毎年正月、数々の名勝負と熱いドラマが繰り広げられる「箱根駅伝」。
東京・大手町から箱根・芦ノ湖まで往復するこのコースをリアルに体験したくて、昨年秋から一人で走ってみた。
これまでの記録はこちら。
一回目(2013.10.14) 1区・大手町-鶴見(公称21.4km+α)
二回目(2013.11.24) 2区・鶴見-戸塚(公称23.2km+α)
三回目(2013.12.1) 3区・戸塚-平塚(公称21.5km+α)
四回目(2013.12.23) 4区・平塚-小田原-箱根湯本(公称18.5km+約5km)
で、今日はいよいよ往路のクライマックス。5区である。
5区 箱根湯本-芦ノ湖(公称23.4km-5km+18km)
(小田原-箱根湯本間は前回走っておいたので省略。その代わり、帰路は旧東海道・石畳経由で湯本まで折り返して走る。)
日程:2014年3月29日(土)
天候:/、やや強し
体調:悪くはないが、前夜やや食い過ぎで体重増気味。
前回の4区から二月の記録的大雪を挟んで、ずいぶん間が開いてしまった。
JR東海道線、箱根登山鉄道を乗り継いで、本日のスタート点「箱根湯本」駅に降り立つ。
土曜日とあって、今日もかなりの賑わいだ。
軽くストレッチをして、混み合う温泉街を抜け出すようにスタート。
で、さすがにこの5区。出だしから「登り」だ。
権太坂の近くに住み、坂の多い横浜をふだん走り慣れているにも関わらず、やはりこの登りオンリーはキツい。
さらにこの日は風が強く、特に箱根の山からこちらに向かって吹き下ろしてくる向かい風が半端無い。
気合を入れてないと時折よろめくほどで、初っ端から息はゼイゼイ、ローギア全開で走らされる。
さらに一般人が五区の走る場合、これまでと違って歩道の整備状況がかなり悪いのが問題となる。
特に休日だと細い道を大型バスが目一杯の幅で走り抜けるので、こちらが車道側にはみ出るなどもってのほか。
凸凹した側溝の蓋の上を注意しながら走らなければならない。
箱根遺跡の「函嶺洞門」は工事中で迂回路を通過。
塔ノ沢の先で「秋元」と表札のかかった大別荘を発見。もしやあのAKBのボスのじゃないよな。
大平台のヘアピンカーブを抜け、宮ノ下へ。キツい。
走り始めの登りで一気に大汗をかいてしまったが、ここに来て山からの風も若干冷たくなり、長袖ランシャツの上にpatagoniaのフーディニを羽織って走る。
しかし、向かい風でフードが膨らみ、走りにくい。
辛抱、我慢、辛抱、我慢・・・と相撲部屋の呪文?を唱えながらのスロージョグが続く。
富士屋ホテル前を通過。ここ、たしか高校の同級生が一人就職したはずだが、今でも勤めているのかな。結構偉くなっていたりして。ちょっと気になる。
また、この付近で昔ながらの写真店を発見。
以前、「テレ東」の旅番組でも紹介されていたが、知る人ぞ知る有名な店のようで店頭のショーウィンドーにはレトロ調の芸能人(ナインティナインなど)やら、あのJohn&Yokoの記念写真も。
コースは強羅方面へ行く道と別れ、左折。
観光地とあって箱根は所々に公衆トイレがあり、その点、1区から4区と較べて年配の頻尿ランナー?にはありがたい。
ただ、この日は出だしで大汗をかいたため、山からの風が多少冷たくてもトイレの心配はまるで無かった。
「ユネッサン」前、通過。
箱根駅伝とまったく関係の無いただのおっさんが自分の道楽で走っているだけなのだが、それでも観光客の若い女性グループが熱い眼差しで応援してくれ(ているような気がす)るのは嬉しい。 (あぁ、勘違い)
小涌園辺りで「ついに下り坂が!」と一瞬思える目の錯覚ポイントがあるが、実は登りはまだまだ続く。
今回、自分に課したルールとして「途中いくら立ち止まってもいいが、決して歩いて距離は稼がない」ことにしてあるので、STOP&GOの繰り返し。
そして、ふいに前方左側に待望のこの標識。
「国道1号 最高地点」!(標高874m)
そして、これまでの辛い苦行を一気に払拭するような爽快な下りとなる。
それまでの張りっぱなしのふくらはぎが本当に水の得た魚のように生き返るこの感覚は、このコースを実際に走ってみないとわからないだろう。
そして目の前には芦ノ湖の湖面がチラチラと見え出す。
以前、ミニベロの時も感じたが、ここは本当に感動する。自転車にしろランニングにしろ、もちろん自分の足で来た時の場合だが。
とりあえず今、自分の視界の前にはランナーはいない。気分は「カシワバラ」だ。
(もっとも、ここまで来る間にそれぞれ単独のランナー三人ほどに抜かされているんだけど・・・)
滑り込むようにして芦ノ湖の一端、元箱根へ。
そして再び混み合う湖畔の道を大鳥居、杉並木と走り抜いてゴォォォル!
