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国保日高総合病院が最新装置導入(インフルエンザ)全国最多12台 〈2016年1月14日〉

2016年01月14日 08時30分00秒 | 記事

新たに導入した最新の分析装置


 御坊市外5ヶ町病院経営事務組合が経営する国保日高総合病院(曽和正憲院長)が、インフルエンザ流行期を控え、ウイルス感染を早期に発見できる最新の分析装置12台を導入した。発症初期の少量のウイルスでも感染の有無を判定できる優れもので、早期発見、蔓延・重症化防止に効果があると期待されている。全国的に導入が進んでいるが、12台は全国最多ということで、同病院は「インフルエンザで苦しむ人を一人でも減らしたい」としている。

 インフルエンザウイルスに感染してから24時間以内は、ウイルスの量が少ないため、これまでの検査方法では正確な判定が難しく、時間が経ってから再検査するなど対応。発見が遅れればそれだけ蔓延、重症化するリスクが高まるため、新たに富士フイルムのデンシトメトリー分析装置「富士ドライケムIMMUNO AG1」を導入。インフルエンザのほか、RSウイルスなど4つのウイルス判定ができる。
 装置自体は幅18センチ、奥行き20センチ、高さ12センチと小さいが、写真技術の応用でウイルスの検出感度が格段に向上し、ウイルス量が少ない発症初期でも検体の検出が可能になったほか、検査方法も鼻から採取した検体を装置にセットすれば自動で判定する優れもの。定価は1台約30万円で、昨年末に12台購入して救急室と小児科に各2台、臨床検査科に8台をそれぞれ配備して今月から使用している。県内をはじめ全国の病院等に導入されているが、12台の大量導入は初めてだという。
 同病院は「発見が遅れれば症状が悪化し、家族や学校、職場、老人福祉施設等での集団感染につながってしまう。幼い子どもや高齢者は重症化すると命に関わることもある。今回の装置導入で再検査のための来院を減らすことができ、それによって早期発見、早期治療が可能となり、重症化、感染の拡大防止につながる」と期待。臨床検査科の畑忠良臨床検査技師長も「インフルエンザで苦しむ人を一人でも減らしたい」と話している。
 同病院では昨年1月だけで615検体を検査し、うち228検体が感染していたが、今冬は暖冬の影響か、11日現在で50検体中、感染は2検体(ともにA型)と少ない。感染期を迎えれば同病院には1日40人前後が来院するため、今後、新しい装置が効果を発揮しそうだ。全国的にもまだ流行期に入っていないが、国立感染研究所は12日に「間もなく流行入りが発表される可能性がある」と注意を呼びかけている。


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