たかがナイロン袋、されどナイロン袋

出来上がったものを見たら
どうってことない、ただのナイロン袋なのですが
完成する迄はいろいろな問題を乗り越えてきました。

モノづくりする上で私が大事にしていることは
発注する側、制作する側、デザインする側の全てが
ハッピーな関係であることです。

まずはコスト。
百円単位の商品を入れる袋に上等すぎるモノは必要ありませんが
ここで大事なのは、安けりゃいいってものではなくて
求めている物と、制作する質が見合っているかどうかです。

最初、こちらが指定した内容で見積りをとったら
予算にあわず、一時制作が中断してしまいました。

3社に見積りを頼みましたが、どこも同じような内容だったので
これ以上価格を下げる事は制作サイドに無理が生じるし
高すぎるレジ袋は発注側に必要ないと悩んでいたら
1社、とても熱心な営業の方がいらっしゃったので
反対に
発注側の希望見積りの範囲内ではどのようなものがつくれますか？
と聞いてみたら、いろいろ調べてくれて
ナイロンの材質を変えれば予算範囲内でできると
見積りとサンプルを出してくれました。


材質が変わると、半調指定では
うまく印刷できない箇所がでてきたので
その材質に合うようなデザインに変更しました。
それによって、版代も下がり
全体のコストも更に抑えることができました。


実績ができると他でも抱えていた仕事で
同じようにナイロン袋が必要なところがあったので
そのまま提案したらすぐ採用になり
結果、最後迄、根気よくこゆりにつきあってくれた業者さんに
2件の仕事を発注することができました。


ナイロン袋ひとつでこんなに熱く偉そうに語ってしまいましたが
小さな仕事でもひとつひとつ丁寧に積み重ねていくことで
関わった人と人とのつながりや信頼関係も深まり
次の仕事もスムーズに出来るようになります。


デザインって、レイアウトや絵を描いたりすることだけでなく
全体をバランス良くまとめるってことなんじゃないかなと思います。

まだまだ全然修行中ですが・・・

小さな小さなことからですが
良い信頼関係をつなげていけるようなデザインを
これからも提案し続けて行きたいと思っています。

このような
菊澤デザイン事務所が提案するデザインの考案を
「piece&peace」と名付けました。
商標登録済

最後迄読んでくださってありがとうございます。