おぐりクリニック

眼科、アレルギー科、漢方外来

1日2回、ほうれん草・キャベツなどの葉物野菜が緑内障を予防する可能性

2024-02-07 | 日記
今回は緑内障の予防方法についてお伝えさせていただきます。
 
葉物野菜には硝酸塩(しょうさんえん)という物質が多く含まれており、健康との関係が研究されています。
個人的にはほうれん草もキャベツも大好きです。
 
緑内障にも数十種類あるのですが、今回ご紹介する研究では硝酸塩と原発開放隅角緑内障(げんぱつかいほうぐうかくりょくないしょう)の病気の関連が調べられました。

硝酸塩は目の病気に効果がある?

原発開放隅角緑内障はPOAG(Primary Open Angle Glaucoma)と呼ばれます。
このタイプの緑内障では眼球の中にある水分の流れが悪くなって眼圧が上昇します。
この結果、視覚を伝える神経が圧迫されてしまい、視野が狭くなったり、失明の原因になります。

アメリカで過去に行われた研究調査をご紹介します。
男性、女性の対象者の中から40歳以上の人で POAG が発生したかどうか、また食事による硝酸塩摂取のデータなどが集められ、統計解析されました。

硝酸塩摂取が POAG の減少と関連するという結果でした。

少し難しいかもしれませんが、内容を以下にまとめます。
・ 食事による硝酸塩の摂取が最低5分位群(第一5分位群: 約80 mg/日)とくらべて、最高5分位群(第五5分位群: 約240 mg/日)のプールされた多変量率比は0.79(95% 信頼区間、0.66-0.93; Pトレンド=0.02)だった。
・ 1日につき0.31食分を摂った人に比べて、1日につき1.45食分以上を摂った人の多変量率比は全体の POAG で0.82だった(95% 信頼区間、0.69-0.07; Pトレンド=0.02)、そして、傍中心視野欠損のある POAG で0.52だった(95% 信頼区間、0.29-0.96; Pトレンド<0.001)。

一日に食事で葉物野菜を1.45食分以上摂っている人は、一日0.31食分摂っている人に比べて POAG になりにくいという結果でした。

硝酸塩を多く摂っている人と少ない人を比べた時に POAG になるリスクに差があった事は事実です。
しかし、他の要素が関係する可能性もあるため、食事による硝酸塩の摂取だけで POAG の予防に対する効果を判断するには限界があります。
 
とは言え葉物野菜が緑内障に有効という研究結果は、活性酸素を減らす食が健康に良いという考えにも繋がります。
私が推奨する "ナチュラル・ハイジーン" という生活習慣から考えても、理に適っていると思います。

日本人に多いとされる正常眼圧緑内障にも同様の効果が期待できるのではないでしょうか。


◆参照文献
Association of Dietary Nitrate Intake With Primary Open-Angle Glaucoma: A Prospective Analysis From the Nurses' Health Study and Health Professionals Follow-up Study.
JAMA Ophthalmol. 2016 Jan 14.
[PMID: 26767881 ]

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