子供の頃、大好きなおばあちゃんがお正月によく作ってくれた、甘酒が好きだった。
白い液体の底に沈む麹の粒粒を食べるのが楽しかった。
故郷を離れ、この齢になって、近頃やたら思うのは、昔、口にした懐かしい味の事。
甘酒。
食べたいなー、飲みたいなー。
でも、自分で作ろうなんて思いもしなかった。
大好きな甘酒を作る気になったのは、ひなまつりがきっかけだ。
例のごとく、散らし寿司に、お吸い物、それに加えて、甘酒を準備したひな祭り。
近くの日系スーパーで買ってきた森永のフリーズドライの甘酒をお湯で溶いて、「うまいうまい」と飲む私を見て言った娘の一言だ。
「そんなに、好きなら、作ったらいいじゃない。できるんじゃない?」
アッ、そうか、そう言えば日系スーパーに米麹が売ってたな。
となったわけだ。
検索すれば、結構簡単に炊飯器でできるのだと言うようなことのよう。
そして、作ってみた!
ちょっと驚いた。
結構簡単、美味しくできるのだ。
いやあ、何でもっと早く考え付かなかったのだろう…。
それ以来、3回通り作って、友人にも分けたりして、喜ばれている。
旦那はお米のヨーグルトだと言って食べる。
けっして安くはないが、米麹。
500グラムほど入っていて価格は10ドルちょっと。冷蔵庫で長く保存できる。
色んなサイトを見てあれこれと比べて、結局選んだのは、ある酒屋さんのサイトにあったレシピ。
- 柔らかめに炊いたご飯4合分
- 米麹400グラム
- 温度計
これでおしまいだ。
炊き上がったご飯に水を加えて温度を60度まで下げる。これが最重要ポイント。60度以上だと菌が死んで発酵がうまくいかないということらしい。
何度かに分けて炊き上がったご飯に水を加えながら、(大体いつも500MLは入れてる)温度が60度以上にならないのを確認してから、麴を一気に加えてよく混ぜる。
炊飯器の蓋を開けたままにして、濡らしたキッチンタオルでカバーした状態で保温をキープ。
👇約1時間ほどたったところ。水が出て、すこーしべちゃべちゃしてきた。
👇3~4時間たったところ。匂いはすでに甘酒だ。
途中で頻繁に混ぜてあげると発酵がよく進むらしいので、1時間おきくらいに混ぜてあげる。
👇保温で12時間たってこの状態。ドロドロ。
冷蔵庫、冷凍庫で保管。
菌が生きているので、冷蔵庫で保管する時は10日程度が目安らしい、酸っぱくなるのだとか。
そうなる前に飲んでしまうので、酸っぱくなるかどうかは未確認。
すごく甘い。
毎朝、温めてそのまま頂くようにしている。
お砂糖の代わりに使ってもいいし、お味噌汁に加えれば、麹たっぷりの甘めの味噌汁になる。
毎朝呑む、おちょこ一杯分ほどの甘酒に、癒されている。
アメリカで、この歳になって飲む甘酒の味、
おばあちゃんが作ってくれてた甘酒は、もっと甘かったような気がするんだけど……。
もしかしたら、優しかったおばあちゃんの懐かしい記憶と相まって、あの時の甘酒の味が、甘いものに感じたのかも、と思ってみた。
ほんとに好きだったなあ、甘酒も、そして、おばあちゃんも…。
また米麹、買ってこないと。