終わった・・・。何もかも。(矢吹丈との試合を終えた力石徹の言葉より)
しかし、今回の5区。
走り終わった完走を率直に言うと「キツい!・・・けど思ったほどじゃなかった」というのが正直なところ。
もちろん前回の「貯金」を使って今回は小田原じゃなく箱根湯本からスタートしたこと、ランニングとも言えないような超スロージョグ、しかも頻繁に立ち止まりながらという「なんちゃってラン」にしてもだ。
たぶんそれは登りがあればいつか下りが来るというコース自体の明確さと、自分がある程度山を登っていてこうした苦行に慣れているからだろう。
たぶん景色も高低差もまるで変化の無い、永遠に続くような長距離の方がよっぽど辛いはず。
それでも柏原竜二は偉大だということを改めて痛感したのも確かである。
せっかくここまで来たので、今日はゴール近くにある「箱根駅伝ミュージアム」を見学。
明日定年退職する隣の課の昼休みジョギング仲間の先輩にお土産として「箱根駅伝記念タオル」を購入。
さて、帰路はどうするか。
最初はヘロヘロになって当然、湯本までバスで帰るものと思っていたが、なぜか思ったほど足のダメージは少ない。
バス代も高いし、道も下りだし、ここは走って帰ることにするか。
まさかの復路スタート!
で、再び往路を引き返す。
走り始めてすぐに気付くが、やはりダメージが少ないなんてことはなかった。
足が重いっ!しかもガクガク。
肉体的疲労もさることながら、やはり人間一度気を抜いてしまうと途端に筋肉にも緩みが来てしまう。
それでも何とか最初の登りをこなし、帰路は6区をそのまま行くのではなく、変化を求めて旧・東海道の石畳の道を行くことにした。
地図を持ってこなかったので元箱根から直接、石畳の道に入れず、一旦「精進池」まで戻り「お玉が池」経由でコースに入る。
途中、観光名所の「甘酒茶屋」で一服。(甘酒一杯、四百円也)
その後、石畳を走るが、これがゴツゴツとした上、苔むした岩が濡れていたりして走りにくい。
特にトレラン用ではなく、今回のようにソールの擦り減った普通のランニング・シューズでは滑り易くて、下りといえどなかなかスピードが出せなかった。
道は舗装されたカーブの多い車道を縫って所々ショートカットしながら湯本まで一気に高度を下げる。
だが、ここに来て思わぬアクシデント。
右膝がモーレツに痛み出す。
まさか古傷の半月板をやっちまったか?
思わず暗い気持ちになるが、それでもだましだましのペースで足を運ぶ。
この十年、どんな山でもここまで足にダメージが来ることはなかったのに・・・あらためて箱根駅伝、恐るべし!
それでもヘッデン・ランにならない時間にようやく湯本の町に帰ってきた。
今回入ろうと思っていた共同浴場「弥坂湯(やさかゆ)」に到着。
丸い湯船が一つのみ。番台のおばちゃん、昭和レトロの佇まいがイイ味出している。(大人650円)
ここの丸い湯船、かつて35年近く前の高校生の頃に金時山の帰りに入った記憶があり、当時は混浴だったと思うが、違うかなぁ。
とにかく箱根駅伝往路、分割だけど何とか完走。
ラン的効果はもとより、「テレ東・旅番組」的トレーニングとして、なかなか面白かった。
ただし、復路は今のところやる気なし。
真夏の5区とは!さすがにこの時期、走っている人はあまりいないのでは?
暑さは大丈夫だったでしょうか。
私は一昨年ヒザを壊してからまともにアスファルトの上を走っていません。山や岩登りは何とかできるんですけどね。だからとても羨ましいです。
1区もぜひ楽しんでください!
箱根駅伝5区走ってきました!
時間は。。。3時間弱といったところでしょうか。
ゆっくり走ってきました。
旦那のゆっくりのペースだったのでそんなにきつくはなったです。いい汗かきました!
どちらかというと最後の下りがきつかったです。。
10月に1区大手町スタートしてきます。
夫婦で箱根駅伝5区ですか。いいですね。
しかし、このような企画では私などまだまだひよっこ。
「一人箱根駅伝」で検索すれば、一人で1区から10区まで一気に走るなど、とんでもない奇人超人がいたりします。
まぁそこまでしなくても、湯本から登り詰めてコース最高点から芦ノ湖まで下る辺りは最高に気持ちいいので、ぜひ楽しんでください。
残念ながら私は膝を壊し、もう二年以上ランニングが遠ざかっています。行かれたら、ぜひ感想を聞かせてくださいませ。
箱根駅伝愛する42歳です!
このような企画で探してましたら現場監督さんのブログ見つけました!
来月旅行がてら夫婦で箱根駅伝5区チャレンジしようと思っています。
週末ランナーの私ですが、元陸上部の維持で頑張ってきます!
やってる人はけっこう多いみたいですよ。
少なくとも一区間ずつ分ければ、そんなにキツくはないし、やはり駅伝ファンなら一度は自分で走ってみなければ。
お勧めです。
選手たちの偉大さは実際走ってみないとわからないものですよね。僕もトレーニングに使っている公園がたまたま箱根駅伝の出場校(残念ながら下位)のトレーニング場所なので、彼らの凄まじさはみてきました。(いつもまとまって走っていて全員キロ3分30くらいのペースで長い時間ずっと走っています。でも、こんなにすごくても箱根では下位なんですよ、、、、おそらく市民マラソンなら上位入賞出来る実力でしょう。)
現場監督のブログ拝見するに一人箱根駅伝は確かにきつい事は間違いないのですが、きついばかりではなく結構観光も楽しめて面白ろそうですね。自分決行する時の参考にすごくなりました。ありがとうございましたm(_ _)m
ナイスランです。完走おつかれさまでした。