能登半島地震で被災した七尾市の友人宅から欄間を譲り受け、
拙寺の書院(1階・2階)に据え付けました。
きっかけは被災後に現地にお邪魔した時のことです。
「自宅を解体する時には仏間に据え付けてある欄間も、
家屋と一緒に壊さざるを得ない。手の込んだ欄間だけれど、
今の状況ではわざわざ保管することなどできない。」
と聞きました。
そういうことなら…と、
ご自宅が解体される前に欄間を取り外して退避させ、
今夏8月に受け取ってきていたのです。
7枚の欄間は、微細な組木細工のものや、
大胆迫力の彫刻のものなどそれぞれ雰囲気が異なります。
ためしに、防火ガラスのあるところに仮付けをしてみたら、
部屋全体の雰囲気がガラリと変わりました。
微妙に大きさが異なるものを現場に合わせて調整する必要があり、
大工さんにきちんとお願いしたので時間はかかりましたが、
ようやく据え付けることができました。
設置場所には消防法の規制がかかっているため、
耐火ガラスを入れておかなくてはなりません。
「通気性」が欄間の機能のひとつにありますが、
ここは残念ながら2枚の対価ガラスで欄間を挟む形にしました。
ここも消防法に遵守して、耐火ガラスで欄間を挟んでいます。
雰囲気と採光がガラリと変わりました。
玄関に入ってすぐの飾り棚。
垂れ壁風に欄間を据え付けて、存在感たっぷりです。
この欄間を譲り受けたことによって、
・北陸の優れた彫刻技術を後世に伝えていくこと。
・欄間を間近にした方が被災地への思いを新たにすること。
・能登の方たちとのつながりを感じる場とすること。
そのような気持ちをもって、貴重な欄間と接していきたいと思っています。