田園 里山 野鳥そしてアルプスの山々

日進市と近隣の里山、春から秋にはアルプスの山々を歩いて感じたこと、考えたことなど・・・

白木峰散策

2013年08月05日 | 山歩き

富山からの帰り道、岐阜県との県境にある白木峰 (1596m) を二人で歩いてきました。市内のホテルを朝5時少し前に出発。風の盆で有名な八尾の町を通り抜け、国道472号から471号へとたどります。1時間ほど走り、「21世紀の森」の看板を目印に左折して林道へ入ります。さらに30分弱走り、6時20分、標高 1300m の駐車場に着きました。ニッコウキスゲの最盛期を過ぎていることもあり、土曜日にもかかわらず先着の車は1台だけでした。

ここから白木峰頂上直下まで、急な登山道をたどるコースと林道コースがあり、どちらをとってもかかる時間に大きな差はないようでしたが、とりあえず登山道を行くことにしました。

                  登山口駐車場にある案内看板     

     

              1回目の林道交差点直下の登山道

登山道と林道は3回ほどクロスするのですが、最初の交差点までおよそ40分かかりました。かなり急で足場が悪いことと、ぬかるんで滑りやすいところがあることから、それ以上登山道を行くのはやめて、以降は林道を登ることにしました。

ゆっくりと林道をたどっていくと、あちらこちらに野生のオオバギボウシの花が露を抱いてみごとに咲きそろっています。

                        オオバギボウシ

登山口から1時間半ほど歩き、7時50分、白木峰の山頂に着きました。山頂到着直前には雲の切れ間に遠く槍ヶ岳の穂先が見えていましたが、数分後には雲に隠され、二度と姿を現しませんでした。

        雲間遥かに槍ヶ岳が一瞬姿を見せる ・・・ 白木峰山頂手前にて

朝食をとり、ひと休みして、登り下りの少ない道を浮島の池まで歩きました。ゆっくり歩いても往復1時間ほどの道で、ところどころにニッコウキスゲがまだ残っていました。

      遅くまで雪が残っていたと思われる谷あいにニッコウキスゲの群落が

      

               池塘に影を映すニッコウキスゲ

いくつかの池塘があり、大変気持ちのよい高原です。雲が多く遠くの山は見られなかったけれど、快適に散策を楽しむことができました。

           浮島の池 ここまで歩きやすい遊歩道が整備されている

浮島の池を巡る木道に腰をおろし、何もしないで30分ほどのんびりとした時間を過ごしました。池に浮かぶ浮島にはアキアカネがやってきて羽を休めています。木道にはキベリタテハが飛んできて、リュックにとまってなにやら蜜をすようなしぐさをしています。

  

 池等に浮かぶ浮島で羽を休めるアキアカネ            キベリタテハ

涼しくて帰りたくなくなりましたが、9時過ぎ、重い腰を上げ、来た道を戻りました。行く手には高原状に広がる緑の彼方に白木峰の頂上が見えます。

            浮島池付近から白木峰頂上方面を見る

頂上に戻って三たび大休憩。1時間以上もここで時を過ごし、11時、山頂をあとにしました。帰路はすべて林道経由。道の脇には、タマガワホトトギスがかわいい花を咲かせています。

                    タマガワホトトギス

登るときには気がつかなかったので、朝遅い時間になって花を開いたものと思われます。アサギマダラが2匹飛んできて、オミナエシの花にとまりました。

   

                      アサギマダラ

およそ1時間の下りで、12時10分、駐車場のある登山口に着きました。車は10台以上に増えていましたが、駐車場がいっぱいになるほどではありませんでした。

帰路、高山をめざしてカーナビをセットすると、国道471号を指示。国道と思って安心したのが間違いで、これがとんでもない”酷道”。舗装はされているものの大部分はすれ違いも難しい細い道で、両側に茂った草が車体をこすります。帰ってから調べてみましたが、高山に出るにはこれ以外には大回りするしかなく、名古屋方面からのアクセスは不便な山、ということがよくわかりました。そういえば駐車場の車もすべて富山ナンバーでした。

最盛期を過ぎていたこともあり、出会った人は全部あわせても20数名。にぎやかな地元富山の女性4人組と何度か一緒になりましたが、話によるとニッコウキスゲの最盛期には駐車場に止めきれない車が林道の脇に並ぶそうです。おかげさまで今回は静かで涼しい山歩きをゆっくりと楽しむことができました。立山のような派手さはなく、遠くから訪れるには多少不便ではありますが、頂上近くまで車で入ることができ、山慣れない人には取り付きやすい名山、という印象を持ちました。次は北アルプスに雪の来る頃、好天をねらって訪れてみたい所です。

