酔いどれおやじの独り言

徒然草の現代版

酔いどれおやじの千三百十三日目

2013-03-03 01:26:27 | Weblog
またまた妙な話を思いついてしまいました。酔いどれミステリー劇場に暫しお付き合い下さい。 「見知らぬ乗客」 私は通勤に電車を利用している。そう、車の免許を持っていないのである。私の乗る電車は田舎の過疎地であるため乗客はほとんどいない。学生の通学でかろうじて廃線にならずに持っているようなものである。今日も私の通う時間帯は私一人である。厭きもせず同じ景色を見ながらひと時の安らぎを満喫していた。いつもの様に誰も乗りこまない駅に停まった。私は無駄に停まらずに誰もいないのであれば通り過ぎればよいのにと何時も思っていた。でも今日は一人の乗客が乗り込んできた。綺麗な女性である。珍しい、こんな田舎にもあんなべっぴんさんがいるのだと関心しながら「何処までいくのだろう」と勝手に行き先を想像していた。その女性は私の席を通り越し一番奥の席まで行った。私は混みもしないのに一番手前の降りやすい場所を何時も選んで指定席の様にして座っている。私はその綺麗な女性を見たいと思ったが後ろを振り返って見る訳にも行かず何故だかドキドキする心を抑えていた。彼女はとうとう私の会社がある終着駅まで一緒に乗り合わせた。何故だかドキドキする心と振り向きたいと思う欲望を抑えて改札を抜けた。少し先に行ったところで私はとうとう振り向いた。「あれっ、居ない、そんなに間をおいていないのに」変だなと思いながらも会社へ向かった。続く。
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