爺の独り言+

予期せぬ応援コメントが未だに届きます。皆様には本当に感謝致します。

春はいずこ?

2022-04-05 21:59:00 | ときど記
⚫ときど記(今日)

今日の風景です。


家の右脇

一面の雪景色。



家の左前

除雪車が雪を飛ばす場所だったので、向こうの家の2階がまだ半分しか見えません。



田んぼの縁の雪をユンボで掘り起こしています。



道路をひと冬除雪すると、道路脇は雪でいっぱいになり、いつまで経っても雪が溶けなくなります。

田んぼじゃなければいいのですが、田んぼは田植え等、スケジュールが決まっているので、縁をユンボで掘り起こして、空気に触れる部分を増やしてあげます。

雪は空気に触れる面から溶けるので、掘り起こして凸凹をたくさん作るだけで雪が早く消えるようになります。

桜?

まだ咲くわけないですよ( ̄▽ ̄;)





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好きと現実

2022-04-05 18:21:00 | ココロの風邪
⚫ココロの風邪(過去)

仕事を「好き」で選んでも出来ないこともある...

金型加工の仕事は、前の記事の通りチャックが回せず1週間であきらめた。

そして、自分と話し合った。

自分は何が好き?

子供が好き...
日本一のお父さんになりたい...
でも、保育士、幼稚園教諭の資格はない...

人が好き...
話すのが好き...

何が嫌い?

無理強いが嫌い...

ノルマのある営業は嫌い...

なんて思いながら求人情報とにらめっこ...

ハードル高いけど...
自分には強みもあるかも...

見付けたのは、予備校の校舎運営業務でした。

世間一般の人は、滑り止めの更に滑り止めで受ける大学ですが...
補欠で引っかかりましたが...
大卒の肩書きはあります。

そして、バブルの恩恵で一流企業の本社に勤務...
その会社で様々な業種の仕事をした経験があります。
これは、誰にも負けない強みです。

希望を出しました...
強みをアピールしたら採用されました。

設計事務所→金型制作→予備校運営業務
全くバラバラですね。

この仕事は楽しかったです。

お昼に予備校を開けて...
事務仕事...
生徒が三々五々にやって来て...
世間話から、進路相談、夢の話...
運営業務の人間は授業を教えてはいけないというルールがありましたが、高校生を相手に腹を割った話をしていたので、それなりに生徒の信頼ももらえていました。

一番良かったのは進路相談。
爺はたくさんの業種の会社とお付き合いをしたので、進路相談の時に1番に聞いていたのは、希望の学校ではなく、将来の夢でした。

母ちゃんに育てられて...
母ちゃんを尊敬しているから、看護師になりたい。

バラエティー番組が好きで...
フジテレビでバラエティー番組を作りたい。

国連職員になりたい!
(これは爺も困りました。引き出しがなかったので、たくさん調べました)

などなど、高校生の夢はたくさんありました。

その夢に近づくためには、どんな事が必要か?
教科書やテキストには乗っていない情報を爺は持っていました。

意外かも知れないけど、こんな会社がこんなことをしているんだよ。

この会社を希望しても、思い通りの道へ進めるのはごく一部。
それなら、こんな会社もあるんだよ。
これは爺のノウハウでした。

そして、生徒も知らない面白話がたくさん。

もちろん、爺の卒業した大学も教えていました。
(本当はダメだったのですが...)

三流大学でも、周りの一流の仲間に学べば変わることが出来る。
そのお手本が爺で、生徒のモチベーションにもつながりました。

爺は勉強以外の事もアドバイスしました。

ある生徒には
こんなことを言ったら予備校職員失格だけど...
たくさん遊びなさい。
そして、面白がって自分の経験値を稼ぎなさい。
田舎に生まれたってだけで、都会の人間に情報格差のハンデがあるから、たくさん経験しなさい。
そして...
勉強も頑張ろう(ง •̀_•́)ง

という本末転倒なアドバイスもしました。

夢が見えると、頑張るイメージも湧いてきます。
そして生徒は頑張るようになりました。

でも...

爺はこの仕事を1年しか続けられませんでした。

それは、1人の1年生が原因でした。

この子は、ものすごく真面目でした。
部活が終わると、必ず予備校にやって来ました。
いつもニコニコしていて、優しい生徒でした。
授業も真面目に受けていました。
でも、確認テストをすると、全く出来ませんでした。

この子はどうしたんだろう?
爺は4月から仕事を始めたので、この子の授業を決めたのは他の人でした。
分からない授業を続けても意味が無いよね...
分からないのに毎日部活終わりに通って、真面目に授業を受ける気持ちってどうなんだろう...

そんな疑問を持ち、前の担当者に質問をしました。

すると...

あぁ、この子ね。
中学校の頃も塾に通っていたんだけど、全くダメで、高校受験は推薦で受からなければ無理って言われた子です。
で、推薦で受かって、高校でも塾に通っているんです。

んんん...

