兄弟の夢を叶えた史礁選手と兄・藍畝さん(右)
(左は父の凌滋さん)
今年のプロ野球ドラフト会議が24日、東京都内で行われ、日高川町山野出身、青山学院大4年の西川史礁(みしょう)選手=丹生中、龍谷大平安高卒=に、2球団が1位指名で競合。くじ引きで千葉ロッテが交渉権を獲得した。日高地方出身選手の1位指名は、2009年の菊池雄星投手(MLBアストロズ)の外れ1位で中日ドラゴンズに入団した岡田俊哉投手以来2人目。1回目の1位指名は史上初の快挙で、地元も歓喜に湧いた。
「吉井監督のもとで日本一を」
各球団の1位指名が始まり、3番目のオリックスから「西川史礁、青山学院大学、外野手」が読み上げられると、7番目の千葉ロッテも西川を指名し、1位指名で重複。くじ引きでロッテが交渉権を手に入れた。西川は「野球を始めた頃からプロ野球選手になるという思いでやってきた。その夢が叶って、素直に率直にうれしいです。ロッテファンが熱狂的で応援も大好き」と笑顔を見せた。
指名から約3時間後、同じ和歌山、箕島高出身の吉井理人監督が青学大を訪れ両手でガッチリと握手。吉井監督が「和歌山のいいお兄ちゃんだという印象です」、西川は「すごく優しそうな方だなという印象」と互いに第一印象を語ると、吉井監督は「マリーンズは右の大砲がいない。いい野手に、いいホームラン打者になってほしい」と期待し、西川は「選手との距離が近いと思うので、この方のもとで日本一を取れるように頑張りたい。バッティングの方に期待していただいていると思うので、そのバッティングでしっかりと1年目から活躍できるような選手になりたい。日本の4番打者と言われるような選手になりたい」と、同郷の大先輩に活躍を誓った。
幼少期からともに球を追い道標になった兄・藍畝さん
幼い頃、どんな日も父・凌滋さん((株)西川組代表)の帰宅を待ち、父が庭に作った打撃練習場で、父のボールを打ち続けた。そこにはいつも4学年上で、平安高、青学大と常に背中を追い続けてきた兄・藍畝(らんせ)さんが居た。家族で追い続けてきた甲子園、ドラフト1位というデカい夢を掴んでみせた。史礁選手の道標にもなった兄・藍畝さんは「自分が叶えられなかった夢を史礁が叶えてくれた。ドラフト1位は夢のようで信じられない、本当に嬉しい。球界を代表するような選手、ファンから愛される選手になってほしい」と弟にエールを送った。
平安高で兄弟揃って甲子園に出場、藍畝さんは青学大の主将を務め、当時2部だったチームを1部に引き上げて、弟に大きな置き土産を残した。平安高2年で選抜出場した当時、細身で軽快な遊撃手のようなタイプだったが、ウエイトを増やし、長距離ヒッターに生まれ変わった。1年の秋季Lからクリーンアップを任されるも結果は残せず、しかし、3年春に一気に覚醒。不動の4番打者で打率・364、打点10、3本塁打など5部門で2位の成績を残してMVPとベストナインを満票で受賞。大学侍Jの4番に座り、日米野球優勝も成し遂げ、ドラフト前の大学生で初の侍Jトップチーム入りすると、3安打1打点。中堅手で好守を見せるなどプロ顔負けの活躍で一気に注目を浴びた。
小さい頃から兄弟にボールを投げ続け、神宮球場に毎試合のように足を運んで試合を見守ってきた父・凌滋さんは「2球団から1位指名は光栄に思います。私は吉井監督と同じ和歌山で育ち同い年。息子が監督のもとで野球ができるのを心強く感じます。これからは野球が職業になるので、もっと精進して、プレーも人間性も一流になってほしい」、二人の兄弟を支えた母・マリさんと姉・ひかるさんも1位指名を喜んだ。
その他の主なニュース
● 美浜町制施行70周年記念イベント(12月1日)の詳細決まる
● 県国民健康保険団体連合会表彰に保健師の上かおるさん(御坊市)
● 11月3日、御坊総合運動公園で「宮子姫こどもまつり」開催
● 県漁業士連協が塩屋、名田小児童にしらす丼振る舞うなど魚食普及活動