      


伊吹山の雲海・花・ホオアカ

2013年07月21日 | 山歩き

土曜日の朝早く、伊吹山に二人で行ってきました。4時半に家を出て6時過ぎに山頂の駐車場着。この時期伊吹山スカイラインは朝3時から夜9時までオープンしていて、もう少し早く出れば日の出も見られるのです。

到着した時は晴れていて、白山が手前の山波の向こうにくっきりと見えました。中央やや右が先日訪れた御前峰。その右が別山です(6時15分ごろ撮影)

手前左の方に少し離れて見えるのは能郷白山です。6時20分駐車場を離れ、西遊歩道をゆっくり頂上に向かいます。左右には高山植物が花盛りを迎えています。下の写真はキンバイソウ。

 

 

上はウツボグサ(左)とクガイソウ(右)です。ウツボグサは妻の話だと我が家の庭にも咲くそうです。クガイソウとルリトラノオはよく似ているのですが、葉が輪生しているのでこれはクガイソウ。

シモツケソウもそこここに花を開いていて、ピンクの色が見事です。西遊歩道からは琵琶湖や比良山が良く見えます。東岸の山本山や、浅井長政の居城のあった小谷山も見てとれます。

1時間弱で山頂に着きました。この頃になると、北尾根を越えてガスがでてきました。右下の小さなガスが次第に広がっていきます。

頂上で朝食。食事の間にガスは広がって、近くの山は雲海の下に隠れてしまいました。そのかわりに遠くの北アルプスや中央アルプスが雲海の上に頭を見せます。雲海の上に浮かぶ白山の姿もなかなか立派です。

帰路は東遊歩道を下り、駐車場に8時半過ぎに着きました。この頃になるとあたりはガスが流れて近くの花さえしばし霞むほどに。夏はやはり朝早く行かないと遠くの景色は見えませんね。

山頂近くの石碑の上に1羽のホオアカがいて、きれいな声で囀っていました。

雲海に浮かぶ御嶽山、乗鞍岳と北アルプス、、白山、そしてホオアカの声は YouTube の動画をご覧ください。

    http://youtu.be/oA0x-p5mOhw

      

 


白山登山 第1日

2013年07月13日 | 山歩き

7月11日、12日の1泊2日で、岐阜・石川県境の白山に登ってきました。梅雨がまだ明けきらないのか、雲やガスの多い天候でしたが、晴れ間もあって良い山歩きができました。

朝4時前に自宅を出発、東海北陸道を荘川ICで下り、国道156号線を北に30分ほど行くと、御前母衣ダムを少し過ぎたあたりで登山口の大白川に向かう林道入り口があります。左折してさらに30分で白瀬道登山口です。

  

       白山 白瀬道登山口                  白水湖俯瞰

7時15分 に登山口を出発。樹林帯を2時間ほど登ると少しずつ視界が開けてきます。左下には、登山口近くの大白川ダムが見え、白水湖が青い湖面を見せています。

                  登山道からの奥三方岳

このころは天気も良く、行く手には雪渓を抱いた奥三方岳が青空を背景に見えてきます。

大倉山(2038m)を過ぎると、この登山道には今の時期、3か所ほど雪渓が残っていて、横切るのに少し緊張します。大倉山からしばらく登ったところに最初の雪渓があり、途中でスイッチバックして雁形に横切ります。

       最初の雪渓を渡り終えた出口地点から入り口地点を振り返る

さらに大小2つの雪渓を渡ると、やがて白山連峰最大のカンクラ雪渓に出会います。登山道はその左手を登ってゆきます。青空と白い雲を背に、御前峰が立派です。

        カンクラ雪渓の向こうには御前峰が頭をのぞかせる

        登山道は雪渓の左側を緩く登っていく 白い花はナナカマド

しばらくしてようやくこの日の宿、白山室堂が見えてきました。室堂着は14時。あいにくこの頃からガスが出てきました。

                      白山室堂

気温は14度。風も出てきて肌寒くなってきました。ときおりガスが切れて御前峰山頂が見えます。

         ガスの切れ間、御前峰が青空を背景に顔を出す

ガスがなかなか切れないので、ルリビタキが鳴き交わす声を聞きながらあたりをしばらく散策し、ちらほら咲いているクロユリなどを写真に撮りましました。

5時から夕食。夕食後、散策を続けようと外に出ると、ようやくガスが取れ、白山奥宮を前景に御前峰山頂がすっきりと見えてきました。

                     御前峰と白山奥宮

カメラとヘッドランプだけ持って山頂に向かうこととし、6時過ぎに奥宮の鳥居をくぐりました。陽は西に傾き、雪渓も少し赤く光ります。

  

