その時は 判らなかったけど
後になって 時間が経って 考えてみると
あぁ なるほど そうだったのか…
っと
判ること
遅いんだよ! と お叱りを受けることなんだろうけど
その時には 判らなかった のです
その一例…
お電話で 犬の様子がオカシイ との連絡
もともと 症状を上手く伝えられない飼い主さんなので
話では 何だかわからない
あれこれ話しているウチに
様子を見るので連れては行かない と言うことに。
ところが 病院が閉まる10分前に
「やっぱり心配だから」とお連れになった…
お気持ちはわかるけど
どうせ連れてくるなら もっと早く連れてきて!
ま
とにかく診察 診察
でも診察台の上じゃ 普通に見える
脈も呼吸も体温も 正常!
ならば血液検査…
これも ほぼ正常…
何だかわからない
ので 入院!
スタッフを早く帰したいし ワタシも早く自由になりたい…
ただ 飼い主さんがオカシイ と言うのだから
そして 確かに 入院室で足音が賑やかなので
覗いてみると コッチを見て
じっとしている…
扉を閉めて人の姿を見えなくすると
ドンドコ ドンドコ 足音がする
覗くと止まる
カメラを設置して観察すると
人が見えないと ただひたすら右旋回
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる…
人が見えると そっちを見て立ち止まる
見えなくなると すぐさま
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる…
壁にぶつかるような 盲目的突進旋回ではないので
目は見えているらしい
事実 視覚の反射など脳神経系は正常
明かりを消して 真っ暗にしても
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる…
止まらない
夜通し 休み休みだけど
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる…
飲まず食わずで
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる…
脱水しちゃうから点滴したいけど
ぐるぐるしてるのでチューブが絡んで点滴できない
仕方がないので 皮下輸液…
これ 成犬では 少々痛いはず
なのに 診察台の上では 何事もないように おとなしい…
で
入院室で
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる…
この犬さん
3日後の朝の血液検査の結果で急な異常値が出て
その日の午後に急逝…
正直な気持ち 「うわっ なんで!」
直接の死因は 血液検査で出ていた異常が原因
こんなに急に異常になったら
そりゃ死んでも不思議はない
でも なんでそんな異常が 急にでたのか
?????????????????? 判らん???
だいたい なんで旋回運動を繰り返したのか 判らん
そして 人が見えるとピタッと止まる理由も 判らん
判らん
判らん
判らんまま 死んでしまった…
今となって 判るのは
コレ 多発性の脳梗塞だったんだと思うのです
急性の発症で 神経学的な様々な検査結果と症状が一致せず
徐々に進行して 何だかわからないウチに 命を失ってしまう…
まるで 入院させて 死なせたみたいですね
この例では 文字通り そういう結果に終わりました
今も 恨まれてるでしょう
でも
その時は 判らなかった…
判っていても 処置のしようがないんじゃないかな
効かないだろうけど 注射して 薬を処方して
家に帰す…
帰されたって 家では 為す術ナシ
だって 入院したって 為す術ナシなんだもの
結局
何もしないで 帰された と恨まれるか
入院させたけど 結局 死なされた と恨まれるか…
今となったら じゃ 遅い!
でも その時判っても…
どうして良いやら 判らん