本日のBGM
異邦人 久保田早紀
カラオケでは陽水の「いっそセレナーデ」に次ぐ難曲・・・
最近では 価値観の多様化 が 盛んに話題にのぼり
米連邦最高裁でも 同性婚の容認 という判決がなされました
ワタシが社会人になった前年
筑紫哲也氏が 「新人類」 という造語を使い
もって 翌年就職の我々世代は
良くも悪くも 「新人類」 呼ばわりされました
時代は歴史を作って進んで行くのですね
(「いっそ・・・」は イントロがないので音程がとれないから)
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独立 開業 の 当初は
いろいろ不思議な方が ご来院に なりまして
戦争経験者の お二方 の記憶は まざまざと蘇ります
お一方は 戦地に於いて 名誉の負傷を受け
御御足(おみあし)に後遺症があり
普通の自転車のペダルが漕げなくなられてしまい
片方しか ペダルのない自転車で
ご来院 されておりました
ただ ご来院の度に そのことに触れ
「戦争が こんな足にした」ことに
いつもいつも不満を口にされておりました
そうでもしないと やるせなかったのでしょう
もう一方は
お上の設けた施設へ二日間通われ (再度、簡単に遺棄されない為の仕組み)
そのうえで 処分を待つ犬の中から
子犬を 引き取って 2日目の男性
まだ 数ヶ月齢の子犬・・・
まだ 2日目なのに 突然の激しい変化
食欲廃絶 止まらない嘔吐/激しい下痢
日本では '70年代に初めて確認された 「犬コロリ」
正しくは 犬伝染性腸炎=犬汎白血球減少症=犬パルボウイルス感染症
(詳しくは割愛)
伝染性が強く ウイルスは便と共に大量に排泄され
土中で長期間 感染力を維持し
若齢では勿論 バリバリの成犬でも 致死率が高い
時に ワクチン接種済み でも 発症する事のあった
イヤな感染症・・・
お話を聞いた段階で
「疑いがあるので、いたずらに そこらに触れないよう」
また、待合にいる全ての方に 同様の注意をアナウンス・・・
その場ですぐに 血液検査 もしくは 糞便の特殊検査!
確定診断がついた段階で 「全員 動くな!」 の 厳戒令!
病院に入るために押した 自動ドアのボタンから
座っていたベンチ
受付で記名したボールペンまで 塩素消毒/もしくは消毒液ごと廃棄・・・
そして 一番危険なのは 我々 施療者の手指の
確実に確実を三倍掛けするほどの 消毒・・・
ウチでは ワタシ以外には 直接に 触らせませんでした
万が一 院内感染が起こったら
犯人捜しが必要で 責任もとらせなければならないから・・・
さて
このパルボ感染の子犬
本人も辛く コチラにも 消毒の手間だけとっても 負担の大きな
つまり ¥に糸目をつけず 出来る事 すべて
輸血からなにから
G-CSFなど
(わからなくてイイです
高価であり効果が出るまで使い続けるので¥¥¥¥な薬) を投与したり
勿論 入院治療で
その間に出るリネン類は 全て他と隔離して扱い
廃棄前提で ことにあたります
それでも なお やってみないと 結果はわからない・・・
飼い主さんに 説明したところ
「自分は 戦争で 南の島へ行かされた」っと
「ジャングルでは 食べるモノも 薬も 何もなかったんだ」っと
「あるのは 自分の体力だけなんだ」っと
「無い奴は死んで あった自分は 生き延びた」っと
「だから コイツに 体力があれば 生き残るだろう」っと
完璧な起承転結
今も そう
さらに 若かったワタシには
反論出来ない強固で堅牢 かつ確固たる価値観・・・
ただ 若かったワタシが 声に出来たのは
「今は そんな時代じゃないです」
この方は
うら若く ヒョロヒョロに痩せている ワタシのハナシに
それなりに 耳を傾けて下さり
「3日間 ¥10万 それ以上は なし」っと 条件提示
3日後 子犬の状況は 悪化してはいないものの
極めて不安定
死の淵からは 一歩さがったけれど
油断すれば 元の木阿弥
もう5日前後の治療が「最低でも必要」・・・
若かったですからね
相手が 年金生活者であるか なんて気は回りませんでしたね
雇われで 院長の意にそぐわないことができないから 独立したわけで
ワタシの好きにするぞぉ~
縁あって 出会った ヒトとイヌ それと ワタシ達・・・
今度はワタシから 条件提示
「¥10万以上イラナイ かわりに時間が欲しい」
都合 2週間くらい いたでしょうか・・・
なんとか治癒して 退院・・・
もう
ヒトも イヌも 黄泉の国に いらっしゃるハズです
明日は雨?
きょうも みなさまに たのしいことが たくさんありますように!