田植え(水彩色鉛筆)

2011年06月01日 | 風景
「おらがだめになれば、ここもこんでしめい」

ぼそり爺さんが曲がった腰を伸ばしながらそう言った。

六月といえば田植えの時期。
猫の額ほどの小さな田、用水は谷間をちょろちょろと流れる清水だけ。
地勢的に大規模な改修も望めぬ小さな棚田。
機械化されぬ営農に、若者は離農または離村し、毎年一枚二枚と手の入らない荒れた農地が増え進む。
ここも然り、周りにある田は草が伸び放題、水が張られた田はこの一枚。
齢八十半ばの爺さんは腰伸ばした後、またひとり黙々と稲の苗を植え始めた。



今日より六月、梅雨シーズンだが、今年は先月五月に梅雨入り宣言、やはり寒い衣替えの日となりました。
今日の絵はとある山村の小さな棚田での田植え風景を、水彩色鉛筆で描いてみました。
と言っても、月に一本二本と買い足してるために、ようやく十五本ほどになりましたが、その内の十本あまりが茶系と緑系・・・ のみ

一揃え揃うのはいつのことぞよ
ああ 悲し