日本政府はコロナウイルスに関する次世代mRNAワクチン(レプリコン)の65歳以上の高齢者向け定期接種の開始を10月から行うとしている。これに対し、ワクチンの危険性を指摘する動きがあるほか、政府の提供する情報は不十分であり、インフォームド・コンセントに違反しているのではないかという声があがっている。
■生き方・死に方を自分で決める権利
全ての国民は基本的人権を持ち、差別を受けない権利を持っている。その中には、自分の生き方や死に方を自分自身で決める権利も含まれている。自分の生き方や死に方を自分自身で決めるためには医療現場などにおいて延命治療を選択するかなどの選択の機会と、延命治療によってどういうことが起こるか、あるいは延命治療を受けないことによってどういうことが起こるかという情報を知る必要がある。
そこで、投薬、ワクチンの接種、手術、検査、治療などの医療行為について、それを受ける患者が医師からそれについて十分な情報を知ってからその医療行為を受けるか受けないかを決めるインフォームド・コンセントが提唱されてきた。日本では1997年にインフォームド・コンセントの遵守が義務化された。
インフォームド・コンセントを遵守するためにはワクチンの場合、ワクチンの種類と目的、ワクチンの有効性と効果、ワクチンによって起こる免疫反応、ワクチン接種に伴うリスクと副作用、ワクチン接種後の注意事項と対処法、ワクチン接種に代わる予防策などを具体的に提供し、患者が効果とリスクを正確に理解した上でワクチンを接種することが求められる。
■レプリコンは「インフォームド・コンセントに違反」
レプリコンについて日本政府はワクチンの有効性と効果を大きく取り上げて宣伝する一方、ワクチン接種に伴うリスクと副作用、ワクチン接種後の注意事項と対処法、ワクチン接種に代わる予防策について具体的な情報を全く提供していない。これはインフォームド・コンセントの点から大きな問題があるのではないだろうか。
仮に特定の状況下で生涯にわたる後遺症の発生などの副作用があった場合、患者がそれを十分に知らされずに接種したとなれば問題だ。そのため、インフォームド・コンセントに違反しているという声があがっている。
筆者もMicrosoft社が提供するCopilotというAIにファクトチェックを徹底する「厳格モード」とした上で、上記の状況を伝え(仮に筆者の情報が間違っていた場合、AIによる訂正が入る。)、インフォームド・コンセントに合致しているか聞いたところ、「不合格」という返答が返ってきた。具体的にはワクチン接種に伴うリスクと副作用、ワクチン接種後の注意事項と対処法、ワクチンを接種しない場合のリスク、ワクチン接種に代わる予防策の提供が不十分だと指摘していた(筆者の見解は入力していない)。筆者の情報が間違っているという指摘はなかった。
今度は筆者が提供する情報の影響を受けないよう、AI自身に情報を探すところからやるよう指示した。それでもほんとど同じ結果が返ってきた。政府の提供する情報ではインフォームド・コンセントに合致しないという結論だった。
このままレプリコンの定期接種を強行すれば副作用をめぐる訴訟問題に発展しかねない。日本政府は一刻も早くインフォームド・コンセントを遵守し、国民にワクチンに関する具体的な情報を提供すべきだ。