旅行前のブログで、品質問題に端を発し、どうすれば日本の製造力が再び強く出来るかとの事で記していたが、ブランクの間に多数のメールなどでいろいろな助言や苦言を頂いていた。
この中で、品質問題については、つい最近も日立化成やKYB等でのデーター偽装問題が起こっていたとの報道があり悩ましい限りである。
前メールで小生がちょっと厳しい見方で書いていた『TPM活動は忖度しかありえない』との記述に対しても、『まさしくその通り』『経営者のTPM活動の理解不足』『思い違いが品質問題の衰退化(活動をしている事での慢心)』や『ゼロロスの考え方が危険』とのコメントもたくさんいただいた。
さらに『データーのトレンド解析の重要性』については、紙に出さない限り画面の中では『見えていて見えない』のではとの指摘もなされている。
5ヶ月のブランクがあり、もう一度ネジを巻いて考え方の整理をする必要はあるが、今日の日経電子版にトヨタで、現場の作業員から副社長まで昇り詰められた方の、『物作りに対する思い』を書かれたインタビュー記事が出ていた。
<記事抜粋(2018-11-6)>
センサーは本質を見えにくくする
「私はセンサーを付けたと聞くと、まずは『それ、いつ取り外すんだ?』と尋ねることにしています。課題を解決するという目的を持って、原因究明のためにセンサーを付けたというなら納得です。熱を持たないようにするにはどう改善したらよいのかを考えるために、材質が悪いのか強度がないのかという原因を見つける目的があるセンサーだからです。つまり、改善できたら不要になるはずです」
「何でもかんでもセンサーで収集し、それに頼り切ってしまうと、本質がかえって見えなくなってしまいます。人間のセンサー、つまり感性が失われていってしまうからです。だからこそ、センサーを付けっぱなしにするのはご法度です。・・・・
:;:;:
この記事から、人間の五感を補強するにはセンサーでの測定や、これを基にしたデーター管理は重要であるが、異常かどうか。さらには改善はと言う解は人間でしか出せない。AIでも過去の蓄積がないと判断はできないであろう。・・・
**
しかし、今回のデーター改竄は、得られたデーターを意図的に数値書き換えや追記などがされており、『過去の実績から問題が無かったので』
との釈明もあるが、これが例えば次工程の製品での信頼性を自社で十分に検証した上であれば、まだ多少安心出来る所もあるが、『ゼロロス』だけで何も考えず改竄したのであれば悪質・危険極まりない。
この原因として、このブログでも取り上げていた、暴論ではあるが、『TPM活動と品質管理活動との違いである』
今日本の製造業、各社が進めているTPM活動は過去のQC活動、品質管理活動の進化版との思いもあるが、今までの自主活動からトップダウンの活動となっていることが多い。ややもすると成績にも響きかねない活動でもあり、『ゼロロス』推進は、製品の品質不良での『ロス』だけではなく、管理部門の、例えば、昨今の人事管理で厳格化されてきている残業時間『ゼロ』まで活動目標にあげていると、これに向けて、品質異常の解析に費やする時間も削減せざるを得ず、歪がどんどん助長されてくる。
さらに危険なのは、本来独立すべき『品質管理部門』までが活動に参加し、TPMやISOの管理目標で、『クレームゼロ』『再検査ゼロ』というような目標を掲げてしまうと、何が何でも『ゼロ』。幹部報告へも忖度した『ゼロ』レポートとなってしまう可能性がある。
今一度TPMの本来のあり方。品質管理、QC活動のありかたを考えて見る必要があり、究極は個々人の判断力の能力向上が重要であり、掲題の『物を見る力』をどう醸成していくかが課題と思われる。
出来ればTPMの活動でもQC活動の『なぜなぜ』を基本とするような事を推進してほしい。
この能力が育てば日本の物つくりへの力もつける事ができ、『いい物を作り上げる』という事が意識出来、コンプライアンスも遵守されると思われる。
このためにどうするか・・
この中で、品質問題については、つい最近も日立化成やKYB等でのデーター偽装問題が起こっていたとの報道があり悩ましい限りである。
前メールで小生がちょっと厳しい見方で書いていた『TPM活動は忖度しかありえない』との記述に対しても、『まさしくその通り』『経営者のTPM活動の理解不足』『思い違いが品質問題の衰退化(活動をしている事での慢心)』や『ゼロロスの考え方が危険』とのコメントもたくさんいただいた。
さらに『データーのトレンド解析の重要性』については、紙に出さない限り画面の中では『見えていて見えない』のではとの指摘もなされている。
5ヶ月のブランクがあり、もう一度ネジを巻いて考え方の整理をする必要はあるが、今日の日経電子版にトヨタで、現場の作業員から副社長まで昇り詰められた方の、『物作りに対する思い』を書かれたインタビュー記事が出ていた。
<記事抜粋(2018-11-6)>
センサーは本質を見えにくくする
「私はセンサーを付けたと聞くと、まずは『それ、いつ取り外すんだ?』と尋ねることにしています。課題を解決するという目的を持って、原因究明のためにセンサーを付けたというなら納得です。熱を持たないようにするにはどう改善したらよいのかを考えるために、材質が悪いのか強度がないのかという原因を見つける目的があるセンサーだからです。つまり、改善できたら不要になるはずです」
「何でもかんでもセンサーで収集し、それに頼り切ってしまうと、本質がかえって見えなくなってしまいます。人間のセンサー、つまり感性が失われていってしまうからです。だからこそ、センサーを付けっぱなしにするのはご法度です。・・・・
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この記事から、人間の五感を補強するにはセンサーでの測定や、これを基にしたデーター管理は重要であるが、異常かどうか。さらには改善はと言う解は人間でしか出せない。AIでも過去の蓄積がないと判断はできないであろう。・・・
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しかし、今回のデーター改竄は、得られたデーターを意図的に数値書き換えや追記などがされており、『過去の実績から問題が無かったので』
との釈明もあるが、これが例えば次工程の製品での信頼性を自社で十分に検証した上であれば、まだ多少安心出来る所もあるが、『ゼロロス』だけで何も考えず改竄したのであれば悪質・危険極まりない。
この原因として、このブログでも取り上げていた、暴論ではあるが、『TPM活動と品質管理活動との違いである』
今日本の製造業、各社が進めているTPM活動は過去のQC活動、品質管理活動の進化版との思いもあるが、今までの自主活動からトップダウンの活動となっていることが多い。ややもすると成績にも響きかねない活動でもあり、『ゼロロス』推進は、製品の品質不良での『ロス』だけではなく、管理部門の、例えば、昨今の人事管理で厳格化されてきている残業時間『ゼロ』まで活動目標にあげていると、これに向けて、品質異常の解析に費やする時間も削減せざるを得ず、歪がどんどん助長されてくる。
さらに危険なのは、本来独立すべき『品質管理部門』までが活動に参加し、TPMやISOの管理目標で、『クレームゼロ』『再検査ゼロ』というような目標を掲げてしまうと、何が何でも『ゼロ』。幹部報告へも忖度した『ゼロ』レポートとなってしまう可能性がある。
今一度TPMの本来のあり方。品質管理、QC活動のありかたを考えて見る必要があり、究極は個々人の判断力の能力向上が重要であり、掲題の『物を見る力』をどう醸成していくかが課題と思われる。
出来ればTPMの活動でもQC活動の『なぜなぜ』を基本とするような事を推進してほしい。
この能力が育てば日本の物つくりへの力もつける事ができ、『いい物を作り上げる』という事が意識出来、コンプライアンスも遵守されると思われる。
このためにどうするか・・