廊下に出ると今まで暖かった空気がひんやりと冷たい風に変わったのを感じた。私は梅野に手を引かれるままに長い廊下を歩いた。このまま梅野といつまでも歩いていたいと思っているとそれを梅野も感じたのか「先生、私もずっと一緒に居たい‥」私は何かいいたかったが言葉が出てこなかった。しばしの無言が続き玄関に着いた。梅野は「先生、お別れです。ここはもうなくなってしまいますが私は先生にここでまたお逢い出来るのを楽しみに待っています、では‥」と保健室の方へと歩き始めた。その後姿の肩は少し震えているように見えた。「先生、待ってくれ、いや、梅野待ってくれ~」そう叫んで私は目が覚めた。私はあの時転んで気を失っていたのだ。壊れかけた校舎の内部の廊下を眺めそして保健室の方を見た。誰もいるはずがない。涙が溢れてきた。涙を拭おうとポケットのハンカチを取り出すとなんとボロボロである。あっと思いそれを広げるとそのハンカチの端に微かに読み取れる様な文字を見つけた。そして私にはこう読み取れた、「梅野」と‥。終わり。 くだらない下手くそな文章にお付き合い下さり感謝です。またこれもくだらない「太郎物語」が始まります。懲りずにまたお付き合いください。ではおやすみなさい。
デザイン切り絵工房へようこそ
最新記事
最新コメント
- smartmews/酔いどれおやじの三千六十四日目
- 十太郎/酔いどれおやじの千八百六十日目
- 北見のF/酔いどれおやじの千八百三十六日目
- 北見のF/酔いどれおやじの千五百二日目
- Sweeney/酔いどれおやじの千四百二十日目
- ブッキー/酔いどれおやじの千四百十二日目
- Pierce/酔いどれおやじの千三百四十一日目
- Cooper/酔いどれおやじの千三百二十一日目
- Murphy/酔いどれおやじの千三百二十日目
- ブッキー/酔いどれおやじの千二百五十五日目