おぐりクリニック

眼科、アレルギー科、漢方外来

花粉症! 今年は大丈夫ですか?

2025-02-17 | 日記
スギ花粉症の時期がやってきました。

トレンド総研による「目の花粉症対策」に関する調査結果によれば、「目のかゆみ」が実際に感じている花粉症の症状1位として挙がったそうです。

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「実際に感じている花粉症の症状」について質問。その結果、「鼻水」(83%)、「くしゃみ」(77%)、「鼻づまり」(75%)といった花粉症の代表的な症状を上回り、「目のかゆみ」(97%)が1位となった。

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この時期、いつも鼻がグズグズ、のどもイガイガ、咳、頭が重いetc、風邪が長引くと思っている方が大勢います。
風邪ではなく、花粉症に気が付いていないだけの場合も多いのです。

花粉症の診断を確定するためには、血液検査でスギ花粉が原因であると判定する必要があります。

当院では積極的にアレルギー検査をお勧めしています。

アレルギーの診断が確定した場合は、その検査値を毎年経過を見ることが参考となります。

体質変化の指標となるからです。

目の洗眼液は控える

目のかゆみ対策としてアイ〇ンなどの洗眼液を使う方もいると思いますが、多くの眼科医は小さいカップに洗眼液を入れての洗眼はおすすめしません。

涙は、油層、水層、ムチン層という3つの層により構成されます。
まばたきをすると、それぞれ異なる役割を持つ3つの層が均等に目に塗りつけられます
この涙にしっかりと覆われていることで、目は健康な状態を保つことができます。
涙は目を守る大切な武器なのです。

しかし洗眼液は、目の表面のたんぱく質を洗い流してしまいます。
その上、強力な洗浄薬や界面活性剤も含んでいます。
そのため、洗眼薬液で目の表面を洗い流す行為で、眼球を守るムチン層など大切な涙の成分も一緒に流してしまいます

眼を守る力を弱くしてしまい結膜炎をおこしやすくなったり、化学物質や防腐剤などの添加物でアレルギー症状が増悪する方も少なくないようです。

どうしても目を洗いたい場合は、シャワーを弱めに出しておいて目をぱちぱちと2〜3回まばたきをする位が無難かと思われます。
可能であれば生理食塩水が良いですが、「洗眼薬」をたくさん浴びるよりは少量の水道水の方がトラブルになりにくいかもしれません。。
花粉などの異物だけを「洗い流す」イメージです。
小さいカップで「何度も同じ洗顔液を目に入れる」行為には賛成しません。
 
目をこすると・・・

目がかゆくなると目を掻いてしまう人も多いかと思いますが、押したり、こすったりすることは避けることが賢明です。

花粉症やアレルギー症状で目をこすることが多い人には、網膜剥離になる人が多いと言われます。
アトピー性皮膚炎の患者さんに網膜剥離が多い原因は、目をこすることが問題であると言われています。

また、まぶたが下がって目が開けづらくなる「眼瞼下垂」の発症にも繋がります。

洗眼液をできるだけ使わず、また目を擦らないようにするためには、花粉症対策用のメガネやゴーグルを使うほうが不快感の軽減にお役に立つと考えます。
目に花粉(アレルギーの原因となる物質)を入れない対策が安全で不快感の軽減に有効です。

 

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冬、網膜静脈閉塞症に注意!

2025-02-12 | 日記

「網膜静脈閉塞症」という病気を聞いたことはありますでしょうか?

冬場に多く、既に当院でも新規での発症患者さんが増えてきている印象です。

 

網膜静脈閉塞症というと難しく聞こえますが、眼底出血という病名は、多くの方が知っていることでしょう。 

眼底出血は、網膜静脈閉塞症が原因で起こることが多いのです。

しかしこの病気、眼底出血ではなく、ほかにもいろんなことが眼の中に起きています…。

 

網膜静脈閉塞症とは

写真(日本眼科学会ホームページより転載):血管が詰まった領域に網膜出血が見られる

 

網膜静脈閉塞〈へいそく〉症とは、文字通り、網膜の静脈が閉塞する(血管が詰まって血液が流れなくなる)病気です。糖尿病網膜症と並び、眼底出血を起こす代表的な原因に挙げられます。『目の脳梗塞』とも呼ばれ、失明確率の高い疾患です。

 