授業の意味ないじゃん!
個別指導でマンツーマンで教えてくれる塾じゃないと無理だよ。

でも、爺の勤めていた塾は違いました。
この子には全く意味のなさない授業です。

ある日、爺は決断しました。
その子が来た時に声をかけました。
「数学の教科書を見せて。」
その子の通う学校は進学校ではなかったので、教科書に興味がありました。

教科書を見て、爺は衝撃を受けました。
こんなに分かりやすい教科書を初めて見た!
素晴らしい教科書でした。
応用問題はありませんが、どうしてこうなるのかという考え方がものすごく分かりやすく書かれていました。

その子に聞きました。
この前の学校の数学のテストは何点だった?

27点( ̄▽ ̄;)

分かった。
これは誰にも言っちゃダメだよ。
爺も約束を破るから、これから授業の後で30分ずつ、一緒に教科書の勉強をしよう。
はっきり言って、ここの授業、何も分からないでしょ?
もったいないよ。
せっかく予備校に来ているんだから、分かるようにならないと...

それから...
その子との内緒の勉強が始まりました。
すごく分かりやすい教科書です。
(名前は伏せますが、有名な方が書いた教科書でした)
爺でも意味が分かります。
そこで爺は、
理屈じゃなく暗記すること。
理屈を覚えると分かりやすいこと。
に話を分けて教えました。

元々、真面目で一生懸命な生徒です。
スポンジのように数学を吸収しました。
全ては、この数学の教科書のおかげです。

すると...
爺に困った事が起こりました。

進学校に通っている1年生でその子と中学が同じ生徒達が...
数学が分かんない!
と泣きついて来たのです。

爺も理系ですが、三角関数と微分積分の意味が全く理解出来ずに受験をしたスーパーおバカです。

でも、この子だけ教えて、他の子を教えないのは...
やっぱりマズイよね(º∀º*)

教科書とワークブック(応用のワークブックがある時点で進学校)をコピーして...
爺、めちゃめちゃ勉強しました。
教科書「分かるよね?」が前提の教科書で、全然分かりません!
でも、爺には味方がいました。
それは、最初に教えた生徒の教科書!
基本を学び、ステップアップした教科書を学び、ワークブックにチャレンジ!
後は理系の意地というかパズルをやっている感覚というか...

泣きそうになりながら、
「ごめん。たぶんこうだと思うんだけど...」
.........
「すごい!合ってる!」

こんな困った秘密の日々が始まりました。

秘密でいられた事には理由があります。
校舎運営業務担当者は爺1人だったからです。

たまに他の人が来ることもありましたが月に1回くらい...
後は、窓口は爺1人だったのと、生徒の利害が一致し、秘密が保たれたのです。

それから3ヶ月後...

期末テストが終わった時期でした。
全然授業が分からなかった生徒が現れました。
悔しそうな顔で...
「先生ごめん。数学、1問間違えちゃった!」

驚きました。
学校で赤点だった生徒です。
中学や小学校の算数や数学に戻って教えた事もたくさんでしたが、真面目にコツコツ3ヶ月頑張って、ほぼ満点を取ったのです!
しかも、間違った所も理由が分かるって!

爺は言いました。
「その間違った事が大切なんだよ。どうして間違えたかが分かると、次は同じ間違えをしなくなるからね。」

あの時の彼の笑顔は今でも忘れられません。

季節は冬になり...
2年生以下の生徒は、次年度の授業を決めなければならない時期になりました。

これは、一窓口業務の爺一人では決められず、この地域をまとめている人との相談になります。

そこで、例の予備校の数学の授業が分からない子の話になりました。
爺は話しました。
「彼は真面目で、予備校も休まないし、授業も真面目に受けていますが、授業についていけるレベルではありません。
でも、一生懸命な気持ちもありますし、進学したい気持ちも明確に持っています。
彼のために、レベルに合った個別指導塾へ行かせるべきではないでしょうか?」

マネージャーは答えました。
「数学がダメたったのなら、来年は英単語の授業を受けさせましょう。」

爺は知っています。
その子が英単語の授業を受けても覚えられない事を...

そして知っています。
彼の夢を...
自分は頭が悪いけど、自動車整備士になりたいんだ。
県内に資格が取れる大学があって、そこに行きたいんだ。

でも、来年もここに来ると言うことは、意味の無い授業をまた受けることになります。

そうです。
マネージャーは儲けを考え、爺は生徒の夢を考えていたのです。

数日後...
3/31付の退職願いを出しました。
今の3年生達の責任をきっちりとってから辞めたいと思ったからです。
泣き笑いがたくさんありましたが、3年生は全て進路が決まりました。

そして、爺は例の生徒とこっそり話しました。
「君の頑張り、爺は知っている。君が一生懸命取り組んだから、数学の成績が生まれ変わった。でも、ここの授業のおかげじゃないよね?君の夢を叶えるためには、ここを辞めて個別指導塾に行った方がいいと思う。個別指導なら君に合った基礎から勉強が出来るから。頑張れる君は、絶対夢を叶えなれるよ。」

そして3/31...

爺は予備校を後にしました。
好きと現実のギャップに悩まされながら...




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