大晦日、昼酒を飲みながら呑気に過ごしていると、
突然の訃報に耳を疑った。
大滝詠一さんが亡くなったというのだ。
僕はしばし呆然とした。
僕は「はっぴぃえんど」世代じゃないけど、
高校時代に、アルバム『A LONG VACATION』にリアルタイムで出逢った。
この作品は大滝氏のことを好き嫌いを超えて、
当時のガキ(世間)の必須科目だった。
そしてこの翌年、『NIAGARA TRIANGLE VOL.2』がリリースされた。
このことが、僕が大滝さんの音楽を深く聴く大きなきっかけになった。
佐野元春が、大瀧さんがオーガナイズしたこのアルバムに参加していたのだ。
シングル「ダウンタウンボーイ」とアルバム『HEART BEAT』で
佐野さんの存在を知っていたけど、
このアルバムで佐野元春に魂を撃ち抜かれてしまった。
自然、大滝さんの過去のワークス(キャリア)にも興味が湧いた。
貧乏高校生にとって 2,800円のアルバムを買うことは容易ではなかったけど、
ナイアガラ・レーベルのアルバムを聴いて、音楽の楽しさを教えてもらった。
高校2年生で、ようやく「はっぴぃえんど」も体験した。
ここまで書いて、ひとつ言い訳したい。
まだ大滝さんの死を受け入れられず、
思いつくまま乱筆を自覚しながら僕は書いている。
コニー・フラシンスもエルヴィスも、
クレイジー・キャッツも三橋美智也も、
フィル・スペクターもウォール・オブ・サウンドも、
すべて大滝さんが教えてくれた。
佐野元春フリークの僕からいわせてもらえば、極論すれば、
大滝詠一さんがいなかったら、佐野さんはシーンに出てこられなかったかもしれない。
NIAGARA TRIANGLE VOL.2 の経験がなかったら、
「SOMEDAY」はエバーグリーンのサウンド・プロダクションを得られなかったかもしれない。
リヴィング・レジェンドになった後も大滝さんは商業的成功を求めず、
鴨長明のようなユーモアにあふれた隠遁生活をおくっていた。
けれどサリンジャーのように書くことはやめず、
音楽への探究心は瑞々しさをずっと保っていたように思える。
いわば A Long Vacation を地でいっていたわけなんだけど、
悲しすぎることだけど本当に「長い休日」をとることになってしまった。
山下達郎、伊藤銀次、鈴木雅之、佐野元春、and more...
日本を代表するロックグレイツが師と崇め、本人も含羞を持ちつつそれを自認していた。
その大滝さんが鬼籍に入ってしまった。
あんなに悲しい大晦日を過ごしたのは初めてだった。
日本中のナイアガラーが涙に暮れた。
最期に佐野元春の大滝さんへの追悼の言葉を引用して、このエントリーを終わりたい。
大滝詠一さんが亡くなりました。
日本の音楽界はひとつの大きな星を失った。
でもその星は空に昇って、ちょうど北極星のように僕らを照らす存在となった。
大滝さん、ありがとう。
ご冥福をお祈りいたします。
佐野元春
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