって聴いているうちに、
佐野さんの音楽の虜になった。
九州の片田舎の高校生にとって、佐野元春と触れあえる唯一の場所が
この「サウンドストリート」とという番組だった。
このたび、NHK-FM が粋な計らいをしてくれた。
「NHK 青春ラジカセ」と題して、
「サウンドストリート」人気 DJ のトーク部分をストリーミングでネット公開している。
その第１弾が、アルバム『 SOMEDAY 』リリース時の佐野さんの放送だ。
【 Go URL 】----> http://www.nhk.or.jp/my-fm-days/
高校生だった僕はこの放送を聴いて、
なけなしのお小遣いをはたいて『 SOMEDAY 』を購入した。
ティーンエイジャーでこのアルバムに巡り逢えたことに、
いまでも感謝している。
僕にとって記念碑的な放送だ。
まさに「思い出のレイディオ・ショー」だ。
I wanna be with you tonight, Baby!
