目に良いコンタクトレンズを教えてくださいと、患者さんからよく質問されます。
残念ながら、目に良いコンタクトレンズはありません。そもそもコンタクトレンズは身体にとって異物です。人間以外で、目に異物を入れて生活している生物はいませんよね。
全国的に安易にコンタクトレンズ購入が可能となっていますが、私は患者さんに、そもそもコンタクトレンズを目に入れることは必ず負担になります という説明をしています。目に負担をかけているということを、まず理解してもらいたいからです。
増え続けるコンタクトレンズ障害
それでは何故目に良くないコンタクトレンズを処方しているのかとも質問されます。
それは使い方によっては役に立つ人間の知恵だからです。正しい使い方をすれば、目に加える負担以上に大きなメリットが得られます。物は使いよう、ということです。もちろん、コンタクトレンズを使わないにこしたことはありません。
ご存知のように日本の未成年者の人口が減っています。ところがコンタクトレンズによる眼障害は年々増えているという統計が報告されています。
障害が増えている理由は、おそらく広告宣伝で使い捨てコンタクトレンズが廉価にお手軽に購入できるイメージが作られてしまい、使用者が自分の目の状態を知ることなく、自覚なく無理な使い方をしているためだと考えられます。
この状態に対処できるのは、コンタクトレンズに精通した眼科医です。トラブルを生じ、場合によっては将来にわたって後遺症を残してしまう患者さんの多くは、自覚症状がなかったから診察を受けず、レンズだけ購入していたと言われます。特にソフトコンタクトレンズは重傷になってからしか自覚症状がでないことが多いのです。
体質の悪化でコンタクトレンズ障害も増加
現場で診療に携わっていると、平均的な日本人の体質が悪化してきていることを実感します。具体的にはアレルギー体質の増加です。私はアレルギーないよと言われる方も、気づいていないだけのことが多いのです。このためドライアイを生じやすくなり、コンタクトレンズを長時間使うには不向きになっている患者さんが増えていると思います。
そのことを知らずに長時間目に異物(コンタクトレンズ)を入れるという無理な使い方をすれば、障害を起こさない方が不思議かもしれません!
目の病気は全身から!
アレルギーは目薬で治る問題ではなく、食生活をはじめとした生活習慣の対応をしない限りは治りません。目は身体の一部であり心臓からの血流で維持されています。この点だけでも、目の疾患が身体の問題なく単独で発症するとは考えられないでしょう。
このため、全身状態を改善し眼疾患を治してもらう目的で当院ではアレルギー科を併設しております。
誤った使い方で大事な目を障害しないためにコンタクトレンズをお使いの方は、眼科専門医の検診を定期的に受けてトラブルを防いでいただきたいと思います。
おぐりクリニック
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