血圧の高い、即ち動脈硬化を生じている高齢者に起きやすい

 

網膜静脈閉塞症は、50歳以上の年配の方に起きやすい病気ですが、さらに高血圧と深い関連があると言われます。静脈閉塞が起きた患者さんの80パーセントが、高血圧になっているからです。

これは、高血圧によって、網膜(眼球の内側に張り巡らされている膜で、瞳孔〈どうこう〉から入った光が焦点を結ぶ所。カメラのフィルムや撮像素子に相当)の血管が痛められること(動脈硬化)が影響しています。しかし、正確には動脈硬化を生じる生活習慣の積み重ねで血圧が上がっているのです。

つまり、高血圧が原因ではなく、動脈硬化が網膜静脈閉塞症の大きな原因であり、全身的には高血圧も生じている、と言う方が正確な表現でしょう。

 

高血圧、という言葉を聞いて、血圧を薬で下げれば問題解決、と大きな勘違いをしている方が多いですね。

動脈硬化が生じている原因を解決せずに、薬で血圧だけ下げればカラダの中の末梢〈まっしょう〉側(心臓からより遠い方)では血液の循環が悪くなります。更に動脈硬化が進行したり、網膜静脈閉塞症が生じやすくもなります。

原因を解決せずに、目に見える血圧と言う「数値」を下げるだけでは、根本治療にならないだけではなく、更なる病気の悪化、新しい病気の発症を早める場合もあるのです。

 

高血圧のほかに、血管自体の炎症により発症したり、糖尿病などの血液の粘性が増し、血管がもろくなる病気がある場合にも、発症しやすくなります。

 

食を変えられない方が多い

 

当然、高血圧の原因となる動脈硬化を防ぐことが大事な対応です。動脈硬化は、いわゆる「ドロドロな血液」によって起こります。では、「ドロドロな血液」の原因は?

 

血液の材料である、『水と食』の問題が血液に反映されたものが「ドロドロな血液」ですね。

 

問題は現代生活では美味しいものがありすぎて、自己節制が困難であること! 「わかっちゃいるけど止められない」のですよね!?

 

・・・わかっちゃいるけど止められない方のための、比較的簡単な対応方法を過去のコラムでご紹介していますので是非ご参照下さい。

⇒  ナチュラルハイジーン、食べる炭、蒸留水 で、病気から解放

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意外と多い「結膜弛緩」

2025-02-08 | 日記

結膜弛緩という病名を聞いたことはありますか?

名前の如く「結膜が緩んでたるんだ状態」です。

 

結膜が弛緩して何が問題?

 

様々な不快感の原因となります。

外来で患者さんが良く言われるのが「何か入っている」、「涙が良く出る」といった症状です。

診察して「何も入ってはいませんよ」とお伝えしても、「そんなことはない。こんなにゴロゴロするから間違いなく何か入っている」と言い張る方も少なくありません。

弛緩した結膜がかなりの不快感に繋がっているのです。

 

なぜ結膜が緩んだりたるんだりするのか?


明確な原因は不明とされています。

コンタクトレンズ(特にソフトコンタクトレンズ)の長期使用で結膜弛緩が生じやすいことは良く知られています。

長年、無意識に目をこする癖があった方にも多く生じているようです。

こする原因として、アレルギー性結膜炎(慢性結膜炎)、ドライアイをお持ちの方が多いです。

 

どちらも慢性的に「結膜を刺激する」ことで、たるみを生じさせるようです。

   
本来、結膜はテノン嚢を介して強膜に「付着」しています。

この付着が外れて結膜に「たるみ」が乗じたのが結膜弛緩です。

結膜に慢性的に物理刺激が加わることで「結膜が強膜からはがされる」と、結膜がたるみ結膜弛緩を生じます。


以下、日本眼科学会HPから一部抜粋します。
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原因・病態


結膜弛緩症はその名の通り、結膜が弛緩した状態です。

結膜には適度なゆるみがあり、上下左右などの眼球運動に耐えられるようになっています。
このゆるみが平均より強い状態を結膜弛緩症といいます。
ゆるんだ結膜は下まぶたに沿って存在し、程度が強いときは黒目(角膜)へ乗り上がっていることもあります。
(中略)

