1月22日配信の朝日新聞デジタルによると
JTは、4月から10円~50円タバコを値上げするようです。
(引用開始)
日本たばこ産業(JT)は4月から、主力ブランドの「メビウス」(旧マイルドセブン)を税込み430円から440円に値上げする。たばこ税の軽減措置が廃止される「わかば」「エコー」「ゴールデンバット」など旧3級品の6ブランドも30~50円値上げする方針だ。
財務省に22日申請した。メビウスは計35種類あり、販売本数で国内シェア3割強のトップブランド。値上げは消費増税分を転嫁した2014年4月以来となる。1985年の民営化以降、増税以外の理由で値上げするのは初めてという。メビウスの販売本数は13年の644億本から、15年は587億本に減っている。
JTはメビウスの高級化をめざしており、岩井睦雄・専務執行役員は「品質を向上させる投資を続けるため」と説明した。旧3級品については、税金が上がる分は1箱あたり20円だが、値上げに伴う減収見込み分も価格に転嫁したという。
(引用終わり)
私の率直な感想は、メビウスの値上げ幅が思ったより安かったということです。
ロンドン・ロイターによると、昨年7月、世界保健機構(WHO)は
タバコによる健康被害防止へ、税金面で取り組んでいる国はごくわずかにとどまると指摘し
タバコ税を少なくとも販売価格の75%相当にするよう提言したとのことです。
日本のタバコ税は、1箱430円の商品(例えばメビウス)の場合
●国タバコ税 106.04円(24.7%)
●地方タバコ税 122.44円(28.5%)[都道府県タバコ税17.20円+市町村タバコ税105.24円]
●タバコ特別税 16.40円(3.8%)
●消費税 31.85円(7.4%)
となっており、タバコの税負担合計額は1箱あたり276.73円(64.4%)です。
WHOの提言と比べると、まだタバコ税の比率は10%低く抑えられています。
欧米先進諸国では、タバコ1箱500円以上、1,000円以上の国も多いのに比べると
日本では、メビウスを440円に値上げしたとしても、まだまだタバコが安価で購入できると言えます。
私は1箱1000円に値上げしてもよいのではないかと考えています。
値上げ幅がわずかでも、喫煙者にとってタバコの値上げは切実な問題なのかもしれません。
例えば、メビウスが440円に値上げされた場合、1日1箱・20本タバコを吸う人にとってタバコ代は
1週間で7箱・3,080円、1か月30箱・13,200円、1年で365箱・160,600円です。
10年吸い続けたら、なんと1,606,000円。
自動車が買える値段です。
1日2箱吸っている人は、単純にその2倍のお金が掛かるわけです。
しかもこの計算は、440円の価格が今後も続くことが前提となっています。
しかし、今後10年間、タバコの値上げが全くないとはとても考えられません。
つまり、これからもタバコを吸い続けようと考えている意志の強い喫煙者は
これからこの計算以上のお金を掛けて、自身の健康と命を引き換えに
そして周囲の健康と命まで脅かし、奪いながら、タバコを吸い続けることになるのです。
タバコをやめようと思う「きっかけ」は人それぞれですが
タバコの値上げもその一つになるでしょう。
自力でやめることが難しい場合は、禁煙外来を受診することも考えましょう。
現在は、禁煙外来での治療も、一定の条件を満たせば保険が適用されるようになりました。
以前はニコチンパッチやガムだけでしたが、ニコチンの類似作用がある薬も用いられ
禁煙成功率は上がったと聞きます。
「タバコ、やめようかな」
そう思った時がやめる時なのです。