イスラエル旅行記

旅行記が完成したので、あとは普通に。、

31.ナザレ

2006年09月03日 | Weblog
 メギドを後にして、ナザレの受胎告知教会へと走ります。旧約聖書には一度も出て来ないナザレ・・・。当時としては大して重要ではない、目立たない町だったのかも知れません。ぐんぐん坂を上って走ります。

「ええと、みなさん、右手に崖が見えてきました。あれは「突き落としの崖」といってですね、イエスがナザレの教会でイザヤ書を読んで説教した後、人々は彼の言葉に怒って突き落とそうとしたという、あの崖です」(ルカ4:16~29参照)
 みな一斉にカメラを向けます。
「ナザレは海抜350mのガリラヤの丘陵に位置していまして、現在、人口4万5千人のアラブ人の町となっています。発掘によって、受胎告知教会と聖ヨセフ教会の間の地下からですね、いくつかの洞窟、ぶどうとオリーブの臼、水槽、穀物貯蔵用のサイロなどが発見されました。
「へえ~」
「そのことからですね、ナザレの町は、古くから農業が盛んだったのではないかと、言われております。確かにイエスのたとえ話には、農業に関係あるものが多いですよね」
「ん~、なるほどな」
「ナザレは、みなさんがよくご存知のように、マリヤが聖霊によって身ごもったことを告げられた町であり、また、イエスが伝道活動を始めるまでの30年間、両親と共に過ごした町でもあります」
 みなうなずいています。
「さて、このナザレの町で、イエスの墓を警備したことに関係のある碑文が発見されました。墓泥棒の碑文と呼ばれていまして、紀元10年頃にギリシャ語で記されたものを、次のように訳されています。
『皇帝の命により次のことを要望する。父、母、子供、親類にせよ、その死者に対する尊敬の払われたすべての墓は、永久に荒らされないように保存すべきである。死体に手を出したり、悪意で棺や墓石を動かす者は誰でも、神と人間との法を侵害する者として告訴されるであろう。その死体には、大きな尊敬が払われるべきであり、誰も合法的にそれを動かすことはできない。そのような犯罪を発見された者は墓泥棒として死刑に処せられるべきである』
というようなことですね。ですから、ピラトはですね、イエスの墓を整備するように手配した時、この『皇帝の命による法律』をよく知っていたであろうと言われております」(マタイ28:11~15参照)
 みな深く感じて、言葉も出ないようです。

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