気づきの瞑想

「イライラ、ムカムカ」「もっと欲しい!」「ぼんやり…」など心のツラ~イ症状に効きます

「仏教・開発・NGO―タイ開発僧に学ぶ共生の智慧」~仏教における「開発」とは?

2012年10月14日 20時17分17秒 | プラユキ・ナラテボー師の著書など

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仏教・開発・NGO―タイ開発僧に学ぶ共生の智慧
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新評論

 “経済至上主義の開発を脱し、仏教に基づく内発的発展を目指すタイの開発僧とNGOの活動を通して、持続可能な発展への新たな智慧を切り拓く”(Amazonより引用)


プラユキ・ナラテボー師の活動も紹介されています。
「東北タイ・チャイヤプーム県ターマファイワーン村を事例として
第6章 農村社会の変容と仏教寺院」 (P150~160)

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ところで、「開発僧」とは?
ナラテボー師の著書「「気づきの瞑想」を生きる 」からご紹介します。

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ブッダの教えは…他に頼ることなく、みずからの心の平和を自力で築き、そして、生きとし生けるものと共に幸せに生きる道を教えている。実は最近、タイでは『プラ・ナックパッタナー(開発僧)』といった一群の僧侶が出現してきている。

開発僧は…、今日人々が直面している現実の社会問題にもしっかりと目を向け、仏教的な教えをもとにして、そういった社会問題にも積極的に取り組んでいこうとしている僧侶たちだ。(P41、一部加工)
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当時タイの大学院生だったナラテボー師が、実際に開発僧たちと交流した印象は、
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開発僧たちと身近に触れ合うようになってからというもの、その話の内容だけでなく、彼らが漂わす雰囲気や声音、そのようなものに魅せられはじめてきた私がいた。私が出会ってきた開発僧たちはひとりひとりじつに個性的で、知的であったり、情的であったり、男性的で豪快であったり、女性的で繊細であったり、それぞれのカラーは確かにあった。しかし同時に、彼らが皆一様に共通して醸し出している雰囲気があるように私には感じられた。それは言葉にすれば、「明るさ」「余裕」「自由」「温かさ」というような性質だった。(P47)
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明るくいきいきと現実社会の問題に取り組んでいる開発僧たちの姿と自らを引き比べて、
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さまざまな社会問題について学び、議論し、そして実際の活動にも携わってきた。しかしそこには常に焦りが、窮屈さが、イライラがつきまとい、暗く、冷たく、落ち込んでしまうことが多かった。それでも負けずに無理を通して、かえってやればやるほど疲れてしまう自分がいた。
(P48)
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良かれと思ってやったことでも、相手に伝わらなかったり、思った通りの結果にならなかったり、自分もクタクタになってしまっていたり…
人生なんてそんなものなんだろう、と、思いきや、どんな苦難困難にも「明るく、余裕を持って、自由に、温かく」対応していくという道も、実は、あるんですね~
 

ところで、ブッダも「開発」という言葉をつかって教えを説かれています。
仏法(ポー・オー・パユットー著)(P375)」からご紹介します。


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「修習」()は、増進する、起こす、訓練・教化するといった意味である。パーリ語では、
ブッダはと言われた。すなわち、タイ語のパッタナー(開発)そのものである。この修習は、三学に代えて使える言葉である。

四修習は、

①身修習:身体を開発すること、すなわち、自然的、あるいは物質的環境と支援関係を持つことである。

②戒修習:戒を開発すること、すなわち、社会的環境、すなわち、朋友と支援関係を持つことである。

③心修習:心を開発すること、すなわち、心を増進して美徳、善、勤勉さと楽しさ、明朗さ、静けさを成長させることである。

④慧修習:慧を開発すること、すなわち、知識、思考、理解、真実の洞察力を支援創造することである。

すでに述べたように、この四修習は人の生命の開発の様々な面が開発できたかどうかを見るために、成果を測るために使う。
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私たちは、どんなことでも練習したり学習したりするとき、それがどのくらい成果が出ているかとか、身についているかとかを、なんらかの基準を用いて見極めようとします。
仏教修行もそれと同じ。
「四修習」は、はたして修行を通して人間開発が正しくすすめられているかどうかをチェックする項目、という感じですね。

チェック1. 環境(身体や自然)と相互に理解しあい、協力しあうような関係を持っていますか?
チェック2. 周りの人達、社会と相互に理解しあい、協力しあうような関係を持っていますか?
チェック3. 美徳、善、勤勉さと楽しさ、明朗さ、静けさ、そういう方向に心を成長させていますか?
チェック4. 知識、思考、理解、真実の洞察力を深めるよう、智慧を育てていますか?

ナラテボー師が開発僧の皆さんに感じられた印象は、こうした項目をクリアした「開発された人間」が醸すものなんですね


ちなみに、ナラテボー師の師匠のルアンポー・カムキエン師も、「修習」(=タイ語ではパワーナー)について、
「気づきの瞑想」で得た苦しまない生き方(カンポン・トーンブンヌム著)の中で言及されています。

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手のひらを動かしてひっくり返すときの感覚を感じてごらんなさい。知らず知らずに考えごとが起こってきますが、その考えに惑わされず、体に戻るように。体がここにあることを意識して、よく注意して観るようにしましょう。これを「パワーナー(心の成長、修養、智慧の開発)」と呼びます。

パワーナーとは、気づくことに努めることで、静けさを求めるものではありません。それによって自分自身に気づくことがよくできるようになれば、迷いが少なくなり、真理が明らかになっていくでしょう。(P80)
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こちらもご参照ください→「気づきの瞑想修行をはげましてくれる、ルアンポー・カムキエン師の言葉」

 


「気づきの瞑想」を生きる―タイで出家した日本人僧の物語
プラユキ・ナラテボー
佼成出版社

 

仏法[新装版]
ポー・オー・パユットー
サンガ

 


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