弛緩した結膜は、涙の流れ、涙の貯留、涙の供給を阻害します。

弛緩結膜がひだ(あるいは皺) を形成するために、そのひだの間に涙がたまり、外にこぼれ落ちるため流涙を生じます。

結膜弛緩症の患者さんはしばしば「涙がよく出る」「涙がこぼれる」などと訴えることがあります。

また、眼球運動や瞬きにともなって、 弛緩結膜が過剰に動くため、異物感を生じます。

強い痛みではなく、ごろごろする、しょぼしょぼする、 何か挟まっている感じがするなど、不快感に近いような症状となります。

弛緩結膜がよく動くことから、結膜の毛細血管が引っ張られて、結膜下出血の原因となります。 

結膜下出血を繰り返す方にはしばしば結膜弛緩症がみられます。

 

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失明するほどの重症ではないのですが、

「この不快感が無くなると良いのに・・・」

と願っている方が大勢おられます。

 

治療方法

 

点眼で治ると思われている方も多いのですが、目薬は不快感を一時的に緩和するだけです。

完治のためにはたるんだ結膜を手術で元に戻すことが必要です。

15分ほどの日帰り手術で多くは満足する結果を出せます。

 

目の不快感をドライアイ、アレルギー性結膜炎の症状と誤解されている場合も多いです。

「目薬をさしても不快感が治まらない」場合、眼科を受診して結膜弛緩症ではないか、

診察を受けてみることをお勧めします。

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病的近視の合併症と治療

2025-02-04 | 日記

今回は病的近視の合併症と治療についてお伝えしたいと思います。

 

病的近視を起こしている眼球

病的近視では、眼球後部の変形などにより、特に視機能に重要な視神経や黄斑部(おうはんぶ)網膜などの部位が機械的に伸展されるとともに変形し、様々な病的近視特有の眼底病変を起こしてきます。

図: 正視眼(左)と病的近視眼(右)の眼球の形(日本近視学会ホームページより転載)

正視眼では眼球はきれいな正円であるが、
病的近視眼では特に眼球後部が後方に突出し大きく変形している

 

  • 病的近視による網膜脈絡膜萎縮

病的近視の方では、網膜や脈絡膜が極端に薄くなり様々な萎縮性病変につながります。

カメラに例えるとフイルムの役目となる光を捉える神経が萎縮して十分に機能しなくなるのです。

これには、びまん性萎縮、限局性萎縮、ラッカークラックなどと呼ばれる名称があります。

 

  • 黄斑部出血

病的近視の患者さんの約1割に、黄斑部(おうはんぶ)という網膜の中心部分に出血が生じます。

病的近視の患者さんでは網膜と脈絡膜を隔てるバリアのような働きをしているブルッフ膜という膜に亀裂が入ることがあり、この亀裂を通って脈絡膜から新生血管(しんせいけっかん)という病的な血管が網膜に入り込んで増殖してしまう病態です。

突然の視力低下や変視症(ものが歪んでみえる)で発症することが多く、早期診断、早期治療が重要です。

治療は、血管内皮増殖因子(VEGF)を阻害する抗体を眼内に注入します。

 

  • 近視性牽引黄斑症

病的近視では眼球が前後方向に伸びる際に、伸びきれなくなった網膜がはがれてきてしまうことがあり、網膜剥離またはその前段階である網膜分離を起こします。

病的近視の方の約1割にみられます。

放置すると網膜剥離や黄斑円孔といった、より重篤な合併症に進行する危険があります。

診断には網膜の断層像を観察することができる光干渉断層計(OCT)という検査が有用です。

進行すると手術が必要となることがあります。

 

  • 緑内障・近視性視神経症

病的近視の方で意外に見過ごされやすいのが視神経障害です。

近視は緑内障の危険因子でもあり、また眼球の異常な伸展により、視神経やその神経線維が機械的に障害されやすく、視野障害の原因となります。病的近視では黄斑部病変を合併するために視神経障害が見過ごされやすいため注意が必要です。

眼圧上昇や視野欠損が生じるようであれば、眼圧下降治療(レーザー、点眼、手術)が必要となります。

しかし、眼圧が正常でも視野障害が進行する「正常眼圧緑内障」が日本人に多いことが分かっており、体質改善対策の重要性が認識されつつあります。

 

繰り返し述べているように、成長期の近視進行の放置は上記のような将来の失明リスクを高めます。

ご両親のご理解と協力がお子様の将来の視機能に関わることをご理解いただければ幸いです。

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