人生はカレー

はりきってカレーつくろうと
ちょっといいお肉買って
野菜もたっぷり
こまめにアクをとって
ぐつぐつ煮込んでルーを入れて、さあ完成！


おいしく出来た！


いやいやちょっと待て
隠し味を入れてもっとおいしくしてやろうと
りんごをすりおろして入れたとたん
あんなに美味しく出来てたカレーが
まずくなってしまった！

ぎゃあ～！
甘酸っぱい変な味のカレー
調子にのってリンゴを入れすぎた！


慌ててコショウや醤油やら、
目の前にある調味料を足せば足すほど
どんどん変な味になってくる。


あー私はあほや！
最後の最後になんでもっと慎重にならへんかってんやろう？


おいしくつくってみんなに喜んで食べてもらおうと
今まで一生懸命してきたことが
たった一瞬で、とりかえしのつかないことになってしまった。


なんかこんな場面どこかで見たことあるぞ

カレーだけじゃなくて
わたしのしてることが全てそんな風に思えて来て
悲しくてわんわん泣いてしまった。


いつもなら「まずい料理記録更新！」と大笑いしてるのに
その日はいろんな思いが合わさって
自分がどうしようもないだめ人間に思えて泣けてきた。


呆れた旦那さんが、カレー粉を加えて味を調整してくれた。


変な味になってしまったカレーを
家族は黙って食べてくれた。

しょんぼりしてる私を励まそうと、
息子や義父はうまいとまで言ってくれた。


残ったカレーは次の日
義母と一緒にカレーうどんにして食べた。
ちょっとだけおいしくなってた。



いくら頑張っても、最後に油断したり手を抜いたら
折角の苦労が水の泡になってしまうこともある。


反対に、もう取り返しがつかないと思っていたことも、
見方を変えれば案外たいした問題ではなかったかもしれない
とも思った。


家それぞれのカレーの味
おいしくするのはあなた次第

次はおいしくできるかな