ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

命にも勝りて惜しくあるものは見果てぬ夢の覚むるなりけり

2018-01-10 03:05:43 | 古今抜粋

命にも勝りて惜しくあるものは見果てぬ夢の覚むるなりけり    壬生忠岑


これは痛い歌である。
作者は自分のことを詠っているわけではない。
人間を見ながら詠んでいるのだ。

見果てぬ夢から覚めてしまったら、生きていても意味のない人生が広がるのである。
ではその夢とは何だというのか。

金か権力か女か、はたまたそれ以外の物か。自分がいいと思っているものを一生追いかけるのが人間だが。


こひせどもかひなき花を恨みつつ花なき里に落つる人はも    揺之






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