      室堂平から西方を望む               室堂の小屋と別山 

東を見ると、夕日に赤く染まった雲の間にときどき御嶽山がシルエットで浮かびます。

                   御嶽山が雲間に浮かぶ

頂上には6時50分に到着。西の空は雲が多く、日没そのものはいまひとつでした。右下には剣ヶ峰、その左に大汝峰が堂々と控えています。

 

            大汝峰                          剣ヶ峰

7時10分には山頂を離れ、室堂の小屋へと向かいました。約30分で薄暗くなった室堂平に到着。同部屋の人たちは皆すでに布団の中です。消灯は8時半で少し間がありましたが、横になりいつの間にか寝入ってしまいました。

週日ということもあり、32人泊まれる部屋に8人ほど。ゆったりと睡眠をとり、翌日に備えました。

   

 

 


鞍掛峠から三国山・白草山

2013年05月01日 | 山歩き

4月27日、御厩野(みまやの)林道から鞍掛峠を経て三国山・白草山の長野・岐阜県境尾根を歩いてきました。

林道は標高1100mあたりにゲートがあり、そこからは約1時間余りの林道歩きになります。

          林道のゲート 鍵がかかっていますが人は通れます

朝7時半、ゲート前に駐車して歩き始めました。移動性高気圧が張り出してくることを期待していたのですが、時おり青空が見えるものの雲が多い天気。

             御厩野林道から鞍掛峠方面を望む

小雪もちらつきますが風はさほど強くありません。昨日からの新しい雪を被った木々が青空に美しく映えます。ヤマガラやコガラがしきりに鳴いています。

      新雪の雪景色と野鳥のさえずりで林道歩きもなかなか楽しめました

コマドリの声も聞こえます。野鳥の写真を撮りながら、1時間半近くかかって鞍掛峠に着きました。

                 鞍掛峠  白草山への登山口

左手に、白草山への登り口が見えます。今日はまず、もう一つの目的地三国山へと向かいます。

三国山への尾根への取付きがわかりにくく、断念した人もいたようですが、今回は笹が刈られていてすぐにみつかりました。

    三国山への登路 取付き。 写真は峠側から御厩野方面を振り返って見たところ。

やや左手から正面の崖上に登り、斜め左方向に進む。右手奥(写真ではかげになって見えない)からも登れるが勾配はきつい。赤いテープはそちらの登り口の灌木に巻いてあった。

             取付き点から間もなくはっきりした道に  

取付き点から5~60mも行くとこの写真のような、ヒノキの林間のはっきりした道が現れます。赤いテープの目印もあります。

この道を少し進んだところから笹のヤブ道になります。今は笹が刈り取られ、倒れたササを踏んで歩くようになり、大変歩きにくい道です。

              笹薮に覆われた踏み跡をたどる

この日はご覧のように笹の葉に雪がのっていて、かき分けて歩くうちに全身ビショ濡れになりました。

それでも小一時間登って、ひと気のない三国山山頂(1611m)に到着。熱いお湯でコーヒーを入れてひと息つきました。

               三国山山頂の三等三角点

ここは、信濃、飛騨、美濃三国の境。現在は岐阜県と長野県の県境上になります。連休初日ですが、人の来る気配は無く、、静かな時が流れています。

                    山頂から小秀山方面

枝に積もる雪が解けて落ちる音があたりに響きます。小秀山も雲の中。来た道を下って鞍掛峠に向かうと、県境尾根の彼方に白草山と箱岩山の姿が大きく見えます。

       三国山から下山の途中、白草山、函岩山がよく見える

峠から反対側に登り返し、白草山へは歩きやすい山道、苦労させられたこれまで道とは地獄と天国の違いです。足が軽くなったような気がして快調に道がはかどります。

          真冬から残る吹き溜まりの残雪  深さは50cm ほど

それでもところどころに冬を越した残雪があります。誰も通らないのか、自分の靴跡だけがくっきりと残ります。

               林道に直接下りる道との分岐

ひとしきり登れば、登り下りの少ないほぼ水平な尾根道。1時間ほどで御厩野方面の林道に直接下りる道との分岐に着きます。ここには避難小屋が建っていますが、道標はこわれてありませんでした。

