<質問> 生理不順のためホルモン治療をしていますが視力が不安定になりま すか?
一般的に、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減少すると
ムチンの分泌量が減り、瞳の水分量はあるのに水分を保持できず、 目が乾燥する感覚になることが多いのです。
この「ドライアイ」状態により、調節緊張が生じやすくなります。
調節緊張とは
読書やコンピューター、 テレビゲームなどの近くを見る作業を長時間続けていると、
つまり近くにピントを合わせる状態を無理に作りつづけることにな ります。
この状態が続くと、一時的に屈折力が強くなり、 近視に類似した状態になるのです。
これは昔でいう「仮性近視」の状態です。
現在では「調節緊張(調節痙攣)」と呼ばれています。
調節緊張は、眼が非常に疲れた状態と言えます。
ホルモン治療をすると・・・
30代後半から40代前半の方で軽い月経不順と体調不良を訴える
卵巣の腫大が認められ、女性ホルモンが妊娠中のように数値が高く なることが 多いのです。
症状としては上半身、頭などが火照るようになるなど更年期障害に 似た症状が出現します。
こうした場合にホルモン治療が行われます。
その結果、目の表面(角膜や結膜など) が傷つきやすくなって、
異物感や乾き、充血、 調節緊張などの不調が現れると考え られています。
当院での経験でも、 ホルモン療法を行っている女性の方が近視手術を希望される場合、
視力が不安定になっていることを経験します。
通常2回ほどの視力検査で眼内コンタクトレンズの度数を決められ るのですが、
それ以上に何度もお越し頂いての検査が必要となる場 合が多いのです。
術後の視力結果にも影響してしまいます。
眼内コンタクトレンズなどの近視手術を希望されるかたは、 この点をご理解の上、
視力が不安定になっていないかをまずは眼科専門医で確認すること をお勧めします。
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