北関東の宮彫・寺社彫刻(東照宮から派生した宮彫師集団の活躍)

『日光東照宮のスピリッツ』を受けついだ宮彫師たち

・柴又帝釈天 帝釈堂胴羽目(総論)

2024年03月20日 | 各論 石原常八
東京葛飾区の柴又は、山田洋次監督、渥美清主演の「男はつらいよ」シリーズで知られている。 柴又の帝釈天は、正式には題経寺(日蓮宗)の帝釈堂に祀られている。 帝釈堂の内殿(別名 喜見城)の外周には10枚の素晴らしい胴羽目彫刻があり、彫刻ギャラリーとして公開されている。 帝釈堂は西を向き。 ギャラリー入口から入ってすぐの南面(内殿右面)  胴羽目は三枚 まわって内殿後面(東面、胴羽目四枚)から内殿 . . . 本文を読む

桐生本町3丁目の屋台

2020年11月25日 | 各論 石原常八
 桐生本町は1-6丁目まであり、各地区が屋台を保有し桐生祇園祭に繰り出していました。保管されていた3丁目の屋台が60年ぶりに組み立てられました。  素木の彫物は花輪の彫工・三代石原常八主利、息子の駒吉(後の高澤改之介)、鶴次郎になります。正面の金箔の龍は他と作風が異なり、以前の屋台の彫物を再利用したと考えられ、彫工は初代石原常八を疑います。 正面 後面 下回り(車輪部) 正面上部 . . . 本文を読む

伊勢崎の屋台-境・女塚の屋台

2019年08月06日 | 各論 石原常八
旧境町(現伊勢崎市)の女塚(おなづか)地区の屋台を紹介させて頂きます。現在は境ふるさと祭りで巡行されます。以前は世良田祇園祭に客屋台として遠征していました。女塚屋台は、明治8年(1875)に焼失し、明治13年(1880)に新調されました。彫物師は、石原常八の末流になる高澤改之助、棟梁は中嶋亀吉になります(伊勢崎市教育委員会『波志江の屋台』34-35頁)。高澤改之助に関しましては、当ブログ2018年 . . . 本文を読む

『明治の左甚五郎』-高澤改之助(石原知信)

2018年11月18日 | 各論 石原常八
高澤改之助は、その高い彫技から「明治の左甚五郎」と呼ばれました(文献1)。 ・手挟みの「松に鷹」 ●高澤改之助の出自 天保四年(1833)花輪生。明治二十四年(1891)没。 父は花輪の三代石原常八(主利)。改之助は、祖父の石原二代常八主信から教わっています。改之助は、明治期に尾島に移り住んで、途中から姓を石原から高澤に変えています。 ・石原常八の直系の系譜 改之助の弟の幸作は早逝し、息子 . . . 本文を読む