車両から傷病者を救出する隊員
県消防長会主催(会長・出口博一和歌山市消防局長)の平成28年度緊急消防援助隊和歌山県大隊紀中ブロック中隊訓練は25日、日高町萩原、(有)ワコー産業敷地内で実施。紀中ブロックの5消防本部が、他府県で発生した大規模災害を想定し、本番さながらの救助救出を行い、消防機関相互の連携を深め、消防力の強化を図った。
紀中ブロックの、日高広域、御坊市、有田市、有田川町、湯浅広川消防組合の5消防本部から車両11台、42人が参加。各本部の消防長はじめ、県内の消防関係者が見学した。
想定は、他府県で局地的な短時間大雨で住宅地後背の山が崩れ、同時多発的に大規模な土石流が発生。この土石流で家屋損壊、埋没多数の負傷者を出し、河川も氾濫し、被害は甚大-とした。災害発生後、和歌山県に緊急消防援助隊の派遣要請があり、すぐに緊急消防援助隊県大隊を結成し、被災地へ。同県大隊長から紀中ブロック中隊に救助及び救急活動を実施するよう指示した。
同時に発生した、損壊家屋、土石埋没車両、土砂埋没の3つ災害現場で、各消防本部が連携し、救助活動にあたった。損壊家屋では、御坊市と有田市消防が倒木や岩盤を排除し、家屋の屋根の部分をチェーンソーであけ、閉じこめられた3人を救出。土石埋没車両には子どもを含む3人が閉じこめられ、日高広域が土石を取り除きながら、車両の掘り起こし、車両の助手席から順に救出した。土砂埋没者の救助には、湯浅広川消防組合、有田川町、日高広域の3消防組合が連携。土砂を掘り、埋没者を救出した。各現場での傷病者の救出時は、プライバシー保護のため、ブルーシートで報道機関などから隠しながら搬送した。各現場での作業が終了すると、次の現場へ応援に駆けつけた。
訓練終了後、出口会長が「スムーズで迅速。有意義な訓練だった。非常に熱心に取り組んでいただいた。災害では想定どおりにいかないこともある。今後より一層相互の連携を図り、消防力を強化し、一致団結して被害を最小限に抑えていきたい」と講評、日高広域消防本部の山西良一消防長が「緊急消防援助隊の活動も年々、増え、その即応性がますます求められている。災害規模が大きくなればなるほど、強い消防力が必要。今回の訓練を通し、紀中ブロック相互の連携強化を図れたことは、被災地での迅速な人命救助につながると確信している。今後も一致団結して取り組んでいきたい」とあいさつした。
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