残念ながら、今年、医学的理由でICLの入れ替えが必要となった患者さんがおられました。
以前のICL手術では術後に目の中の
「ICLによって房水の流れに問題を生じて起こる眼圧上昇(急性緑内障発作)」回避目的で、
「虹彩切除術」を必ず行っておりました。
虹彩切除を不要とする目的で「ホール付きICL」が開発され、
現在のレンズでは急性緑内障発作は生じないと言われております。
しかしながら、その患者さんでは手術当日に
「ホール付きICL」を使用したにもかかわらず眼圧上昇が生じました。
通常は眼圧を下げる点滴注射で回復するのですが、
点滴では翌日も眼圧が下がらず再手術対応が必要となりました。
何故、眼圧が上がったのか、現在でも原因がはっきりしません。
おそらく術前の検査で計算された眼内コンタクトレンズのサイズが
この患者さんには大きすぎて眼内で負担がかかったのだろうとの推定で、
サイズを小さくしたレンズに入れ替えを行うことになりました。
手術前より眼圧が正常より高めの方ではありましたが、
レンズの入替後は術前と同じ程度の眼圧で落ち着いております。
視力は裸眼で1.2と回復しておりますが、
眼圧上昇の後遺症と考えられる「白くぼやける」自覚的不快感が残っており、
慎重に術後観察を行っております。
これまで眼内コンタクトレンズの合併症を数回にわたりご紹介してきました。
どのような手術でも、今回ご紹介させていただいたような「想定外」の合併症は
たとえ割合は少なくても起こる可能性があります。
仮に合併症が生じても多くの場合は対応可能であることを理解の上、
不要に合併症を心配することなく安心して治療を受けていただければ幸いです。
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さて、従来当方のホームページ上で配信していたドクターコラムを、
今年は gooブログ へ移行させていただきました。
まだ慣れない部分が多く、対応に戸惑っております。
それでも多くの方に当ブログを読んでいただき、誠にありがとうございました。
どうぞ皆さま良い新年をお迎えください。
来年もよろしくお願い申し上げます。
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