さらに登ること20分弱で白草山山頂(1641m)に到着。ここはさすがに人気の山で、この日初めて4パーティ18人に会いました。ほとんどが反対側の乗政から登ってきた人たちでした。

                  白草山山頂から小秀山を望む

到着した時は小雪が降っていましたが、すぐに霧が晴れて、小秀山と先ほど登った三国山が良く見えます。

                   御嶽山は雲に隠れています

残念ながら御嶽山は雲の中。30分ほど付近を散歩し、来た道を鞍掛峠へと戻りました。

                           県境尾根・三国山と歩行ルート

最後に、鞍掛峠から白草山方面に少し登り、三国山方面を振り返った時の写真とルート図を載せておきます。左の写真、樹林帯と笹原の境界を先ほどの笹薮の悪路が通っています。

弱い冬型と寒気がまだ残っていたためか、青空が見えたかと思うと小雪やあられが降ったりして天候の不安定な日でした。遠くの山は見えなかったものの、静けさと面白い天気を楽しんだ山歩きでした。

  

 

 

 


八高山からの富士山

2013年02月27日 | 山歩き

名古屋からは富士山が見えません。岡崎―豊橋―浜名湖の間にある低い山々に隠されてしまうのです。浜名湖の西岸、湖西連峰まで行くとようやく富士山の姿を見ることができます。もう少し大きな富士を、それもすそ野の広がった雄大な姿をみるには?と探していて見つけたのが、大井川西岸の八高山(標高832m)です。2月25日、移動性高気圧がやってくる好天を狙って登りました。

第二東名の島田金谷インターを下りて20分ほどで大井川鉄道の福用駅に着きます。ここが出発点。白光神社向かって左わきから尾根道に取り付き登り始めます。

     大井川鉄道 福用駅 ここの駐車場に車を置かせてもらいました

しばらく急な登りが続きますが、1時間ほど登ると勾配は緩くなり、やがて小文に下りる道が左に分かれる分岐点に至ります。分岐点付近では植林された杉の林を縫って気持ちの良い道を歩きます。

                  杉の植林を縫う快適な山道

少し進むと林道に出会い、これを10分ほど歩くと馬王平という開けたところに出ます。三つの林道が交差しており、ここで初めて富士山の姿に出会います。

    馬王平 頂上への登山道が左下白い看板之脇から切り開かれた斜面を登る

                    馬王平からの富士山

ここから頂上までは1時間弱の急な登りです。頂上は東西方向が刈り取られていて、富士山、南アルプス、掛川から磐田市街と太平洋がよく見えます。

         八高山山頂 ここでお湯を沸かし、昼食とコーヒーで大休止

年配のご夫婦が先着しておられましたが、地元島田市の方。年に数回は来られるそうです。しばらくすると若い男性二人組も到着。こちらは御前崎から。ここで食事をとり、コーヒーを飲みながら、ゆっくり展望を楽しみました。風はほとんどなく、ひだまりで暖かい絶好の日よりでした。

             山頂からの富士山 少し雲が出てきました

                    南アルプスと大無間山

       南アルプスのズームアップ 左から兔岳、聖岳、赤石岳、上河内岳

頂上からのパノラマはYouTubeの動画 http://youtu.be/Jfppmi-VWyU をご覧下さい。

  反対側の掛川市、磐田市方面 中央にジュビロ磐田の本拠地のサッカー場が見える

頂上を後にして馬王平を過ぎ、分岐を右にとって小文に向かいました。1時間弱で登山口に着き、ここからは茶畑のなかを福用駅に向かって村道歩き。ときどき近道があります。

                        小文の茶畑

                 茶畑の中を下って福用駅へ

途中、ミカンの樹や咲き始めの白梅が山里に彩りを添えています。のんびりと昼過ぎののどかな風景を楽しみながら30分ほどで福用駅に戻りました。

                 白い梅の花は開花し始めたばかり

 富士山、南アルプスの展望、中腹の杉林、山麓の茶畑と里の風景、魅力にあふれた早春の山旅を楽しむことができました。