結膜弛緩という病名を聞いたことはありますか?
名前の如く「結膜が緩んでたるんだ状態」です。
結膜が弛緩して何が問題?
様々な不快感の原因となります。
外来で患者さんが良く言われるのが「何か入っている」、「涙が良く出る」といった症状です。
診察して「何も入ってはいませんよ」とお伝えしても、「そんなことはない。こんなにゴロゴロするから間違いなく何か入っている」と言い張る方も少なくありません。
弛緩した結膜がかなりの不快感に繋がっているのです。
なぜ結膜が緩んだりたるんだりするのか?
明確な原因は不明とされています。
コンタクトレンズ(特にソフトコンタクトレンズ)の長期使用で結膜弛緩が生じやすいことは良く知られています。
長年、無意識に目をこする癖があった方にも多く生じているようです。
こする原因として、アレルギー性結膜炎(慢性結膜炎)、ドライアイをお持ちの方が多いです。
どちらも慢性的に「結膜を刺激する」ことで、たるみを生じさせるようです。
本来、結膜はテノン嚢を介して強膜に「付着」しています。
この付着が外れて結膜に「たるみ」が乗じたのが結膜弛緩です。
結膜に慢性的に物理刺激が加わることで「結膜が強膜からはがされる」と、結膜がたるみ結膜弛緩を生じます。
以下、日本眼科学会HPから一部抜粋します。
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原因・病態
結膜弛緩症はその名の通り、結膜が弛緩した状態です。
結膜には適度なゆるみがあり、上下左右などの眼球運動に耐えられるようになっています。
このゆるみが平均より強い状態を結膜弛緩症といいます。
ゆるんだ結膜は下まぶたに沿って存在し、程度が強いときは黒目(角膜)へ乗り上がっていることもあります。
(中略)
弛緩した結膜は、涙の流れ、涙の貯留、涙の供給を阻害します。
弛緩結膜がひだ(あるいは皺) を形成するために、そのひだの間に涙がたまり、外にこぼれ落ちるため流涙を生じます。
結膜弛緩症の患者さんはしばしば「涙がよく出る」「涙がこぼれる」などと訴えることがあります。
また、眼球運動や瞬きにともなって、 弛緩結膜が過剰に動くため、異物感を生じます。
強い痛みではなく、ごろごろする、しょぼしょぼする、 何か挟まっている感じがするなど、不快感に近いような症状となります。
弛緩結膜がよく動くことから、結膜の毛細血管が引っ張られて、結膜下出血の原因となります。
結膜下出血を繰り返す方にはしばしば結膜弛緩症がみられます。
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失明するほどの重症ではないのですが、
「この不快感が無くなると良いのに・・・」
と願っている方が大勢おられます。
治療方法
点眼で治ると思われている方も多いのですが、目薬は不快感を一時的に緩和するだけです。
完治のためにはたるんだ結膜を手術で元に戻すことが必要です。
15分ほどの日帰り手術で多くは満足する結果を出せます。
目の不快感をドライアイ、アレルギー性結膜炎の症状と誤解されている場合も多いです。
「目薬をさしても不快感が治まらない」場合、眼科を受診して結膜弛緩症ではないか、
診察を受けてみることをお勧めします。
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