販売所として活用する旧小竹邸(右側は旧中川邸)
社会福祉法人県福祉事業団が、御坊市御坊の旧小竹邸を買い取り、新たに利用者が各事業所でつくった福祉生産品を地域住民や観光客らに対面販売する常設の販売所を今秋開設する。隣接の旧中川邸は障害児者の芸術作品発表や販売を目的とした「ぎゃらりーなかがわ」と手打ちそばなどが楽しめる食事処「なかがわ」として活用しており、新たに販売所を開設することで就労訓練など相乗効果を図るとともに地元産品の委託販売も行い、寺内町観光の活性化にひと役買う。
同事業団は、旧中川邸を買い取り、母屋を改修して県内2カ所目のギャラリーとして障害児者の作品発表や生産品販売の場に活用している。1階部分は一般開放し、寺内町観光のルートの一つとして観光客らが見学に訪れているほか、ごぼう商工祭ではお茶席など催しも行っている。農機具小屋を改装して障害者の就労訓練の場として開設した食事処「なかがわ」は固定客、リピーターも多く、にぎわっている。障害者10人が接客などに当たり、今年は2人が一般就労に移行するなど成果を上げている。
利用者の生産品を販売するスペースや駐車場が狭いことから、隣接にある南紀白浜温泉を開発した小竹岩楠の旧小竹邸を買い取り、利用者が対面販売する販売所を開設する。寺内町の景観に配慮して道路に面した建物を販売所として改修し、今秋オープンする予定。後方の建物は取り壊して駐車場などに活用する。道路側にあった小竹岩楠の功績を紹介する記念像は後方に移設した。
販売所は一般就労移行への訓練の場として事業団各事業所で利用者がつくった陶器やクッキー、ジャム、乾燥シイタケ、梅干しなど生産品を対面販売する。新規顧客の獲得、生産品の売り上げ増による利用者の工賃アップをめざすとともに、生産品を販売することで作業所の内容、理解を深めたい考え。あわせて「地域にも貢献したい」としょう油など地元産品などの委託販売も行い、食事処の利用者や観光客らに地元産品をアピールするなど寺内町観光の活性化にひと役買う。
寺内町活性化へ取り組み報告
御坊商議所活性化・観光推進委
御坊商工会議所地域活性化・観光推進委員会(柚瀬清委員長)は28日、御坊商工会館で開いた。
寺内町観光推進に向けて福祉事業団が旧小竹邸の活用、商議所が市から委託を受けた「わがまち魅力発信事業」に伴う旧JA紀州中央御坊支所跡を活用した情報発信拠点スペース整備について報告した。
柚瀬委員長は「寺内町観光を推進するための点が増えてきた。これら点を線で結び、面にして寺内町を中心とした地域活性化につなげたい」と話した。
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