月乃和熊(ツキノワグマ)のささやき

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零式艦上戦闘機(25) 12試艦戦の空中分解事故

2014-01-25 12:00:00 | 航空機・船舶(軍艦・機)
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零式艦上戦闘機(25) 12試艦戦の空中分解事故 

昭和15年(1940)3月11日 12試艦戦の2号機が、横須賀上空でテスト飛行中に空中分解をおこし、パイロットが殉職した。

パイロットの名は奥山益美 工手(こうて)という、下士官上がりで海軍航空技術廠(かいぐんこうくうぎじゅつしょう)の老練なテストパイロットで、この日は急降下におけるプロペラの過回転状況を詳しく調査するためにテスト飛行をしていた。

高度1500mから500mまでの急降下テストの2回目、異様なうなり音を上げた直後に爆発音とともに2号機は空中分解し、放り出された奥山工手の落下傘は開いたのだか、するりと体が落下傘から離れ墜落死してしまった。

直ちに、ばらばらになった機体は回収され、事故調査委員会が設けられると、三菱からも堀越技師(途中から曽根技師に替わった)が駆けつけ調査が始まった。

調査の結果、空技廠の振動担当である松平 精(ただし)技師は、昇降舵がフラッターを起こしたと思われる重要な要素を発見した。

フラッターとは、翼がはためくように激しく振動する現象で、このフラッターを抑制するために、マスバランスという重しをつけていたのだが、空中分解した2号機のマスバランスは、それを固定する腕が折れてなくなっていたのだ。

零戦は風洞実験で時速900キロくらいまでは、充分機体が耐えられると考えられていたが、松平技師は振動実験を重ね、マスバランスがない場合には、ちょうど2号機が空中分解をおこしたときの速度、時速460キロくらいでもフラッターが起きることを突き止めた。

高速化したうえに激しい空戦を伴う零戦ゆえの事故だったのだ。

松平技師の見解を最終結論と決めた事故調査委員会は、事故から一か月足らずで解散。
その後、すべての飛行機のマスバランスの腕は強化され、昇降舵フラッターが原因による事故は起こらなかったのであります。

零式艦上戦闘機(27) 2度目の死亡事故 2014-02-08
零式艦上戦闘機(26) 空戦コンテスト 2014-02-01 につづく~
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