91歳。老衰だった。
サリンジャーは、僕の思春期に、
直接的には彼の作品によって、
間接的には彼に影響された文学や音楽、映画を通して、
大きな影響を与えてくれた。
それがいいことだったのか?悪いことだったのか?
未だに僕にはわからない。
The Catcher in the Rye J.D. Salinger 価格:¥ 670(税込) 発売日:1991-05-01 |
1950年代、『ライ麦畑でつかまえて』の成功は、
サリンジャーを第一級の作家の地位に祭り上げた。
が、彼はこの名声を負担に感じ、
生まれ故郷 NY マンハッタンを引き払い、
ニューハンプシャー州の田舎町で隠遁生活をはじめた。
それ以降、オフィシャルな場(人前)に姿を現さなかった。
1965年の『 Hapworth 16: 1924 』を最後に、サリンジャーは新作を発表していない。
けど、1980年?、Boston Sunday Globe のインタビューに、めずらしく応じ、
次のように語った。
I love to write, and I assure you I write regularly.
But I write for myself and I want to be left absolutely alone to do it.
書くのは好きだし、日常的に書くことはやめていない。
だが、自分のために書いているだけだ。私のことはそっとしておいてほしい。
ということは、未発表作品が複数あるにちがいない。
サリンジャーはもっとも好きな作家の一人だが、
彼の訃報に接しても、不思議と何の感慨もわかなかった。
あると思われる未発表作品についても、何の頓着もない。
これは、サリンジャーが僕にとってすでに歴史上の作家で、
伝説の部類に属しているからだろう。
大人の世界のインチキを見抜く高校生
ホールデン・コールフィールドの反抗的で混乱した精神は、
今でも僕の Soul に何ごとかを語りかけている。
Mourn over the death of J.D. Salinger