Think Globally, Act Regionally:『言葉の背景、カルチャーからの解放、日本人はどこへ往く』

身のまわりに見受けられるようになった「グローバル化」と生きる上での大事な「こころの健康」。さまざまな観点から考えます。

●第28回「日・欧米スクリプト(台本)の違いにみる、クロスカルチャー」

2008-06-11 09:14:26 | ■ことばの背景(英語と日本語の備忘メモ)

●第28回「日・欧米スクリプトの違いにみる、クロスカルチャー」


◆クローズアップ現代を見た。
今夜は、「大丈夫か?ニッポン株式市場」(6月9日(月)放送)。

スクリプト(脚本、台本)の構成はこうなっている。

日本市場の国際競争力の低下を懸念する声

世界(海外)の投資家の日本離れ

日本の閉鎖性

海外投資家による日本の製造業社長との対話↑
代表的製造業にみる、顧客志向=株主軽視

大学院大学準教授による解説:
日本の製造業の株主に対する考え方の解説。
このままでいくと、もっと海外投資家が引き上げる

→株価が下がる→日本企業にとって買収のリスクが上がる
→企業による、買収防衛策の強化。

一方、ニッセンなどの買収防衛策の放棄
→投資を呼びこむ会社の紹介

日本企業の投資機関自体が、日本への投資比率を下げ、
海外の新興国への投資比率を上げる例を紹介。

結論:『日本株式市場が抱える課題と復活の糸口を探る』との謳い文句だが、何もない。

ただ、現状を追認しただけのリポート。


◆疑問:
1.なぜ、日本の会社は株主軽視で顧客(取引先)重視なのか、
  その分析がない、深さがない。
  本当に、海外の会社で顧客重視の会社はないのか?
  このまま、株主軽視でいくと、どのような株式市場になるのか
  株主重視の弊害はないのか、
  等々の解説や予想がない。

2.海外投資家の戦略も単純すぎる。例えば、海外では、このような株主軽視はありえない、などの発言。海外ではこうだ、というような発言では、日本企業への説得にはなりえない。

3.日本の行政の規制、例えば、経済産業省の投資家に対する規制についての是非の分析が欠けている。
  行政がどう関わればいいのかの判断、意見が皆無。
  NHKという公共放送は、世界の意見を踏まえた意見、分析を言ってはいけない?
  この役割は、解説者が果たすべき。

4.この番組の主旨は、現状レポートのみであって、議論や解決策は求めない?

5.この種の番組の視聴後のものたりなさ
 (NHKの政治討論会 vs. サンデープロジェクトの質的深さ、緊迫感でのかなりの相違)

◆さて、先日、映画づくりのショートセミナーに参加しました。
Script Writingのセクションで面白かったのは、

Structure of Storyのところで、
欧米の映画づくりでのストーリーの流れは、

1.Natural World (普通の世界)

2.Big Event (興味ある、普通でない出来事)

3.Pinch (困難、緊急的状況)

4.Crisis (最悪の危機的状況)

5.Showdown (困難、危機的状況との闘い)

6.Resolution (困難の解決)

の流れが一般的だとの解説でした。

いい作品の脚本を考えると、
なんだかこの流れを踏まえて書かれているようです。

まあ、作りが、ドラマチックなんですね。
また、
映画を見たあとに感じる「カタルシス」と同じような感覚が
特に、アメリカのTV報道番組にもみられる。

どうも、
TV番組の脚本にも、このドラマテックな
構成が生かされているようだ。
5.Showdownで終わる番組も多いけれど、
解説では、
6.Resolutionの一端が見られる。

☆さて、いつになったら、

ドラマテックな知的興奮を感じさせてくれる

番組がでてくるのだろうか。

政界と同じく、TV界にもそろそろ
changeが必要でしょう。


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