毛髪分析等で日本人はアメリカ人などより身体に水銀の濃度が高いことが知られています。
いろいろと原因はあるのですが、日本人が魚をよく食べることが原因の一つと言われています。
水銀が多くの日本人の病気を引き起こす原因になっている可能性があります。代表例は水俣病! 水俣病を発症するほど体内濃度が高くならなかったとしても、精神神経症状を含めてさまざまな病気に繋がっていることを指摘する研究者は多いのです。
その医学的調査報告の一つ、The Huffington Post 紙に2013年12月に掲載された記事をご紹介します。
高濃度ビタミンC点滴にはこうした重金属を体外に排出する効果があることも知られています。
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米国ニュージャージー州で寿司に関する調査が行われ、同州で寿司を食べている人の割合や、メチル水銀(有機水銀化合物)を多く摂取してしまう可能性のある寿司の種類などが明らかになった。
ニュージャージー州にあるラトガース大学と、その医学大学院であるロバート・ウッド・ジョンソン医学校の研究チームは、大学近辺に住む1289名を対象に、寿司の消費に関する調査を行った。また、ニュージャージー州のほか、ニューヨーク市、およびシカゴ市の商店やスーパーマーケットで購入した寿司を対象に、水銀の含有レベルを調べるサンプル調査を行った。
調査対象となった人々のうち、92%が魚を食べると回答し、魚または寿司の食事を平均で毎月5回摂っていた。また、寿司を食べると答えたのは回答者の77%にのぼり、彼らは寿司の食事を平均で毎月3.27回食べていた。調査対象者が食べた寿司に含まれる魚の量は、1切れ5~25グラムだった。
「Journal of Risk Research」誌に掲載された今回の調査結果のうち、主なポイントは以下のとおりだ。
- 最もよく寿司を食べていたのは白人とアジア系(特に、南アジア系より東アジア系)だ。中には、1ヵ月に40個を超える寿司を食べると回答した者もいる。さらに、魚または寿司を少なくとも毎日1回は食べていると報告した者が8名いた。
- 頻繁に寿司を食べていた人の上位10%(寿司を含む食事を平均で毎月30~60回食べていた人々)は、メチル水銀の摂取量が、米国疾病予防管理センター(CDC)の定義する最小リスクレベルと、世界保健機関(WHO)の定義する「暫定的耐容週間摂取量」を超えていた。(耐容週間摂取量とは、ヒトが一生にわたって摂取し続けても健康影響が現れないと見られる、1週間あたりの摂取量の指標。WHOの基準(2003年)では、ヒトの体重1キログラム当たり総水銀4マイクログラム、うちメチル水銀1.6マイクログラム)
- メチル水銀の平均含有レベルが最も高い寿司の種類はマグロだった(水銀含有量は約0.61ppm)。
- タイセイヨウマグロとメバチは、メチル水銀の含有レベルが特に高い。
- ウナギ、カニ、サケ、昆布の寿司は、メチル水銀の含有レベルが低い。
- サンプルとして入手した寿司の水銀含有量はさまざまで、「2.0ppmもの開きがあるため、寿司の消費による水銀の摂取量を一般的に予測するのは難しい」
- 「魚を週1回以上食べる人は、(食べる魚を)慎重に選ばなければならない。寿司を多く食べる人は、マグロの摂取を最小限に抑えてほしい」
メチル水銀を完全に避けることは難しい。私たちの環境のあちこちに水銀があり、また海産物を食べていることから、誰でも体の組織の中に一定量の水銀が含まれている。だが、さまざまな要因(摂取量、摂取した年齢、摂取した期間、摂取経路など)によって、水銀は危険なものになりうる。米国環境保護庁(EPA)は、メチル水銀が胎児、乳児、子供にとって特に危険を及ぼす可能性があると指摘している。その理由は、神経の発達を損なう可能性があるためだ(妊婦がメチル水銀を含む魚や貝を食べないように推奨される理由もこれだ)。
ただし、EPAは同時に、1999年から2000年にかけてCDCが米国で行った調査では、健康に悪影響をもたらすほど高いレベルの水銀が血中に含まれている人はほとんどいなかったことも報告している。
メバチとタイセイヨウマグロで今回検出された水銀のレベルは、「Biology Letters」が2010年に行った調査とほぼ一致していると、科学系ウェブサイトの「LiveScience」は指摘している。その調査とは、54軒のレストランと15店のスーパーマーケットから入手した寿司のサンプルを対象に、DNAバーコーディングを利用しながら、さまざまな種類のマグロの水銀含有レベルを調べたものだ。その結果、キハダやトロ(bluefin toro, fatty tuna)は、赤身やメバチよりも水銀含有レベルが低いことを研究チームは発見した。
さらに、「Milwaukee Journal Sentinel」紙が2008年、3軒のレストランと1店の食料品店から入手した10個の寿司サンプルを調査したところ、マグロを使った2つの寿司の水銀含有レベルが非常に高い値を示した。一方、エビ、サケ、サバを使った寿司のサンプルでは、水銀は「微量」だったと同紙は次のように報告している。
わが社の調査部門が入手したマグロのサンプルのどちらかを体重約59キログラムの人が約227グラム摂取した場合、EPAの基準(メチル水銀の1日あたり最大推奨摂取量)の35倍を超えることになる。
魚に含まれる水銀に注意すべきなのは、寿司を食べる人だけではない。2011年に「Consumer Reports」がマグロの缶詰の水銀含有レベルを調査した結果によると、テスト対象の42個のサンプルすべてに一定の水銀が含まれており、その量は0.018~0.774ppmだった。特に高級なビンナガマグロ(ホワイトツナ)は、ライトツナ(カツオ等)よりも水銀含有レベルが高かった。
いっぽう、イギリスのブリストル大学研究者が2013年に公開した研究結果によると、英国人が飲食によって摂取する水銀のうち、魚由来のものは約7%と見られる。魚に加え、茶とアルコール飲料が水銀汚染の原因となっている可能性があるという。(厚生労働省調査(PDF)によれば、日本人の場合、魚介類からの水銀摂取は87.6%にのぼり、水銀総摂取量は1日あたり8.4マイクログラム)
水銀含有レベルの高い海産物と低い海産物を知りたい方は、米国自然資源防衛協議会(NRDC)のリストで確認できる。
「Biodiversity Research Institute」等による報告によれば、日本を含む8カ国のヒトの毛髪サンプルのうち82%以上が、EPA基準(1ppm)を超えていたという。
(日本の厚生省等が2003年に発表した、魚の消費方法についてのガイドラインはこちらを参照下さい)
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