月乃和熊(ツキノワグマ)のささやき

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零式艦上戦闘機(23) 徹底した重量管理

2014-01-11 12:00:00 | 航空機・船舶(軍艦・機)
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零式艦上戦闘機(23) 徹底した重量管理 

堀越二郎技師は、12試艦戦の設計にあたり、チーム全員に「機体重量は10万分の1までは徹底的に管理する」と明言した。

それは零戦の重量は2300kgと見込み、単純計算では23gまで管理するということだ。

超々ジュラルミンの採用で、軽量化には成功したはずだが、さらに徹底的に各部材の強度を計算し、ぜい肉を削ぎ落した。

しかし、各部材の強度は安全率に左右される。
海軍の安全率1.8倍は、部材によって異なると考えた堀越技師は、海軍にかけあい、通常よりも時間をかけて破壊実験をするという方法で、安全率を1.6倍に改めることに成功した。

ちなみに現在の航空機の安全率は、1.5倍だそうだ。

強度計算に取り組んだのは、計算班と構造班の班長を兼任した曽根嘉年技師だ。
曽根技師は、東大機械工学科出で、堀越技師の6年後輩で、堀越技師の下で96艦戦、零戦、烈風の開発に携わった。

その仕事ぶりは、零戦の開発チームでは堀越技師より2歳年上で、一番年長者でもある動力艤装班の班長である井上伝一郎技師から、「堀越さんをよく補佐し、構造や計算の膨大な仕事を、なにからなにまで一人で切り回し、けっして自分を誇張せず、コツコツと仕事に邁進(まいしん)していた。」と言わせしめた。

今と違ってコンピュータなどなかった時代のことだ。

体の弱かった堀越技師をサポートしつつ、毎日毎日黙々と計算尺などで、気の遠くなるような膨大な量の計算に取り組み、その徹底した重量管理は、ときには100万分の1にまでに及んだ。

零戦の重量軽減は、実に地道な集積管理によって実現したのであります。

零式艦上戦闘機(24) 操縦応答性の改良 2014-01-18  につづく~
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